ICU看護のおすすめ本7選|新人・異動者が最初に読む本

「ICUに配属されたけれど、モニターや医療機器の多さに圧倒されている」「人工呼吸器や循環作動薬の知識が追いつかない」「先輩のアセスメントについていけない」——ICU(集中治療室)は、看護師が身につけるべき知識の範囲がとても広い部署です。
この記事では、ICUで働く看護師に向けて、ICU看護のおすすめ本を7冊紹介します。ポケットサイズの早見本、図解の入門書、解剖生理や鎮静ケアを深める本まで、経験年数と目的に合わせて選べるよう比較表つきでまとめました。
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- ICU看護が難しく感じる理由
- ICU看護の本を選ぶ4つのポイント
- ICUの看護師におすすめの本7選と比較表
- 新人・異動者・2年目以降の目的別の選び方
- ICU看護の勉強を続けるコツ
ゆいICUは最初の数か月がいちばん大変なんだ。全部を一度に覚えようとしないで、「呼吸」「循環」「鎮静」のように分けて少しずつ積み上げていこうね。
ICU看護が難しく感じる3つの理由
学ぶ範囲が全身に及ぶ
ICUには、心臓血管外科の術後、敗血症、重症呼吸不全、多発外傷など、さまざまな患者さんが入室します。呼吸、循環、脳神経、腎臓、代謝、感染と、全身の臓器を同時に評価する力が求められるため、何から学べばよいか迷いやすいのです。
医療機器や薬剤の知識が必要になる
人工呼吸器、生体情報モニター、輸液ポンプやシリンジポンプ、持続的血液浄化(CHDF)、補助循環など、ICUでは多くの医療機器を扱います。循環作動薬や鎮静薬など、微量の調整で状態が変わる薬剤も多く、機器と薬剤の両方を理解する必要があるのがICUならではの難しさです。
わずかな変化に気づくことが求められる
重症患者さんは、状態が短時間で変わることがあります。数値の変化だけでなく、表情や呼吸の様子、皮膚の色などの「いつもと違う」に気づき、根拠をもって報告することが求められます。この力は、解剖生理と病態の理解が土台になります。
ゆいモニターの数値ばかり見てしまう時期は誰にでもあるよ。数値と患者さんの様子をセットで見る習慣をつけると、アセスメントがぐっと深まるんだ。
ICU看護の本を選ぶ4つのポイント
1. 新人は「全体像がつかめる入門書」から
ICUに配属されたばかりのころは、専門書を1冊ずつ読むより、全身管理の全体像がわかる入門書を選ぶのがおすすめです。図やイラストが多く、項目ごとに短くまとまっている本なら、忙しい時期でも少しずつ読み進められます。
2. 持ち歩ける早見本を1冊持つ
ICUでは、正常値や薬剤の使い方、機器の設定などをその場で確認したい場面が多くあります。ポケットサイズの早見本を持っておくと、調べる時間を短くして患者さんのそばにいる時間を増やせます。
3. 2年目以降は「根拠がわかる本」へ
業務の流れに慣れてきたら、鎮静や気道管理、アセスメントなど、日々のケアの根拠を深める本に進みましょう。後輩に説明するときにも、根拠を言葉にできると説得力が増します。
4. 発行年と内容の新しさを確認する
集中治療の分野は、ガイドラインや医療機器が更新されやすい分野です。発行年を確認し、新しい情報が反映されているかを見て選びましょう。古い本を使う場合は、院内の手順と照らし合わせることが大切です。
ICU看護のおすすめ本7選
ここからは、ICUで働く看護師におすすめの本を、入門書から順に紹介します。
1. ICU看護クイックノート
新人のころに書き込んでポケットに入れていた「メモ帳」をイメージして作られた早見本です。ICUの看護師が頭に入れておきたい大事なことだけを、ポケットに入るサイズに絞ってまとめています。
文庫サイズで薄く、スクラブのポケットに入れて持ち歩ける本です。いざというときに簡単にチェックできることを目的にしているため、勤務中の確認用に向いています。
入門書で学んだことを現場で確認する「相棒」として使うのがおすすめです。自分で気づいたことを書き込んでいくと、使うほど自分専用のノートになっていきます。
2. ナース3年目までに知っておきたい!図解でわかるICU看護
SNSで発信している看護師たちが、ICU看護で押さえたい知識を豊富な図表とともに解説した本です。人工呼吸と呼吸デバイスの評価、心不全やショックなど循環器の基礎、PADISやPICS、敗血症、栄養管理、AKIやCHDF、採血データの読み方などを扱っています。
1テーマごとに図解でまとまっていて、通勤時間や休憩時間に読み進めやすい本です。ICUで必要な知識の多さに戸惑っている人が、全体を整理するのに向いています。
PADIS(痛み・不穏・せん妄などの管理)やPICS(集中治療後症候群)など、ICUで重要な考え方にも触れているため、新人だけでなく2〜3年目の復習にも使えます。
3. 新・これならわかるICU看護
ICU看護をこれから学ぶ人向けの入門書です。専門看護師や認定看護師が、呼吸モニタリング、人工呼吸管理、循環モニタリング、補助循環、輸血・輸液、血液浄化、薬剤、感染、栄養、体温、ドレーン、鎮痛・鎮静・せん妄など、ICUの全身管理を根拠に基づいて解説しています。
既刊の「これならわかるICU看護」の内容を刷新した新版です。ICUに入室する患者さんの全体像を理解し、何をどう見て動くのかがわかるように構成されています。
扱う項目が幅広いため、配属直後から1年目の終わりまで、長く使える1冊です。受け持った患者さんの治療や機器に合わせて、該当する章から読んでいく使い方もできます。
4. 認定・専門看護師が教えるICU看護クイックチェック
新人・若手ナース向けのICU看護の入門書です。人工呼吸器やECMO、CHDFなどの機器、循環作動薬、検査値の見方まで、重症患者さんの全身管理に必要な知識をまとめています。「この数値なら次にどう動くか」というアセスメントと看護のポイントを解説しています。
病態、検査値、薬剤、医療機器を一冊で確認できる本です。数値の向こうにいる患者さんを見て、次に何が起こりやすいかを考えるという視点で書かれているため、観察と行動を結びつける練習になります。
医療機器に苦手意識がある人や、検査値を見ても何をすればよいかわからない人におすすめです。同じシリーズの急変対応の本とあわせて使うと、ICUでの急変にも備えやすくなります。
5. 観察とアセスメントは解剖生理が9割:ICUナースのための解剖生理
解剖生理の知識をICU看護に結びつけることに特化した本です。「あれ?おかしいな」という小さな変化に気づくために必要な解剖生理を、第一線の専門家が観察とアセスメントのポイントを含めて解説しています。
ICUのアセスメントがうまくできない原因が、解剖生理の理解不足にあることは少なくありません。この本は、解剖生理を「ICUでの観察」にどう使うかという視点でまとめられているため、学生時代の教科書よりも実践に結びつけやすい内容です。
先輩のアセスメントの根拠がわからないと感じている人や、報告のときに「なぜそう判断したのか」をうまく説明できない人に向いています。
6. 2年目からのICU看護 気道・呼吸・鎮静ケア
ICUで必須の「意識・気道・呼吸・リハビリ」のテーマを厳選し、ケアの根拠や考え方を解説した本です。鎮痛・鎮静、せん妄の予防、気管挿管の介助、計画外抜管の対策、VAP予防、抜管の準備、気管切開などを扱っています。
ICUの業務に慣れてきた2年目以降の看護師が、「いつもやっているケアの根拠」を理解し直すのに向いた本です。鎮静薬の使い分けや、せん妄と不穏の違いなど、現場で迷いやすいテーマを取り上げています。
後輩指導の参考にもなるため、プリセプターや指導係を任された人にもおすすめです。根拠を説明できるようになると、後輩からの質問にも自信をもって答えられます。
7. ICUトータルアセスメント:クリティカルケア領域の看護計画
ICUで出会う疾患や状態のアセスメントを、身体的・心理的・社会的の3つの視点で解説した本です。超急性期から回復期まで、悪化や急変を見逃さないためのアセスメントと看護計画がまとめられています。
身体面だけでなく、心理面や社会面まで含めて重症患者さんを捉えるための本です。看護計画の立て方に悩んでいる人や、家族への関わりも含めて考えたい人に向いています。
発行から年数がたっているため、治療や機器の情報は新しい本で補いながら、アセスメントと看護計画の考え方を学ぶ本として使うのがおすすめです。
ICU看護のおすすめ本の比較表
| 本 | レベル | こんな人に |
|---|---|---|
| ICU看護クイックノート | 入門〜 | 勤務中に持ち歩いて確認したい |
| 図解でわかるICU看護 | 入門〜3年目 | 図解でテンポよく整理したい |
| 新・これならわかるICU看護 | 入門 | 全身管理を体系的に学びたい |
| ICU看護クイックチェック | 入門〜中級 | 病態・機器・薬剤をまとめて学びたい |
| ICUナースのための解剖生理 | 入門〜中級 | アセスメントの土台を固めたい |
| 2年目からのICU看護 | 中級 | 鎮静・気道ケアの根拠を深めたい |
| ICUトータルアセスメント | 中級〜上級 | 看護計画まで含めて学びたい |
経験年数・目的別の選び方
ICUに配属されたばかりの新人
まずは「新・これならわかるICU看護」か「図解でわかるICU看護」のどちらかで全体像をつかみ、「ICU看護クイックノート」を持ち歩き用にするのがおすすめです。最初の1冊は、自分が読みやすいと感じる方を選ぶことが、続けるためのいちばんのコツです。
病棟からICUに異動してきた人
病棟経験がある人は、看護技術の基本は身についています。ICUならではの医療機器や薬剤に苦手意識がある場合は「ICU看護クイックチェック」、観察やアセスメントを深めたい場合は「ICUナースのための解剖生理」を選ぶとよいでしょう。
2年目以降でステップアップしたい人
「2年目からのICU看護」で鎮静や気道ケアの根拠を深め、「ICUトータルアセスメント」で看護計画まで含めた考え方を学ぶのがおすすめです。集中ケアやクリティカルケアの認定看護師に関心がある人は、資格の条件も早めに確認しておきましょう。
ゆいICUの勉強は終わりがないけれど、できることが少しずつ増えていく実感もあるはずだよ。焦らず、1冊ずつ自分のものにしていこうね。
ICU看護の勉強を続ける5つのコツ
- 受け持ち患者さんの治療から学ぶその日の患者さんが使っている機器や薬剤を1つ選び、帰宅後に本で確認する。
- 系統別に観察する中枢神経、呼吸、循環、腎・代謝など、系統ごとに観察と記録をする習慣をつける。
- 数値と患者さんの様子をセットで見るモニターの数値だけでなく、表情や皮膚、呼吸の様子も合わせて評価する。
- わからなかったことをメモする勤務中の疑問をメモしておき、早見本に書き込むか、先輩に確認する。
- テーマを決めて勉強会に参加する院内外の勉強会やセミナーを活用し、本の知識を実践と結びつける。
ICUの仕事内容や1日の流れを知りたい人はICU看護師の仕事内容を、人工呼吸器を基本から学びたい人は呼吸器看護のおすすめ本7選もあわせて読んでみてください。
ICU看護の本に関するよくある質問
ICUに配属されたら最初に読む本は?
ICUの勉強は何から始めればいい?
人工呼吸器が苦手な場合はどの本がいい?
解剖生理を学び直すならどの本?
ICUとHCUで使う本は同じでいい?
ICUの経験は転職でどう評価される?
- ICU看護は、全身管理・医療機器・薬剤と学ぶ範囲が広い
- 新人は入門書で全体像をつかみ、ポケットサイズの早見本を持ち歩く
- アセスメントに悩んだら、解剖生理とICU看護を結びつける本で土台を固める
- 2年目以降は、鎮静や気道ケア、看護計画の根拠を深める本に進む
- 機器の設定や薬剤の調整は、必ず院内の基準と医師の指示に従う