看護師の退職の伝え方|例文と引き止め対策を現役看護師が解説

Nrs.佐倉転職を決意した看護師さんからよく聞かれる切実な悩みです。看護師業界は人手不足が常態化しており、退職を伝えると引き止めに合うケースが多いのが現実。準備せずに伝えると、強い引き止めに屈して退職時期が大幅に遅れる、という失敗もあります。
この記事では、看護師の退職の伝え方と引き止め対策を、例文と実践的な対応法込みで現役看護師の視点で解説します。退職の切り出し方、伝えるタイミング、円満退職のコツ、しつこい引き止めへの対応まで網羅しているので、ストレスを最小化した退職プロセスが描けます。
円満退職の鉄則は「事前準備+早めのタイミング+意思を曲げない」の3点です。
- 退職届のテンプレート・引き止めへの返答パターンを事前準備
- 退職希望日の1〜2か月前に直属上司へ
- 引き止めには優しく毅然と、一貫した姿勢を保つ
退職の伝え方の基本ステップ
退職を伝える流れを、5ステップで整理します。
退職希望日・退職理由・次の職場の有無を整理。退職希望日は引き継ぎを考えて1〜2か月後に。退職理由は本音を整理しつつ、上司に伝える「前向きな表現」も準備。次の職場が決まっていれば「内定済み」と伝えるのが一般的です。
最初に伝える相手は直属の上司(看護師長または主任)。同僚に先に話すと噂が広まり、上司の耳に入って関係が悪化することがあります。師長 → 看護部長 → 同僚の順序を守りましょう。
「お話があるのでお時間いただけますか」と個別にアポイント。立ち話や朝礼前の慌ただしい時間は避け、勤務後やランチ時間など落ち着いて話せる時間帯を選びましょう。場所も人目のつかない個室や面談室が理想的。
「退職させていただきたいと考えております」と明確に伝える。「退職を考えている」「悩んでいる」など曖昧な表現は引き止めの口実を与えるため避けましょう。退職希望日も具体的に伝え、引き継ぎへの協力姿勢も併せて示すと印象が良くなります。
口頭で意思を伝えたら、1〜2週間以内に退職届を提出。書式は会社の指定がなければ縦書きの手書きが基本。「一身上の都合により退職いたします」と書くのが一般的です。



退職を伝える時の例文集
実際の伝え方を、シーン別に紹介します。
シーン1:師長への切り出し方(基本パターン)
「師長、お忙しいところすみません。少しお話させていただきたいことがあります。来月末をもちまして、退職させていただきたく考えております。これまで多くのご指導をいただき、本当にありがとうございました。引き継ぎについてはしっかり対応させていただきますので、ご相談させてください」
「師長、お時間いただきありがとうございます。実は次の職場が決まりましたので、令和○年○月末をもって退職させていただきたいと考えております。ご迷惑をおかけしますが、引き継ぎを丁寧に進めますので、ご相談させてください」
シーン2:退職理由を聞かれた時の答え方
「これまで急性期看護で多くを学ばせていただきました。今後は訪問看護の領域で在宅医療に携わりたく、転職を決意いたしました。貴院での経験を活かして、地域医療に貢献していきたいと考えております」
「家族の介護のため、勤務時間の調整が必要となり、退職を決意いたしました。これまで多くの経験を積ませていただいたことに感謝しております。引き継ぎは責任を持って対応します」
「体調管理を整えながら長く看護を続けたいと考え、勤務形態の異なる職場での再スタートを決意しました。これまでのご指導に感謝しております」
シーン3:退職届のテンプレート
退職届は、以下の形式が一般的です。
退職届
私事、
令和○年○月○日
このたび一身上の都合により、令和○年○月○日をもって
退職いたします。
令和○年○月○日
看護部 ○○病棟
看護師 ○○○○ 印
○○病院
病院長 ○○○○ 殿
退職届は白い縦書き便箋に手書きが基本。会社指定の書式がある場合はそちらに従いましょう。提出は師長経由で看護部長・院長宛てとなります。
引き止めへの対応 例文集
退職を伝えると、ほぼ確実に引き止めがあります。パターン別の対応例文を紹介します。
師長「あなたが辞めると本当に困ります。もう一度考え直してくれませんか?」
返答例:「お気持ちは大変ありがたく感じております。私自身、何度も悩んだ末の決意ですので、申し訳ありませんが意思を変えることはできません。引き継ぎを丁寧に行い、ご迷惑を最小限にできるよう努めますので、何卒ご理解ください」
ポイント:感謝を示しつつ、毅然と意思を伝えるのがコツ。「悩んだ末の決意」と強調することで、軽い気持ちでないことが伝わります。
師長「給料を上げる、夜勤を減らす、希望の部署に異動させる、こういう条件なら残ってくれない?」
返答例:「ご配慮ありがとうございます。ただ、退職は給料や勤務条件だけが理由ではなく、自分のキャリア・ライフスタイル全体を見直した上での決意です。条件改善のお話はありがたいのですが、当初の意思のまま退職させていただきたく存じます」
ポイント:条件改善で揺らがないことを示すには、「キャリア全体を見直した結果」と理由を広く構えるのが有効です。
師長「次の人が決まるまでは残って」「もう少し時期をずらしてほしい」
返答例:「次の職場との契約上、令和○年○月○日入職が確定しております。これ以上時期をずらすことは難しい状況ですが、後任の方への引き継ぎは責任を持って行いますので、ご協力させてください」
ポイント:次の職場との契約日を強調することで、時期延長の余地がないことを伝えます。
師長「あなたを育ててきたのに、辞めるなんて裏切りだ」「みんな迷惑する」
返答例:「これまでのご指導には心から感謝しております。今回の決断は感情的なものではなく、自分のキャリアを真剣に考えた末の選択です。ご迷惑をおかけする部分は、引き継ぎで最大限カバーさせていただきます」
ポイント:感謝を示しつつ、感情的な訴えに巻き込まれず冷静に対応します。「裏切り」などの言葉に動揺せず、淡々と意思を保ちましょう。
円満退職のための引き継ぎのコツ
退職時の引き継ぎを丁寧にすることで、円満退職が実現します。
- 引き継ぎリストの作成:担当患者の状態、進行中の業務、委員会・係の引き継ぎをA4で1〜3枚にまとめる
- 最終出勤日までの計画:週単位で引き継ぎ計画を立てる(情報引き継ぎ→業務手順→質問対応の段階的進行)
- 感謝の挨拶を忘れない:手書きメッセージカード・お菓子の差し入れなど
- 有給消化を計画的に:残った有給を消化する権利を活用、業務に支障が出ないよう調整
退職交渉でのトラブル対処法
円満に進まない場合の対処法も知っておきましょう。
トラブル1:退職届を受理してくれない
師長や看護部長が退職届を受理しない場合、人事部や院長宛てに直接提出することができます。郵送(内容証明郵便)で送る方法もあり、民法上、退職の意思表示から2週間で雇用契約は終了するため、最終的には法的にも退職可能です。
トラブル2:退職を盾に圧力をかけられる
「辞めるなら損害賠償する」「退職金を払わない」といった脅しは、ほぼ違法です。労働基準監督署や労働局に相談すれば、適切に対応してもらえます。一人で抱え込まず、外部の相談窓口を活用しましょう。
トラブル3:引き継ぎをさせてもらえない
時間を与えてもらえない、後任を紹介してもらえない、こうした嫌がらせ的な対応の場合も、労働者の責任ではありません。「最善を尽くしました」という記録を残しておけば、後で問題になることはほぼありません。
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まとめ:退職は権利、堂々と次の一歩へ
- 退職は準備+早めのタイミング+意思を曲げないの3点で円満実現
- 引き止めは「あなたが必要」というメッセージでもあるが、それで意思を曲げる必要はない
- 退職届のテンプレート・引き止めパターン4種への返答例文を準備
- 退職届を受理しない・脅される場合は労働基準監督署・労働局に相談
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