訪問看護ステーション管理者の役割と要件|なれる人は?
当ページのリンクには広告が含まれています。

「訪問看護ステーションの管理者って、どんな仕事をするの?」「管理者になれるのはどんな人?」——訪問看護で経験を積むと、管理者を任されることや、管理者を目指すことを考える人もいるでしょう。この記事では訪問看護ステーションの管理者の要件(国の基準で定められていること)、役割と仕事内容、求められるスキル、管理者を目指すステップをまとめました。
この記事でわかること
- 訪問看護ステーションの管理者の要件
- 管理者の主な役割と仕事内容
- 管理者に求められるスキル
- 管理者の大変なこととやりがい
- 管理者を目指すためのステップ
ゆい管理者は「一番訪問が上手な人」というより、「ステーション全体を回す人」。看護の力に加えて、運営や人を育てる力が必要になるよ。
目次
訪問看護ステーションの管理者の要件
介護保険の訪問看護について定めた国の基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第61条)では、管理者について次のように定められています。
| 項目 | 基準の内容 |
|---|---|
| 勤務の形 | ステーションごとに、専らその職務に従事する常勤の管理者を置く。ただし、管理上支障がない場合は、そのステーションの他の職務や、他の事業所などの職務に従事することができる |
| 資格 | 管理者は保健師または看護師でなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合はこの限りでない |
| 知識・技能 | 適切な訪問看護を行うために必要な知識および技能を有する者でなければならない |
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第61条。医療保険の訪問看護については「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(平成12年厚生省令第80号)第3条に定めがあり、管理者は保健師・助産師または看護師とされています(やむを得ない理由がある場合を除く)。
ポイント:管理者も訪問に出ることが多い基準では、管理上支障がない場合はステーションの他の職務にも従事できるとされています。そのため、管理業務をしながら自分も訪問に出ている管理者も少なくありません。
注意:経験年数などの条件は自治体や事業所で確認基準にある「必要な知識および技能」の具体的な考え方や、研修の受講などについては、通知や自治体の運用、事業所の方針によって確認が必要です。管理者を目指す場合は、指定を行う自治体の案内や、勤務先の方針を確認しましょう。
訪問看護ステーション管理者の主な役割と仕事内容
① ステーションの運営管理
- 訪問のスケジュール管理と、利用者さんの担当の調整
- 新規の利用者さんの受け入れの判断と、契約の手続き
- 収支の管理、訪問件数や稼働状況の把握
- 介護保険・医療保険の請求に関わる書類の確認
② スタッフの管理と育成
- スタッフの勤務表の作成、オンコール体制の調整
- 新人スタッフの同行訪問や教育計画づくり
- スタッフの相談対応、面談、働きやすい環境づくり
- 採用活動への関わり
③ 看護の質と安全の管理
- 訪問看護計画書・報告書の内容の確認
- 事故やヒヤリハットの振り返りと再発防止策の検討
- 感染対策や緊急時の対応マニュアルの整備
- 困難な事例への助言や、スタッフと一緒の対応
④ 関係機関との連携
- 主治医、ケアマネジャー、病院の地域連携室との連絡・調整
- サービス担当者会議や退院前カンファレンスへの参加
- 地域の事業所や行政とのつながりづくり
⑤ 法令・制度への対応
介護保険や医療保険の制度改定に合わせて、運営のしかたや書類を見直します。自治体による運営指導(実地指導)への対応も管理者の大切な仕事です。
ゆい管理者は「看護」「人」「お金」「制度」の4つを見る仕事。全部を一人で抱えず、スタッフや法人の担当者と役割分担するのが大事だよ。
管理者に求められるスキル
| スキル | 具体的な内容 |
|---|---|
| 在宅看護の実践力 | 困難事例への対応、スタッフへの助言ができる臨床判断力 |
| マネジメント力 | スケジュール・人員・収支を見ながら、ステーションを運営する力 |
| 人材育成力 | スタッフの成長を支え、相談しやすいチームをつくる力 |
| 調整力・交渉力 | 医師・ケアマネ・家族・スタッフの間で意見を調整する力 |
| 制度の知識 | 介護保険・医療保険の仕組み、加算、記録や請求のルールの理解 |
管理者の大変なこととやりがい
| 大変なこと | やりがい |
|---|---|
| 訪問・管理・事務を並行して行い、業務量が多い | ステーション全体で、地域の療養者さんを支えられる |
| スタッフの急な休みやオンコールの穴埋めを担うことがある | スタッフの成長や、働きやすい職場づくりに関われる |
| 収支や稼働率など、経営の数字の責任がある | 自分の考えるより良い看護の仕組みを形にできる |
| 制度改定や運営指導への対応が必要 | 地域の医療・介護のネットワークを広げられる |
訪問看護ステーションの管理者を目指すステップ
- 訪問看護の実務経験を積むさまざまな疾患や看取り、医療依存度の高い利用者さんへの訪問を経験し、在宅看護の実践力を高めます。
- リーダーや教育係を経験する新人の同行訪問、スケジュール調整の補助など、管理に近い役割を担います。
- 制度と運営の知識を学ぶ介護保険・医療保険の仕組み、請求、加算、運営基準について学びます。
- 管理者向けの研修を受ける都道府県の看護協会や訪問看護の団体などが行う管理者向けの研修を活用します。
- 管理者候補として働く管理者候補の求人に応募する、今の職場で管理者の補佐を務めるなどで経験を積みます。
訪問看護ステーション管理者に関するよくある質問
准看護師は訪問看護ステーションの管理者になれますか?
介護保険の基準では管理者は保健師または看護師、医療保険の基準では保健師・助産師または看護師でなければならないとされています。どちらも「やむを得ない理由がある場合はこの限りでない」とされているため、個別の扱いは指定を行う自治体に確認が必要です。
管理者になるのに訪問看護の経験は何年必要ですか?
基準の条文には、経験年数の具体的な数字は書かれていません。「必要な知識および技能を有する者」とされているため、実際には事業所の方針や自治体の考え方によって求められる経験が異なります。
管理者は訪問に行かなくてもいいのですか?
管理上支障がなければ、ステーションの他の職務にも従事できるとされており、訪問を担当している管理者も多くいます。どの程度訪問するかは、ステーションの規模や体制によって異なります。
管理者になると給料は上がりますか?
管理者手当がつくなど、給与が上がることが多いですが、金額は法人によって大きく異なります。業務量や責任の重さとあわせて、条件を確認しましょう。
まとめ
- 国の基準では、訪問看護ステーションの管理者は常勤・専従(管理上支障がなければ兼務可)で、介護保険では保健師または看護師、医療保険では保健師・助産師または看護師とされている
- 管理者には、適切な訪問看護を行うために必要な知識と技能が求められる
- 役割は、運営管理・スタッフの管理と育成・看護の質と安全・関係機関との連携・制度への対応
- 在宅看護の実践力に加え、マネジメント・人材育成・調整・制度の知識が必要
- 実務経験、リーダー経験、制度の学習、管理者研修を通じて段階的に目指す
訪問看護ステーションの管理者は、地域の在宅療養を支えるチームのかなめです。自分のキャリアの目標として、段階的に準備を進めてみてください。
参考:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省 法令等データベース)。制度は改正されることがあるため、最新の情報をご確認ください。