輸液のおすすめ本6選|看護師が点滴の根拠を理解する

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「毎日のように点滴を準備しているけれど、なぜこの輸液製剤が選ばれているのかわからない」「細胞外液と維持液の違いを説明できない」「電解質のデータを見ても、輸液との関係がつかめない」——輸液は看護師が毎日関わる治療なのに、苦手意識をもつ人がとても多い分野です。

この記事では、輸液の知識を身につけたい看護師に向けて、輸液のおすすめ本を6冊紹介します。マンガで学べる入門書、手技と安全管理がわかる本、医師の指示の意図がわかる本、電解質異常の専門書まで、目的別に比較表つきでまとめました。

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この記事でわかること
  • 輸液が難しく感じる理由
  • 輸液の本を選ぶ4つのポイント
  • 看護師におすすめの輸液の本6選と比較表
  • 経験年数・目的別の選び方
  • 安全な輸液管理と勉強のコツ
編集部ゆい

輸液は「指示どおりにつなぐ」だけじゃなくて、患者さんの体の中で何が起きているかを考えるきっかけになるんだ。仕組みがわかると、観察のポイントも自然に見えてくるよ。

目次

輸液が難しく感じる3つの理由

体液や電解質の仕組みが目に見えない

輸液を理解するには、体の水分がどこにどれだけあるのか、電解質がどのように働いているのかを知る必要があります。細胞の内と外、血管の内と外といった目に見えない世界をイメージしなければならないため、難しく感じやすいのです。

輸液製剤の種類が多い

細胞外液補充液、維持液、ブドウ糖液、高カロリー輸液など、輸液製剤には多くの種類があります。名前も似ているものが多く、どの製剤がどんな目的で使われるのかを整理しないと、混乱しやすくなります。

医師の指示の意図がわかりにくい

「この患者さんには、なぜこの製剤なのか」「なぜこの速度なのか」は、指示書だけでは読み取れません。病態や検査データと結びつけて考える力が必要になるため、経験を積んでも苦手意識が残りやすい分野です。

編集部ゆい

「なぜこの点滴なんだろう?」と思ったら、それが勉強のチャンスだよ。本で調べてから、先輩や医師に確認してみてね。

看護師が押さえたい輸液製剤の基本

本を読む前に、輸液製剤の大まかな分類を知っておくと理解が早くなります。ここでは、看護師がよく目にする代表的な分類を紹介します。製品ごとの組成や使い方は、添付文書や院内の情報で確認してください。

分類主な目的看護で意識したいこと
細胞外液補充液血管の中や細胞の外の水分を補う心不全などでは量や速度に注意が必要になることがある
開始液(1号液)病態がはっきりしないときの初期の輸液カリウムを含まないものが多い
維持液(3号液)1日に必要な水分と電解質を補うカリウムを含むものが多く、投与速度に注意する
ブドウ糖液水分の補給、エネルギーの補給血糖値の変化に注意する
高カロリー輸液中心静脈から栄養を補う血糖値やカテーテルの感染に注意する

同じ「点滴」でも、どこに水分を届けたいのか、何を補いたいのかによって選ばれる製剤が違います。この表を頭に入れたうえで本を読むと、製剤の説明が理解しやすくなります。

輸液の本を選ぶ4つのポイント

1. 最初はイラストやマンガの多い本を

体液や電解質の仕組みは、文字だけで理解するのが難しい内容です。図解やマンガで仕組みをイメージできる本を最初に選ぶと、つまずきにくくなります。

2. 手技と安全管理も学べるかを確認する

輸液は、製剤の知識だけでなく、ルートの管理や滴下速度の計算、投与時の確認などの手技も大切です。事故を防ぐための確認方法まで書かれている本を選ぶと、実践に役立ちます。

3. 病態ごとの輸液管理が書かれているか

心不全、脱水、高血糖、周術期など、病態によって輸液の考え方は変わります。基本を学んだら、病態ごとの輸液管理が書かれている本に進むと、受け持ち患者さんの治療を理解しやすくなります。

4. 自分のレベルに合った専門性を選ぶ

輸液の本には、看護師向けの入門書から、医師向けの専門書まであります。いきなり専門書を選ぶと挫折しやすいため、入門書→看護師向けの応用書→専門書の順に進むのがおすすめです。

ポイント:院内で使っている製剤から覚える輸液製剤は種類が多いため、すべてを一度に覚える必要はありません。まずは自分の病棟でよく使う製剤を本で調べ、組成や目的を確認するところから始めましょう。

輸液のおすすめ本6選

ここからは、看護師におすすめの輸液の本を、入門書から順に紹介します。

1. これならわかる!輸液の基本と根拠

輸液に苦手意識がある新人に

著者:木下佳子/出版社:ナツメ社/シリーズ:ナースのための基礎BOOK/発売:2019年11月

輸液の目的、電解質の働き、浸透圧の仕組み、輸液製剤の種類と使い分けなどを、マンガとイラストでやさしく解説した入門書です。輸液の正しい手順や事故防止のための確認、滴下速度の計算、周術期や心不全、高血糖など病態ごとの輸液管理も扱っています。

#入門#マンガ#安全対策

新人の素朴な疑問に先輩が答えるマンガが入っていて、共感しながら読み進められる入門書です。輸液の基本から手順、安全対策、病態ごとの管理まで、一冊でひととおり学べます。

過去の事例をもとに、ミスを防ぐための安全対策も紹介されています。輸液に苦手意識がある新人の最初の1冊として特におすすめです。

2. 看護の現場ですぐに役立つ「輸液」のキホン

手に取りやすい価格で基本を学びたい人に

著者:佐藤弘明/出版社:秀和システム/シリーズ:ナースのためのスキルアップノート/発売:2016年7月

看護師向けに輸液の基本をまとめた入門書です。イラストを使った構成で、輸液の基本的な知識を確認できます。シリーズの中でも多くのレビューが寄せられている、定番の1冊です。

#入門#イラスト#定番

手に取りやすい価格の入門書で、輸液の基本をひととおり確認したい人に向いています。輸液の勉強を始める前の準備として、全体像をつかむのに使えます。

発行から年数がたっているため、院内で採用されている製剤や手順は、院内のマニュアルとあわせて確認しましょう。

3. 先輩ナースの書きこみがぜんぶのってる!コツぶっくす 輸液

現場のコツまで知りたい人に

著者:日本赤十字社和歌山医療センター看護部(編著)/出版社:メディカ出版/発売:2021年5月

目的、手順、方法といった基本的な解説に、現場で身につけたポイントを書き込んだ形式の本です。輸液の投与ルートや手技、薬剤の知識、輸液中の患者さんのケアのポイントまで、看護師に必要な輸液の基本をかみくだいて解説しています。

#書き込み形式#手技#現場のコツ

先輩看護師のメモがそのまま載っているような構成で、教科書には書かれていない現場のコツがわかる本です。ルートの扱いや輸液中の観察など、実践的な内容が中心です。

基本はわかっているけれど、実際の場面で迷うことが多い人に向いています。困ったときに開いて確認する本としても役立ちます。

4. ナースが書いた 看護に活かせる輸液ノート

看護の視点で輸液管理を学びたい人に

著者:渡辺朔太郎/出版社:照林社/発売:2017年4月

NST(栄養サポートチーム)専任の看護師が、看護に生かせる輸液管理の知識と方法を、イラストを使って解説した本です。

#看護師執筆#栄養#イラスト

看護師が書いた本なので、看護師が知っておきたい輸液の知識に絞って解説されているのが特長です。NSTに関わる著者の視点から、栄養と輸液の関係についても理解を深められます。

入門書で基本を学んだあと、輸液管理を看護に生かす方法を考えたい人におすすめです。栄養管理に関心がある人にも向いています。

5. Dr.石松の輸液のなぜ?がスッキリわかる本 第2版(増補)

医師の指示の意図を理解したい人に

著者:石松伸一/出版社:総合医学社/発売:2021年2月/第2版(増補)

「医師はなぜあの輸液を選んだのか」「なぜ時間あたりの量の指示が出たのか」など、輸液に関する看護師の疑問に、カラーの図表を使って答えている本です。

#医師の視点#なぜがわかる#中級

医師が書いた本で、輸液の指示がどのような考えで出されているのかがわかります。指示の意図がわかると、観察すべきポイントや、医師に報告すべき変化も見えてきます。

輸液の基本はわかっているけれど、「なぜ」を説明できるようになりたい2〜3年目以降の看護師におすすめです。後輩から質問されたときの説明にも役立ちます。

6. より理解を深める!体液電解質異常と輸液 改訂4版

電解質異常を本格的に学びたい人に

著者:柴垣有吾/出版社:中外医学社/発売:2025年6月/改訂4版

酸塩基と水・電解質異常、輸液の基本的な理論を解説したテキストです。18年ぶりの大改訂で、ページ数が大幅に増え、低ナトリウム血症などについて新しいエビデンスに基づく情報が追加されています。学生や研修医からエキスパートまで、すべての医療者に向けた本です。

#電解質#酸塩基#上級

医師向けの専門書ですが、電解質異常と輸液の理論を根本から理解したい人には心強い1冊です。ICUや腎臓内科など、電解質の管理が重要な部署で働く人に向いています。

内容は専門的でボリュームもあるため、入門書で基本を学んだ人が、さらに深く学びたいときに選ぶ本です。必要な章から少しずつ読み進めるのがおすすめです。

輸液のおすすめ本の比較表

本レベルこんな人に
これならわかる!輸液の基本と根拠入門苦手意識をなくしたい新人
「輸液」のキホン入門手に取りやすい本で基本を学びたい
コツぶっくす 輸液入門〜中級現場のコツまで知りたい
看護に活かせる輸液ノート入門〜中級看護の視点で輸液管理を学びたい
Dr.石松の輸液のなぜ?がスッキリわかる本中級医師の指示の意図を理解したい
体液電解質異常と輸液上級電解質異常を本格的に学びたい

経験年数・目的別の選び方

輸液が苦手な新人

「これならわかる!輸液の基本と根拠」で、体液や電解質の仕組みから学びましょう。手技や現場のコツを知りたい場合は、「コツぶっくす 輸液」を組み合わせると、知識と実践がつながります。

指示の意図を理解したい2〜3年目

基本がわかってきたら、「Dr.石松の輸液のなぜ?がスッキリわかる本」で、医師がどのような考えで輸液を選んでいるのかを学びましょう。受け持ち患者さんの指示と照らし合わせながら読むと、理解が深まります。

ICUや腎臓内科など専門性の高い部署の人

電解質や酸塩基の管理が重要な部署では、「体液電解質異常と輸液」で理論を根本から学ぶのがおすすめです。栄養管理に関わる人は「看護に活かせる輸液ノート」もあわせて読むとよいでしょう。

輸液ポンプやルート管理に不安がある人

輸液ポンプやシリンジポンプの操作、三方活栓の扱い、ルートの交換など、手技に不安がある人は「コツぶっくす 輸液」と「これならわかる!輸液の基本と根拠」で手順と安全対策を確認しましょう。ポンプの機種や操作方法は施設によって違うため、本で考え方を学んだうえで、院内の取扱説明書やマニュアルで実際の操作を確認することが大切です。アラームが鳴ったときの対応も、事前に先輩と一緒に確認しておくと安心です。

編集部ゆい

輸液がわかるようになると、検査データや水分バランスの見方もぐっと変わるよ。少しずつでいいから、毎日の点滴を「なぜ?」の目で見てみてね。

安全な輸液管理と勉強の5つのコツ

  • 投与前の確認を徹底する患者さん、薬剤、量、経路、時間、速度などを、院内で決められた方法で確認する。
  • よく使う製剤の組成を覚える病棟でよく使う製剤のナトリウムやカリウム、ブドウ糖の量を確認しておく。
  • 水分バランスを記録する輸液の量と、尿量やドレーンの排液量などを記録し、全体のバランスを確認する。
  • 刺入部とルートを観察する刺入部の腫れや痛み、発赤、ルートの屈曲や接続のゆるみなどを定期的に確認する。
  • 指示の意図を確認する製剤や速度の理由がわからないときは、本で調べたうえで先輩や医師に確認する。
ポイント:「どこに水を入れたいのか」を考える輸液は、血管の中を満たしたいのか、細胞の中まで水分を届けたいのかによって、選ばれる製剤が変わります。「この輸液はどこに水を入れたいのか」を考えると、製剤の違いが理解しやすくなります。
注意:輸液の内容や速度は医師の指示に従う輸液製剤の選択や投与量、投与速度は、医師の指示に基づいて行います。本の内容をもとに自己判断で変更しないようにしましょう。疑問がある場合は、必ず医師に確認してください。

検査データの読み方もあわせて学びたい人は看護師におすすめの検査値の本7選を、薬の知識を広げたい人は看護師におすすめの薬の本7選もあわせて読んでみてください。

輸液の本に関するよくある質問

輸液が苦手な新人が最初に読む本は?
マンガとイラストで体液や電解質の仕組みから学べる「これならわかる!輸液の基本と根拠」がおすすめです。手技や安全対策、病態ごとの輸液管理まで一冊で学べます。
細胞外液と維持液の違いを学ぶにはどの本がいい?
入門書の「これならわかる!輸液の基本と根拠」や「輸液のキホン」で、輸液製剤の種類と使い分けを確認できます。院内でよく使う製剤と照らし合わせながら学ぶのがおすすめです。
医師向けの輸液の本は看護師にも役立つ?
役立ちます。ただし専門的な内容が多いため、入門書で基本を学んでから読むのがおすすめです。「Dr.石松の輸液のなぜ?がスッキリわかる本」は看護師の疑問に答える形で書かれているため、医師の視点を学ぶ最初の1冊に向いています。
滴下速度の計算を学べる本は?
「これならわかる!輸液の基本と根拠」で、点滴の速度調整の計算の仕方を解説しています。輸液ポンプの使い方は施設によって機種が違うため、院内の手順もあわせて確認しましょう。
電解質異常について詳しく学びたい場合は?
「より理解を深める!体液電解質異常と輸液」がおすすめです。医師向けの専門書ですが、電解質異常と輸液の理論を体系的に学べます。
輸液の勉強はどれくらいで身につく?
個人差がありますが、毎日の業務で使う製剤を一つずつ調べていくと、少しずつ理解が深まります。一度に覚えようとせず、受け持ち患者さんの治療を通して繰り返し学ぶことが大切です。
まとめ
  • 輸液は、体液や電解質の仕組みを理解することが基本になる
  • 最初はマンガや図解の多い入門書で、仕組みをイメージする
  • 慣れてきたら、医師の指示の意図がわかる本や病態別の輸液管理に進む
  • 投与前の確認と、水分バランス・刺入部の観察を習慣にする
  • 輸液の内容や速度は、必ず医師の指示に従う
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この記事を書いた人

公的データと公開情報をもとに、看護師の転職・働き方の情報を整理してお届けしています。

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