認定看護師の19分野一覧|各分野の役割・仕事内容・なり方を現役看護師が解説

「認定看護師にチャレンジしたいけど、結局どんな分野があるの?」「19分野って聞いたけど内容を知りたい」、そう思って調べている看護師さんは多いものです。認定看護師制度は2020年に新カリキュラムへ移行し、21分野から19分野に再編されました。さらに、今までの認定看護師との違いや、特定行為研修との関係など、情報が混在していて整理しづらい状況です。
この記事では、認定看護師の19分野の一覧と各分野の特徴、なる方法、年収、キャリアアップまでを、現役看護師の視点でわかりやすく解説します。読み終える頃には、自分が興味のある分野や、今後のキャリアの方向性が見えてくるはずです。
結論:認定看護師は新課程で19分野、特定行為研修と一体化された
認定看護師制度は2020年4月から新たなカリキュラムへと移行し、それまでの21分野が19分野へと再編されました。特定の看護分野で熟練した看護技術と知識を有することを認められた看護師、それが認定看護師です。新課程では、特定行為研修が組み込まれ、医師の指示のもとで一定の医療行為(特定行為)も行えるようになりました。
各分野は、現場のニーズや医療の高度化に合わせて、内容が見直されています。たとえば、旧課程の「救急看護」「集中ケア」が新課程では「クリティカルケア」に統合されたり、「慢性呼吸器疾患看護」が「呼吸器疾患看護」へと名称が変わったりしています。新たに「腎不全看護」「呼吸器疾患看護」「生殖看護」などが加わり、より臨床現場に直結した分野構成になっています。これから認定看護師を目指す方は、新課程の19分野を基準に学ぶのが基本です。
認定看護師とは?資格制度の概要
認定看護師は、日本看護協会が認定する資格で、特定の専門分野で水準の高い看護を実践できると認められた看護師を指します。役割は大きく3つ、実践・指導・相談です。臨床で熟練した看護技術を実践するだけでなく、後輩や他職種への指導、患者さんやご家族からの相談対応も担います。看護師としてのキャリアアップを目指す多くの方が、目標として掲げる資格でもありますね。
新課程では特定行為研修が組み込まれているため、医師の指示書に基づく特定行為も実施できるようになります。これにより、現場での裁量と責任が広がり、医療チームの中でより大きな役割を果たせるようになります。日本看護協会の最新公開データでは、全国で認定看護師数は2万人を超えており、急性期病院から在宅領域まで幅広い場所で活躍しています。給与面でも、認定看護師手当が支給される医療機関が多く、年収アップにつながりやすい資格です。
認定看護師の19分野【新課程】一覧表
新課程の認定看護師19分野は、下記の通りです。各分野の主な活動領域と概要を一覧にまとめました。
| 分野名 | 主な活動領域 |
|---|---|
| 感染管理 | 院内感染の予防・対策、職員教育 |
| がん放射線療法看護 | 放射線治療を受ける患者のケア |
| がん薬物療法看護 | 抗がん剤治療を受ける患者のケア |
| 緩和ケア | 終末期・苦痛緩和、家族支援 |
| クリティカルケア | 救急・集中治療領域の重症ケア |
| 呼吸器疾患看護 | COPD・喘息・呼吸不全等のケア |
| 在宅ケア | 在宅療養者の生活支援・看取り |
| 手術看護 | 周術期ケア・術中安全管理 |
| 小児プライマリケア | 小児の急性期・予防的ケア |
| 新生児集中ケア | NICUでの新生児ケア・家族支援 |
| 心不全看護 | 心不全の生活指導・再入院予防 |
| 腎不全看護 | 透析・腎臓病の生活支援 |
| 生殖看護 | 不妊治療・周産期メンタルケア |
| 摂食嚥下障害看護 | 嚥下機能評価・誤嚥予防 |
| 糖尿病看護 | 血糖管理・足病変予防・指導 |
| 乳がん看護 | 乳がん患者の継続支援 |
| 認知症看護 | BPSD対応・家族支援・地域連携 |
| 脳卒中看護 | 急性期〜回復期の機能回復支援 |
| 皮膚・排泄ケア | 褥瘡・ストーマ・失禁ケア |
それぞれの分野で、求められる専門知識や活動の場が異なります。次のセクションでグループ別に特徴を見ていきましょう。
がん関連の4分野(がん放射線療法・がん薬物療法・緩和ケア・乳がん看護)
がん関連は4分野あり、超高齢社会で需要が高まり続けている領域です。がん放射線療法看護は放射線治療中の副作用管理や皮膚ケアを、がん薬物療法看護は化学療法の副作用予防や曝露対策を担当します。緩和ケアは終末期の身体的・精神的苦痛を和らげ、ご家族のグリーフケアまで含む幅広い領域です。乳がん看護は罹患率の高い乳がんに特化し、術前から治療後のリンパ浮腫予防、性機能や妊孕性への配慮まで継続的に支援します。がん診療連携拠点病院や大学病院など、専門性の高い病院で活躍する方が多い分野です。
急性期・周術期の5分野(クリティカルケア・手術看護・新生児集中ケア・呼吸器疾患看護・脳卒中看護)
急性期・周術期の5分野は、命に直結する場面で活躍する領域です。クリティカルケアは旧課程の救急看護・集中ケアが統合された分野で、ICUや救命救急センターで重症患者の管理を担います。手術看護は手術室での周術期管理、新生児集中ケアはNICUでの新生児・家族ケアを専門とします。呼吸器疾患看護は人工呼吸器管理や慢性呼吸器疾患の在宅指導まで幅広く、脳卒中看護は急性期から回復期、生活期までの一貫した支援を行います。チーム医療の中核として活躍したい方に向いている分野ですね。
慢性期・専門領域の5分野(心不全・腎不全・糖尿病・摂食嚥下障害・感染管理)
慢性期・専門領域には、生活全体への継続支援が中心となる5分野があります。心不全看護は心不全患者の自己管理支援と再入院予防、腎不全看護は透析患者や保存期CKDの生活支援を専門とします。糖尿病看護は血糖コントロール指導から足病変予防まで、患者教育の比重が大きい分野です。摂食嚥下障害看護は誤嚥性肺炎予防や経口摂取支援を、感染管理は院内感染対策・職員教育を担当します。感染管理は新型コロナウイルス感染症の流行以降、全国で需要が一気に高まった分野でもあります。
在宅・地域・小児・生殖の5分野(在宅ケア・認知症看護・小児プライマリケア・生殖看護・皮膚排泄ケア)
在宅・地域・小児・生殖領域には、生活の場に密着した5分野があります。在宅ケアは訪問看護や地域包括ケアで活躍し、認知症看護はBPSDへの対応や家族支援、地域連携の中核を担います。小児プライマリケアは予防接種から急変対応まで小児領域全般を、生殖看護は不妊治療や周産期メンタルケアを専門とします。皮膚・排泄ケアは褥瘡・ストーマ・失禁ケアを中心に、急性期から在宅まで幅広い場で活躍します。在宅医療や地域包括ケアシステムの推進により、これらの分野はますます重要性が高まっています。
旧課程21分野との主な違い
旧課程と新課程では、分野構成と教育内容に違いがあります。旧課程は21分野でしたが、新課程では現場ニーズや医療の進歩に合わせて再編され、19分野になりました。たとえば旧課程の「救急看護」「集中ケア」は新課程の「クリティカルケア」へ統合され、「慢性呼吸器疾患看護」は「呼吸器疾患看護」へと名称も内容も拡張されています。
最大の違いは、新課程に特定行為研修が組み込まれたことです。これにより、認定看護師は手順書に沿った特定行為(脱水時の輸液調整、人工呼吸器からの離脱、創傷管理など)を医師の指示なしに実施できるようになりました。なお、旧課程の認定看護師資格は引き続き有効で、希望者は移行教育を受けて新課程に切り替えることも可能です。日本看護協会は2026年度以降、すべての認定看護師教育を新課程で実施する方針を示しており、これから取得を目指す方は新課程一択になります。
認定看護師になる方法と取得までのステップ
認定看護師になるには、いくつかの段階を踏む必要があります。受験資格は**看護師免許取得後5年以上の実務経験(うち3年以上は希望分野での経験)**が必要で、この経験の積み方が最初のハードルになります。実務経験を満たした後、認定看護師教育課程(800時間以上)を受講し、修了後に認定審査を受け、合格することで認定看護師として登録されます。
教育課程の受講と費用の目安
認定看護師教育機関は、全国の大学・看護系大学院・看護協会の研修センターなどで開講されています。受講期間は新課程で8カ月から1年程度が一般的で、費用は受講料・教材費・交通費などを含めて100万円から200万円ほどかかります。所属医療機関が費用を一部負担してくれるケースも多く、勤務先の制度確認が大切です。働きながら受講できる遠隔・通信併用型の課程も増えており、家庭との両立もしやすくなってきました。受講中は休職扱いか給与の一部支給かなど、所属先によって扱いが異なるため、事前に人事や看護部に確認しておきましょう。
認定審査の合格率と更新制度
認定審査は年1回、書類審査と筆記試験で行われます。合格率は分野によって異なりますが、おおむね**80〜95%**と高水準です。教育課程を真面目に受講し、実務経験をきちんと積んでいれば、決して難しすぎる試験ではありません。合格後は5年ごとの更新制度があり、看護実践時間や研修受講などの実績を積み重ねる必要があります。更新を続けることで、最新の知識をアップデートし続けられる仕組みになっています。継続的な学習意欲が求められる資格ですね。
認定看護師の年収と働き方
認定看護師の年収は、所属医療機関や経験年数によって幅がありますが、一般的な看護師より月額1万〜3万円程度の手当が付くケースが多く、年収にして20万〜40万円程度のアップが期待できます。さらに役職(係長・主任など)に就けば、より大きな年収アップにつながります。大学病院や急性期病院では認定看護師手当が制度化されている場合が多く、確実に評価される傾向にありますね。
働き方の面でも変化があります。認定看護師は専門領域の実践だけでなく、院内勉強会の講師や他病棟へのコンサルテーションを担うことが増え、より裁量の大きい仕事に携われるようになります。一方で、責任も増えるため、自己研鑽の時間確保や精神的負担の管理も大切です。最近では、認定看護師として独立して訪問看護ステーションを開業したり、企業の医療顧問になったりと、活動範囲を広げる方も増えています。資格取得後のキャリアパスは、想像以上に幅広いです。
よくある質問
認定看護師について、よく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 認定看護師と専門看護師の違いは?
専門看護師(CNS)は大学院修士課程修了が必要で、より高度な研究・教育・倫理調整も担います。認定看護師は実践重視、専門看護師は実践+研究のリーダー的存在、と覚えるとわかりやすいです。
Q2. 働きながら取得できますか?
通信併用型の教育課程もありますが、基本的には集合研修への参加が必要なため、長期休職または短時間勤務への切り替えが現実的です。所属医療機関のサポート制度を活用しましょう。
Q3. 看護師経験5年未満でもチャレンジできますか?
受験資格は看護師免許取得後5年以上の実務経験が必要なため、5年未満では受験できません。まずは希望分野での実務経験を積みましょう。
Q4. 旧課程と新課程、どちらが有利?
これから取得するなら新課程一択です。特定行為研修が含まれており、現場での裁量も広がります。旧課程の認定看護師は移行教育で新課程に切り替え可能です。
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まとめ:自分に合う分野を見つけて、専門性を磨こう
認定看護師の19分野は、それぞれが現場のニーズに直結した専門領域です。がん関連、急性期、慢性期、在宅・地域、と幅広いカテゴリーがあり、自分の興味や経験を活かせる分野がきっと見つかります。新課程では特定行為研修が組み込まれ、現場での裁量がさらに広がりました。
認定看護師は、看護師としてのキャリアアップだけでなく、患者さんやご家族により質の高い看護を提供できる資格です。取得には時間も費用もかかりますが、長期的に見れば十分にリターンが見込める投資と言えるでしょう。まずは興味のある分野で実務経験を積みながら、教育課程の情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。
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