看護研究のおすすめ本7選|計画書・統計・論文が苦手な人に

「今年は看護研究の担当になったけれど、何から始めればいいかわからない」「研究計画書の書き方がわからない」「統計と聞いただけで手が止まる」——看護研究は、臨床で働きながら取り組むには負担が大きく、苦手意識を持つ人の多いテーマです。
この記事では、初めて看護研究に取り組む看護師に向けて、テーマの選び方、研究計画書と倫理審査、論文の読み方、統計、論文の書き方まで、研究のステップごとに役立つ本を7冊紹介します。
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- 看護研究の基本的な流れと、つまずきやすいポイント
- 看護研究の本を選ぶ4つのポイント
- 研究のステップ別・看護研究のおすすめ本7選と比較表
- 研究の進め方に合わせた読む順番
- 忙しくても看護研究を進めるコツ
ゆい看護研究は「難しい学問」というより、「日々のケアで感じた疑問を確かめる方法」なんだ。最初の一歩は、身近な「なんでだろう?」を書き出すことからで大丈夫だよ。
看護研究の基本的な流れ
看護研究は、おおまかに次のような流れで進みます。本を選ぶときは、自分が今どの段階にいるかを確認しましょう。
| 段階 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. テーマを決める | 臨床の疑問を研究の問いにする | テーマが広すぎる・決まらない |
| 2. 文献を調べる | 先行研究を探して読む | 論文の探し方・読み方がわからない |
| 3. 計画書を書く | 目的・方法・倫理的配慮をまとめる | 研究デザインの選び方 |
| 4. 倫理審査を受ける | 施設の倫理委員会に申請する | 説明文書や同意書の準備 |
| 5. データを集め分析する | 調査・観察・面接などを行い分析する | 統計の方法がわからない |
| 6. まとめて発表する | 論文や抄録、ポスターにまとめる | 論文の書式・文献の書き方 |
テーマの決め方は、当サイトの看護研究のテーマの決め方と進め方でもテーマ例とあわせて紹介しています。
看護研究でつまずきやすい3つのこと
テーマが大きすぎる
最初に考えたテーマが「〇〇の看護について」のように大きすぎると、何を調べればよいかが決まりません。「誰に・何をすると・どうなるか」まで絞り込むことで、研究の方法が見えてきます。
研究計画書と倫理審査の準備
研究計画書には、目的、方法、対象、データの収集と分析の方法、倫理的配慮などを書く必要があります。倫理審査に必要な書類も施設ごとに決まっているため、早めに書式と締め切りを確認することが大切です。
統計への苦手意識
アンケート調査などでは統計を使う場面があります。すべての統計手法を理解する必要はありませんが、自分の研究で使う方法の意味と手順は押さえておきましょう。Excelで計算できる方法から学ぶと取り組みやすくなります。わからないところは、早めに詳しい人へ相談しましょう。
看護研究の主な研究方法
看護研究の本を読むと、さまざまな研究方法が出てきます。代表的なものを知っておくと、本の内容が理解しやすくなります。
- 量的研究:アンケートや測定などで数値データを集め、統計で分析する方法
- 質的研究:面接や観察で得た言葉や記録から、経験や思いを読み解く方法
- 事例研究:特定の患者さんへの看護を振り返り、関わりの意味を考察する方法
- 文献研究:既存の研究論文を集めて整理し、わかっていることと課題をまとめる方法
どの方法を選ぶかは、研究で明らかにしたいことによって決まります。方法から先に決めるのではなく、問いに合った方法を選ぶことが大切です。
看護研究の本を選ぶ4つのポイント
1. 研究のどの段階で困っているか
看護研究の本は、全体の流れを解説する入門書と、計画書・統計・論文執筆など特定の段階に特化した本に分かれます。今困っている段階に合った本を選びましょう。
2. 具体例やワークシートがあるか
研究計画書は、具体例を見ながら書くと進めやすくなります。ワークシートに書き込みながら進められる本は、初めての人に特に向いています。
3. 臨床の看護師向けか
大学院生向けの専門書は、臨床で働きながら初めて研究する人には難しすぎることがあります。臨床の看護師を想定して書かれた本から始めましょう。
4. 書式や統計ソフトが自分の環境に合うか
論文の書式は投稿先や院内発表の規定によって異なります。統計の本は、使えるソフト(Excelなど)に合ったものを選ぶと、すぐに実践できます。
ゆい研究は一人で抱え込むと進まなくなりがち。院内の研究委員や、過去に研究をした先輩に早めに相談すると、ぐっと進めやすくなるよ。
看護研究のおすすめ本7選
1. 忙しくてもできる 看護研究のはじめ方 ①テーマの選び方編
長年にわたり看護研究の指導に携わってきた著者が、看護研究の基本をコンパクトに解説した入門書です。看護研究のそもそもの考え方や進め方を、現場の悩みに寄り添いながら紹介しています。シリーズの1冊目で、テーマの選び方を中心に扱っています。
「このケアは本当にこれでよいのだろうか」という現場の素朴な気づきを研究の出発点としてとらえる考え方で書かれています。研究担当になったばかりで、最初の一歩を踏み出したい人に向いています。
シリーズは複数巻で刊行されており、研究デザインや研究計画書の組み立てまで段階的に学べる構成です。続巻の内容は販売ページで確認してください。
2. 改訂5版 看護研究サポートブック
オリジナルのワークシートに書き込んでいくことで、看護研究のプロセスを自然に踏みながら研究計画書をつくれるように構成された本です。看護研究の具体例も豊富に掲載されており、書き方をイメージしやすくなっています。
改訂を重ねて長く読まれている本で、研究の初心者である学生や臨床の看護師を想定しています。何をどの順番で考えればよいかがわからない人でも、ワークシートに沿って進めることで計画書の形が見えてきます。
3. かんたん看護研究計画書 書き方ガイド
『かんたん看護研究』の姉妹書で、看護研究に欠かせない倫理審査をはじめ、計画書や申請書、説明文書、同意書、承諾書、論文、ポスター作成までを実例を使って解説した本です。
倫理審査に必要な書類の準備で迷いやすい人に特に役立ちます。研究の立案から論文投稿・学会発表までの流れを見通せるため、院外の学会での発表を考えている人にもおすすめです。実例を使った解説で、研究の進め方を具体的にイメージできます。
4. 医学・看護論文を読み解いて臨床に活かす方法
EBM/EBN(根拠にもとづく医療・看護)の実践を、臨床疑問を明確にする、情報源から必要な情報にたどりつく、統計や研究デザインを理解して論文を批判的に読む、エビデンスを現場に取り入れる、実践を評価する、という5つのステップに沿って解説した本です。
看護研究では、先行研究を調べて読むことが欠かせません。論文を読み解く力は、研究だけでなく日々のケアの根拠を確かめる力にもつながります。研究デザインの違いを理解したい人にも向いています。
研究を担当していない時期にも、気になるケアの根拠を調べるときに役立つ内容です。院内の勉強会で文献の読み方を学ぶ機会がある人は、予習として読んでおくと理解が深まります。
5. 看護師のための統計入門
看護師に向けて、統計の考え方を紹介した入門書です。副題のとおり、統計的な見方を身につけることで、看護業務を見る視点を広げることをテーマにしています。
統計の計算方法を学ぶ前に、「そもそも統計は何のために使うのか」という考え方に触れておきたい人に向いています。目次や詳しい内容は、購入前に販売ページで確認してください。
6. Excelで学ぶ医療・看護のための統計入門 第2版
医療・看護の現場で使われる統計手法の基礎と計算方法を、モデルデータを使ってExcelで実際に計算しながら学べる本です。アンケート調査票やクロス集計表の作り方、リスク比とオッズ比、区間推定、平均や比率の差の検定、一元配置の分散分析までを扱っています。
アンケート調査票の作り方から始まる構成なので、調査の準備段階から分析までを一貫して学べるのが特徴です。2026年に発売された第2版で、新しいバージョンのExcelに対応しています。
7. APAに学ぶ 看護系論文執筆のルール 第2版
看護系の論文でよく使われる「APAスタイル」での日本語の論文作成を念頭に、文献の表記、文献リスト、図表などのフォーマットを簡潔に示した本です。『APA論文作成マニュアル』の改訂に合わせて更新されています。
初めて論文を書く人がまず知りたい事柄が整理されています。引用や文献リストの書き方で迷う人に向いた、手元に置いておくと便利な1冊です。ただし、院内発表や学会ごとに書式の規定がある場合は、その規定を優先してください。
看護研究の本の比較早見表
| 書名 | 研究の段階 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 看護研究のはじめ方 ① | テーマ決め・全体像 | 研究担当になったばかりの人 |
| 看護研究サポートブック | 研究計画書 | ワークシートで進めたい人 |
| かんたん看護研究計画書 書き方ガイド | 計画書・倫理審査・発表 | 倫理審査の書類に迷う人 |
| 医学・看護論文を読み解いて臨床に活かす方法 | 文献検索・論文の読み方 | 先行研究を調べる人 |
| 看護師のための統計入門 | 統計の考え方 | 統計に苦手意識がある人 |
| Excelで学ぶ統計入門 | 調査票・集計・分析 | アンケート調査をする人 |
| APAに学ぶ論文執筆のルール | 論文執筆 | 論文や抄録を書く人 |
研究の進め方に合わせた読む順番
- 研究担当が決まったら「看護研究のはじめ方」で全体像をつかみ、臨床の疑問を書き出してテーマを絞る。
- テーマが決まったら「医学・看護論文を読み解いて臨床に活かす方法」を参考に先行研究を調べる。
- 計画書を書く段階「看護研究サポートブック」や「かんたん看護研究計画書 書き方ガイド」で計画書と倫理審査の書類を準備する。
- データを分析する段階アンケート調査なら「Excelで学ぶ統計入門」で集計と分析を進める。
- まとめる段階「APAに学ぶ論文執筆のルール」で書式と文献の書き方を確認し、論文や抄録にまとめる。
ゆい研究が終わったら、結果を病棟のケアにどう生かすかまで考えてみてね。それが看護研究のいちばん大切な意味なんだ。
忙しくても看護研究を進めるコツ
締め切りから逆算して計画を立てる
倫理審査や院内発表の締め切りから逆算して、各段階の目標時期を決めましょう。倫理審査には時間がかかることがあるため、計画書の作成は早めに始めるのが安心です。
メンバーで役割を分担する
グループで研究を行う場合は、文献検索、計画書の作成、データ入力などを分担すると負担が軽くなります。進み具合を共有する日を決めておくと、作業が止まりにくくなります。
指導者や研究委員に早めに相談する
テーマや研究方法が適切かどうかは、早い段階で確認してもらうことが大切です。後から大きく修正するより、最初に相談したほうが結果的に時間の節約になります。研究の取り組みを目標にする場合は看護師の目標管理シートの書き方も参考にしてください。
看護研究の本に関するよくある質問
初めての看護研究で最初に読む本は?
統計がまったくわからなくても大丈夫?
倫理審査の書類はどう準備すればいい?
先行研究の論文はどうやって探せばいい?
院内発表と学会発表で準備は違う?
看護研究の本は何冊あればいい?
- 看護研究は、テーマ決め・文献検索・計画書・倫理審査・分析・発表の流れで進む
- 研究担当になったら、まず入門書で全体像とテーマの選び方を学ぶ
- 計画書と倫理審査は、ワークシートや実例のある本で準備する
- 統計は自分の研究で使う方法に絞り、Excelで実際に手を動かして学ぶ
- 倫理的配慮と施設の規定を必ず確認し、早めに指導者に相談する