保育園看護師の仕事内容と役割|1日の流れと医療的ケア

「保育園看護師ってどんな仕事をするの?」「病院と違って、医療行為はどこまでするの?」——子どもが好きな人や、日勤中心で働きたい人に関心を持たれることが多いのが保育園看護師です。一方で、看護師が1人だけの園も多く、病院とは求められる役割が大きく違います。この記事では保育園看護師の仕事内容と役割、1日の流れ、医療的ケアへの関わり、必要な知識、働く前に確認したいことをまとめました。
- 保育園看護師の主な仕事内容と役割
- 保育園看護師の1日の流れ
- 医療的ケアや薬への関わり方
- 保育園看護師に必要な知識・スキルと向いている人
- 働く前に確認したいポイント
ゆい保育園看護師は「治療する人」というより、「子どもの健康と安全を園全体で守る仕組みをつくる人」。病院とは視点がかなり違うよ。
保育園看護師とは
保育園看護師は、保育所などで子どもたちの健康管理や、けが・体調不良への対応、感染症対策など、園の保健活動を担う看護師です。
すべての保育所に看護師の配置が義務づけられているわけではありません。ただし、国の基準では、保育所で働く保健師・看護師・准看護師を1人に限り保育士とみなして職員の数に数えられる特例があります。この特例は、令和5年4月1日以降、乳児の人数にかかわらずすべての保育所で使えるようになりました(乳児が3人以下の保育所では、保育士と一緒に保育を行うことなどが条件)。
そのため、保育園看護師は保健の仕事だけでなく、保育士と一緒にクラスに入って保育をすることもあります。どこまで保育に関わるかは、園によって大きく違います。
保育園看護師の主な仕事内容と役割
① 子どもの健康管理
- 登園時の健康観察(顔色・機嫌・熱・発疹など)
- 身長・体重の測定と、発育・発達の記録
- 嘱託医による健康診断・歯科健診の準備と記録
- アレルギーや持病がある子どもの情報の把握と、職員への共有
② けが・体調不良への対応
- 転倒や遊具でのけがの応急手当
- 発熱・嘔吐・下痢などの体調不良時の観察と、保護者への連絡
- お迎えまでの間の安静やケア
- 受診が必要か、救急要請が必要かの判断と園長への報告
③ 感染症対策
- 感染症の流行状況の把握と、職員・保護者への情報提供
- 手洗い・消毒・おむつ交換や嘔吐物処理の方法を職員に伝える
- 登園の目安などについて、園のルールに沿った保護者への説明
④ 保護者への支援
- 子どもの体調や成長についての相談対応
- 「ほけんだより」などで、季節の健康情報を発信する
- 予防接種や健診についての情報提供
⑤ 職員への指導・安全管理
- 応急手当や心肺蘇生、アレルギー発症時の対応などの研修
- 午睡中の見守り(呼吸や姿勢の確認)の方法の周知
- 救急用品や医薬品の管理
- 事故やヒヤリハットの振り返りと、再発防止策の検討
⑥ 保育への参加
園によっては、0〜1歳児クラスを中心に、授乳・食事・おむつ交換・午睡などの保育にも関わります。子どもの成長を日々近くで見られるのは、保育園看護師ならではのやりがいです。
保育園看護師の1日の流れ(例)
| 時間 | 主な仕事 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤。登園してくる子どもの健康観察、保護者から体調を聞き取る |
| 9:30 | 各クラスを回って子どもの様子を確認。保育に入る園ではクラスで活動 |
| 11:00 | 給食の時間。アレルギー対応食の確認や、食事中の見守り |
| 12:30 | 午睡の見守り。この時間に記録や「ほけんだより」の作成 |
| 15:00 | おやつ・午後の活動。体調が悪くなった子どもの対応や保護者への連絡 |
| 16:30 | お迎えの保護者に、日中の体調やけがの様子を伝える |
| 17:30 | 記録の整理、翌日の準備をして退勤 |
※勤務時間や業務の分担は園によって異なります。早番・遅番のシフトがある園もあります。
ゆい午睡の時間は、記録やおたより作りに使えることが多いの。ただ、急な体調不良はいつ起きるかわからないから、予定どおりにいかない日もあるよ。
医療的ケアや薬への関わり方
病院のような医療行為は少ない
保育園には医師が常駐していないため、点滴や採血のような病院での医療行為を行う場面は基本的にありません。観察・応急手当・受診の判断と、保護者や医療機関への連絡が中心になります。
薬の扱いは園のルールに沿って
保護者から薬を預かって飲ませる対応をするかどうか、どのような手続きで行うかは、園ごとにルールが決められています。医師の指示に基づく薬であることの確認や、依頼書の提出を求める園が多いため、入職したらまず園のルールを確認しましょう。
医療的ケア児の受け入れ
たんの吸引や経管栄養など、日常的に医療的ケアが必要な子ども(医療的ケア児)を受け入れている保育所もあります。2021年に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」では、保育所の設置者に対して、医療的ケア児が適切な支援を受けられるようにするための措置を講じることが求められています。
医療的ケア児を受け入れている園では、看護師が主治医の指示書に基づいてケアを行うことや、保育士と連携して安全に過ごせる環境を整えることが大切な役割になります。
保育園看護師に必要な知識・スキル
- 小児の成長・発達の知識:月齢・年齢ごとの発達の目安を知り、「いつもと違う」に気づく。
- 小児に多い病気・感染症の知識:発疹や発熱の特徴、流行しやすい時期を把握する。
- 応急手当・救急対応:子どもの心肺蘇生、誤嚥・窒息への対応、アナフィラキシーへの対応。
- アレルギー対応:食物アレルギーの誤食を防ぐ仕組みづくりと、発症時の対応。
- わかりやすく伝える力:保育士や保護者に、専門用語を使わずに説明する。
小児科の経験がなくても働けるケースはありますが、入職前に小児看護や応急手当の基本を学び直しておくと安心です。
保育園看護師のメリット・大変なこと
| メリット | 大変なこと |
|---|---|
| 日勤中心で夜勤がないことが多い | 看護師が1人で、相談できる医療職が近くにいない |
| 子どもの成長を近くで見守れる | 保育の仕事も担当し、体力を使う |
| 病気の予防や健康づくりに関われる | 病院と比べて給与が低めになることがある |
| 保護者の子育てを支えられる | 医療の技術を使う場面が少なく、スキルの維持に不安を感じることがある |
保育園看護師に向いている人
- 子どもと関わることが好きで、成長を見守ることにやりがいを感じる
- 病気の治療より、予防や健康づくりに関心がある
- 保育士や保護者と協力しながら仕事を進められる
- 1人でも落ち着いて判断し、必要なときに相談できる
- 日勤中心で、生活リズムを整えて働きたい
働く前に確認したいポイント
- 保育にどのくらい入るのか保健の仕事が中心か、クラスの保育にも入るのか。担当するクラスはどこか。
- 看護師の人数と相談体制看護師は自分1人か。嘱託医や系列園の看護師に相談できるか。
- 医療的ケア児の受け入れ受け入れている場合、どんなケアが必要か、研修はあるか。
- 薬の預かりや体調不良時のルール園として決まったルールやマニュアルがあるか。
- 勤務時間と給与早番・遅番の有無、行事のある土曜日の勤務、給与や手当の条件。
保育園看護師に関するよくある質問
小児科の経験がなくても保育園看護師になれますか?
准看護師でも働けますか?
保育園看護師は保育士の資格がなくても保育に入れますか?
病院に戻りたくなったとき、ブランクになりますか?
- 保育園看護師は、子どもの健康管理・けがや体調不良への対応・感染症対策・保護者支援・職員への指導を担う
- 国の基準では看護師等を1人に限り保育士とみなす特例があり、保育に入る園も多い
- 病院のような医療行為は少なく、観察・応急手当・受診の判断と連絡が中心
- 医療的ケア児を受け入れている園では、主治医の指示に基づくケアや保育士との連携が重要
- 応募前に、保育への関わり方・看護師の人数・相談体制・薬のルールを確認する
保育園看護師は、子どもたちの毎日の健康と安全を支える大切な仕事です。自分に合う園を見つける参考にしてください。
参考:内閣府「保育所における看護師等の配置特例に係る乳児在籍人数の要件撤廃について」(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令〈令和4年厚生労働省令第159号〉)。制度は変更されることがあるため、最新の情報は自治体やこども家庭庁の案内をご確認ください。