目次
自己PRの基本の型(4ステップ)
| 順番 | 書くこと | 例 |
| 1. 強み | 強みを一文で | 「私の強みは〇〇です。」 |
| 2. 背景 | どこで身につけたか | 「〇〇病棟で〇年間、〇〇に取り組む中で身につけました。」 |
| 3. エピソード | 強みを発揮した場面 | 状況・自分の行動・結果を1つ |
| 4. 活かし方 | 応募先でどう活かすか | 「この強みを貴院の〇〇で活かしたいと考えています。」 |
履歴書では200〜300字、面接では1分程度(300字前後)が目安です。
【経験年数別】自己PR例文
例文1:新卒(看護学生)
私の強みは、患者さんの思いを丁寧に聞き取る力です。成人看護学実習で、リハビリに消極的だった患者さんのもとへ毎日足を運び、少しずつ話を聞く中で、「孫の結婚式に歩いて出席したい」という目標を伺うことができました。その目標を担当の理学療法士と共有し、一緒に歩行練習の計画を考えたことで、患者さんが自分から練習に取り組むようになりました。この経験を活かし、患者さん一人ひとりの思いに寄り添える看護師を目指したいと考えています。
例文2:1〜3年目(第二新卒)
私の強みは、わからないことをそのままにせず、確認しながら学ぶ姿勢です。循環器病棟で2年間勤務し、心電図モニターの観察に苦手意識がありましたが、勤務後に先輩に質問し、休日に参考書で復習することを続けました。その結果、不整脈の変化に早めに気づき、報告できるようになりました。教育体制の整った貴院でも、学ぶ姿勢を大切にしながら、着実に成長していきたいと考えています。
例文3:中堅(5〜9年目)
私の強みは、チームの状況を見て業務を調整する力です。消化器外科病棟で7年間勤務し、日勤リーダーとして、急な入院や手術が重なった日には、メンバーの受け持ちや休憩の時間を調整してきました。その結果、時間内に業務を終えられる日が増え、後輩からも相談されることが多くなりました。この調整力を活かし、貴院でもチームで安全な看護を提供することに貢献したいと考えています。
例文4:ベテラン(10年目以上)
私の強みは、スタッフ一人ひとりに合わせた指導と、仕組みづくりです。主任として新人教育を担当し、指導担当が交代しても同じ内容を学べるよう、チェックリストと振り返りの面談の仕組みを整えました。その結果、新人が安心して質問できる雰囲気が生まれ、定着にもつながりました。これまでの経験を活かし、貴院でも現場の声を大切にしながら、働きやすい職場づくりに貢献したいと考えています。
例文5:ブランクあり(復職)
私の強みは、新しいことを学び続ける姿勢です。出産・育児で3年間現場を離れていましたが、復職に向けて復職支援研修に参加し、採血や点滴の手技、電子カルテの操作を学び直しました。以前勤めていた内科病棟では、患者さんの生活背景に合わせた服薬指導を大切にしてきました。ブランクを補う努力を続けながら、これまでの経験を活かして、患者さんに丁寧に関わる看護をしたいと考えています。
例文6:社会人経験のある看護師
私の強みは、相手の立場に立って、わかりやすく伝える力です。看護師になる前は営業職として、お客さまの話を聞き、要望に合わせて提案する仕事をしていました。看護師になってからは、その経験を活かし、退院指導で患者さんやご家族の理解度に合わせて説明の方法を工夫してきました。貴院でも、患者さんが安心して治療に向き合えるよう、わかりやすい説明を心がけたいと考えています。

ゆい
経験年数が短くても大丈夫。新人や若手は「実績」より「姿勢」と「成長」が見られているよ。
【応募先別】自己PR例文
例文7:急性期病院
私の強みは、急な状況でも落ち着いて優先順位を判断できることです。救急病棟で5年間勤務し、夜勤で急変と緊急入院が重なった際も、応援を呼びながら必要な対応を順序立てて進め、医師へ迅速に報告しました。貴院の急性期病棟でも、この判断力を活かし、重症の患者さんの安全を守る看護に貢献したいと考えています。
例文8:クリニック
私の強みは、限られた時間の中で患者さんの状態を見極め、わかりやすく説明できることです。外来で採血や点滴、検査の説明を担当し、短い時間でも患者さんの不安を和らげる声かけを心がけてきました。地域の患者さんが長く通う貴院で、継続した関わりを大切にした看護に取り組みたいと考えています。
例文9:訪問看護
私の強みは、多職種と連携して退院後の生活を支える調整力です。退院支援のリンクナースとして、ケアマネジャーや訪問看護師と情報を共有し、在宅での介護方法をご家族と一緒に考えてきました。訪問看護でも、利用者さんとご家族の生活に寄り添い、関係者と連携しながら在宅療養を支えたいと考えています。
例文10:介護施設
私の強みは、高齢の方の小さな変化に気づく観察力です。療養病棟で5年間、言葉で訴えることが難しい患者さんの表情や食事量の変化から体調の異変に気づき、早めの対応につなげてきました。介護職の皆さんと情報を共有しながら、入居者の方が穏やかに暮らせるよう支えたいと考えています。
例文11:美容クリニック
私の強みは、患者さんの不安を受け止め、丁寧に説明する接遇の力です。外科病棟で手術前の患者さんに説明を行う中で、相手の表情を見ながら言葉を選ぶことを心がけてきました。美容医療でも、施術の効果だけでなくリスクやダウンタイムもわかりやすく伝え、患者さんが納得して施術を選べるよう支えたいと考えています。
例文12:企業(産業看護師)
私の強みは、生活習慣の改善を相手のペースに合わせて支援できることです。内科病棟で糖尿病の患者さんの療養指導を担当し、一方的に指導するのではなく、患者さんの生活に合わせて無理なく続けられる方法を一緒に考えてきました。社員の皆さまの健康づくりでも、この経験を活かして、働き方に合った支援をしたいと考えています。
職場別の志望動機は看護師の志望動機の書き方|職場別・年数別の例文集で紹介しています。自己PRと志望動機は、内容が重なりすぎないようにセットで準備しましょう。
【補足】診療科・分野別の短い例文
応募先の診療科や分野が決まっている場合は、次のような短い例文をベースに組み立てると書きやすくなります。
小児科私の強みは、お子さんの発達段階に合わせて関われることです。小児病棟で、処置を怖がるお子さんに人形を使って説明し、保護者の方の不安にも寄り添ってきました。
手術室私の強みは、手術の流れを先読みして準備できることです。器械出しでは術式ごとの手順を事前に確認し、医師が必要とする器械をタイミングよく渡すことを心がけてきました。
精神科私の強みは、相手のペースを尊重しながら関係を築けることです。精神科病棟で、話すことに抵抗のある患者さんと、短い会話を毎日重ねることで信頼関係を築いてきました。
透析私の強みは、長く関わる患者さんの変化に気づけることです。透析室で、体重増加や表情の変化から生活の困りごとに気づき、栄養士と連携して支援につなげてきました。
回復期リハビリ私の強みは、生活を見すえた支援ができることです。回復期病棟で、退院前訪問の情報をもとに、ご家族と一緒に介助の方法を練習する機会をつくってきました。
ICU・救急私の強みは、重症の患者さんの変化を早く捉える観察力です。ICUで、モニターの数値だけでなく、皮膚の色や呼吸の様子から異変に気づき、早めの対応につなげてきました。
産科・婦人科私の強みは、不安を抱える方の気持ちに寄り添えることです。産科病棟で、初めての出産を控えた方の話をゆっくり聞き、退院後の生活の不安にも一緒に向き合ってきました。
整形外科私の強みは、安全に配慮しながら早期離床を支えられることです。術後の患者さんの痛みや不安に合わせて、リハビリスタッフと相談しながら離床を進めてきました。
緩和ケア・がん看護私の強みは、患者さんとご家族の思いを大切にした関わりです。終末期の患者さんの「家に帰りたい」という希望を、多職種と共有して実現に向けて支えてきました。
健診センター私の強みは、正確で丁寧な手技と声かけです。外来で多くの採血を担当し、緊張している方にも安心してもらえるよう、ひと声かけることを心がけてきました。
診療科ごとの志望動機は診療科別|看護師の志望動機 例文13選でも紹介しています。
強み別・書き出しフレーズ
| 強み | 書き出しの例 |
| 観察力 | 「私の強みは、患者さんの小さな変化に気づく観察力です。」 |
| 傾聴力 | 「私の強みは、患者さんの思いを丁寧に聞き取る力です。」 |
| 判断力 | 「私の強みは、急な状況でも優先順位を落ち着いて判断できることです。」 |
| 協調性 | 「私の強みは、チーム全体を見て動ける協調性です。」 |
| 調整力 | 「私の強みは、多職種と連携して支援を進める調整力です。」 |
| 指導力 | 「私の強みは、相手の理解度に合わせて教えられることです。」 |
| 学ぶ姿勢 | 「私の強みは、わからないことをそのままにしない学ぶ姿勢です。」 |
| 責任感 | 「私の強みは、任された業務を最後までやり遂げる責任感です。」 |
行動を強みの言葉に言い換える表
| 日々の行動 | 強みの言葉 |
| 患者さんの話を時間をかけて聞く | 傾聴力、信頼関係をつくる力 |
| いつもと違う様子に気づいて報告する | 観察力、アセスメント力 |
| 忙しいときに優先順位を決めて動く | 判断力、対応力 |
| 多職種と情報を共有する | 調整力、連携する力 |
| 後輩の質問にていねいに答える | 指導力、面倒見のよさ |
| 手順を見直して提案する | 改善力、主体性 |
| 勉強会に参加し、学んだことを共有する | 向上心、学ぶ姿勢 |
自己PRと志望動機の書き分け例
自己PRと志望動機で同じことを書いてしまうと、印象が薄くなります。同じ経験を使う場合は、次のように役割を分けましょう。
自己PR(自分に何ができるか)私の強みは、退院後の生活を見すえて多職種と連携する調整力です。退院支援のリンクナースとして、ケアマネジャーや訪問看護師と情報を共有し、ご家族と一緒に介護方法を考えてきました。
志望動機(なぜこの職場か)退院支援に携わる中で、退院後の生活をそばで支えたいと考えるようになりました。同行訪問による教育体制があり、多職種との連携を大切にしている貴ステーションで、在宅療養を支える看護に取り組みたいと考えています。
自己PRは「強みとその根拠」、志望動機は「職場を選んだ理由」が中心です。この2つがゆるやかにつながっていると、一貫性のある印象になります。
経験の少ない分野に応募するときのコツ
- 共通する力を探す:観察力、説明力、連携する力など、どの分野でも活かせる力を強みにする
- 学ぶ姿勢を添える:未経験であることを認めたうえで、入職前に学んでいることを伝える
- 応募先の業務に近い場面を選ぶ:訪問看護なら退院支援、クリニックなら外来対応など、近い経験を選ぶ
履歴書と面接での長さの違い
| 場面 | 長さ | ポイント |
| 履歴書 | 200〜300字 | 強み・エピソード・活かし方を簡潔に |
| 職務経歴書 | 200〜300字 | 職務経歴に書いた実績とつなげる |
| 面接 | 1分程度(300字前後) | エピソードの場面を少し詳しく話す |
履歴書用に短くした例(例文7を約150字に)私の強みは、急な状況でも落ち着いて優先順位を判断できることです。救急病棟で、急変と緊急入院が重なった際も、応援を呼びながら順序立てて対応し、医師へ迅速に報告しました。この判断力を、貴院の急性期看護で活かしたいと考えています。
面接で話す1分バージョンの例
1分バージョン(例文9をもとに)私の強みは、多職種と連携して退院後の生活を支える調整力です。病棟では退院支援のリンクナースを担当し、退院前カンファレンスでケアマネジャーや訪問看護師と情報を共有してきました。ある患者さんのご家族が、自宅での介護に強い不安を抱えていたときには、退院前に一緒に介助の方法を練習する時間をつくり、訪問看護の導入もケアマネジャーと相談して決めました。退院後に「家でも安心して過ごせています」と連絡をいただいたときは、とてもうれしかったです。訪問看護でも、利用者さんとご家族の生活に寄り添い、関係する方々と連携しながら在宅療養を支えたいと考えています。
自己PRの深掘り質問への答え方
| 深掘りの質問 | 答え方のポイント |
| 「その強みが活かせなかった場面は?」 | 失敗の事実、そこから学んだこと、今の工夫の順に話す |
| 「周りからはどう評価されていますか?」 | 上司や同僚から言われた具体的な言葉を伝える |
| 「当院ではどのように活かせますか?」 | 応募先の業務や特徴を挙げて、具体的に答える |
| 「ほかに強みはありますか?」 | メインの強みとつながる、2つ目の強みを短く伝える |
面接全体の流れは看護師面接の質問と答え方で紹介しています。
自分の自己PRをつくるワークシート
書き込んでみよう・いちばん自信のある強み:( )
・その強みを身につけた部署と年数:( )
・強みが発揮された場面(いつ・どんな状況で):( )
・そのとき自分がしたこと:( )
・結果や周りの反応:( )
・応募先で活かしたい場面:( )
この6つを埋めて、例文の型に当てはめると、自分だけの自己PRの下書きができあがります。
例文を自分の言葉にアレンジするコツ
- 部署と年数を入れ替える「〇〇病棟で〇年間」を自分の経歴に書き換えます。
- エピソードを自分の体験にする印象に残っている場面を1つ選び、状況・行動・結果を書きます。
- 応募先の特徴を入れる最後の一文に、応募先の特徴や業務を入れます。
- 声に出して読む自分の言葉として自然に話せるか確認します。
よくあるNG例
| NG例 | 直し方 |
| 強みをいくつも並べる | いちばん自信のある強みを1つに絞る |
| 「頑張ります」で終わる | 具体的な行動と、応募先での活かし方を書く |
| 例文をそのまま使う | 場面・数字・応募先の特徴を自分のものに入れ替える |
| 患者さんが特定できる情報を書く | 疾患や状況だけで伝え、個人情報は書かない |
長所・短所の例文は看護師の長所・短所の答え方|面接で使える例文20選も参考にしてください。
自己PRの添削を受けたいときは
自己PRは、第三者に読んでもらうと伝わりにくい部分に気づけます。転職サイトの担当者に添削をお願いすると、応募先に合わせた表現を一緒に考えてもらえます。
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自己PRに関するよくある質問
例文をそのまま使ってもいいですか?
そのまま使うと、面接で深掘りされたときに答えにくくなります。部署・年数・エピソード・応募先の特徴を、自分のものに入れ替えて使いましょう。
自己PRと長所は同じでいいですか?
同じ強みを使っても構いません。自己PRでは、強みが発揮された場面と、応募先でどう活かすかまで伝えるのがポイントです。
実績がなくても自己PRは書けますか?
書けます。表彰や役職などの実績がなくても、日々の看護で心がけてきた行動や、患者さんとの関わりの場面が立派な根拠になります。
面接で自己PRを求められたら、履歴書と同じ内容を話していいですか?
同じ強みで構いません。面接では、エピソードの場面を少し詳しく話すと、履歴書を読んだ面接官にも新しい情報として伝わります。
自己PRで資格のことを書いてもいいですか?
書いて構いません。ただし、資格を持っていることだけでなく、その資格を活かしてどんな看護をしてきたか、応募先でどう活かすかまで書くと伝わりやすくなります。
新卒で、実習以外のエピソードを使ってもいいですか?
部活動やアルバイト、ボランティアなどのエピソードも使えます。看護の場面でどう活かせるかを添えると、説得力が増します。
強みが応募先に合っているか不安です。
応募先のホームページや求人票で、求める人物像や大切にしている看護を確認し、それに近い強みを選びましょう。合う強みが見つからない場合は、同じ経験の別の側面を強みとして言い換えられないか考えてみてください。
自己PRの強みは毎回同じでいいですか?
基本の強みは同じで構いません。応募先に合わせてエピソードや締めの一文を変えると、それぞれの職場に合った自己PRになります。
数字を入れたほうがいいですか?
受け持ち人数、担当した期間、指導した人数など、事実にもとづく数字があると具体性が増します。ただし、数字を盛ったり、患者さんが特定できる情報を書いたりするのは避けましょう。
自己PRに短所を入れてもいいですか?
自己PRは強みを伝える場なので、短所を入れる必要はありません。短所は別に聞かれたときに、改善の工夫とあわせて答えましょう。
看護師以外の経験を自己PRにしてもいいですか?
社会人経験やアルバイトの経験も、看護の場面で活かせる形に結びつければ使えます。経験者の場合は、看護の業務でのエピソードを中心にしたほうが伝わりやすいでしょう。
自己PRが長くなってしまいます。
エピソードを1つに絞り、状況の説明を短くしましょう。「強み」「したこと」「結果」「活かし方」の4つが入っていれば、200字程度でも十分に伝わります。
面接で自己PRを聞かれず、長所を聞かれたら?
長所として、自己PRと同じ強みを答えて構いません。時間が短い場合は、エピソードを1文に縮めて伝えましょう。
自己PRを英語で求められた場合は?
外資系の企業や一部の医療機関で求められることがあります。日本語の自己PRをもとに、短く簡単な英語にまとめ、声に出して練習しておきましょう。
同僚と自己PRが似てしまわないか心配です。
強みの言葉が同じでも、エピソードが違えば印象は変わります。自分が実際に経験した場面を具体的に書くことで、自然とオリジナルの自己PRになります。
自己PRはいつまでに準備すればいいですか?
応募書類を出す前に一度仕上げ、面接の前に声に出して練習しておきましょう。転職サイトを使う場合は、担当者に添削してもらう時間も見込んでおくと安心です。
Web面接でも自己PRの内容は同じでいいですか?
内容は同じで構いません。画面越しでは伝わりにくいので、少しゆっくり話しましょう。
まとめ
- 自己PRは「強み→背景→エピソード→活かし方」の4ステップで組み立てる
- 経験年数によって、見られるポイント(姿勢・成長・調整力・指導力)が変わる
- 応募先の業務に合わせて、強みとエピソードを選ぶ
- 履歴書は200〜300字、面接は1分程度が目安
- 例文は場面・数字・応募先の特徴を入れ替えて、自分の言葉にする
自己PRは、日々の看護の中であなたが大切にしてきたことを伝える場です。例文を手がかりに、自分らしい言葉で仕上げてください。