看護計画の書き方|OP・TP・EPの例文と事例別テンプレート

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「看護計画ってどこから書けばいいの?」「OP・TP・EPの違いがあいまい」「先輩に『個別性がない』と言われた」——看護計画は、新人看護師や看護学生がつまずきやすい記録の一つです。でも、書く順番と型を覚えれば、患者さんに合った計画を立てられるようになります。この記事では看護計画の書き方を、アセスメントから評価まで順番に解説し、事例別のテンプレートと評価の書き方の例をまとめました。

この記事でわかること
  • 看護計画の目的と、看護過程の流れ
  • 看護問題・長期目標・短期目標の書き方
  • OP(観察計画)・TP(ケア計画)・EP(教育計画)の違いと例文
  • 術後・転倒転落・誤嚥・糖尿病・終末期・不安の事例別テンプレート
  • 評価の書き方、NG例、個別性の出し方
編集部ゆい

看護計画は「その患者さんに、誰が見ても同じケアを届けるための地図」。型を覚えたら、あとは患者さんの情報で中身を埋めていこう。

目次

看護計画とは?目的と看護過程の流れ

看護計画は、患者さんの看護上の問題に対して、「何を目指して、何を観察し、どんなケアや指導を行うか」をまとめたものです。

看護計画の3つの目的

  • チームで同じ方向のケアを行う:勤務が変わっても、誰が担当しても一貫したケアができる。
  • 根拠のあるケアにする:思いつきではなく、アセスメントにもとづいてケアを選ぶ。
  • ケアを評価して改善する:目標に届いたかを振り返り、計画を見直す。

看護過程の5つのステップ

  • 情報収集・アセスメントカルテ、観察、患者さん・家族の話から情報を集め、何が起きているか・何が起こりそうかを分析します。
  • 看護問題(看護診断)の明確化看護で解決・予防すべき問題を決め、優先順位をつけます。
  • 看護計画の立案目標(長期・短期)と、OP・TP・EPの具体的な計画を立てます。
  • 実施計画にもとづいてケアを行い、記録します。
  • 評価目標の期限に達成度を評価し、計画を継続・修正・終了します。
ポイント:計画の質はアセスメントで決まる「なぜその問題が起きているのか(原因・関連因子)」をアセスメントで整理できていると、目標とケアの内容が自然に決まります。計画が書けないときは、アセスメントに戻るのが近道です。

看護問題(看護診断)の書き方

看護問題は、「どんな状態か(問題)」と「何が原因か(関連因子)」をセットで書くと、ケアの方向がわかりやすくなります。NANDA-Iなどの看護診断を使うかどうかは、職場や学校のルールに合わせましょう。

書き方の型
〇〇に関連した△△手術創に関連した急性疼痛
〇〇に関連した△△リスク状態下肢筋力の低下と夜間の頻尿に関連した転倒・転落リスク状態
〇〇に関連した△△嚥下機能の低下に関連した誤嚥リスク状態
  • 実在型:すでに起きている問題(例:疼痛、便秘)
  • リスク型:まだ起きていないが、起こる可能性が高い問題(例:転倒リスク、感染リスク)
  • 優先順位:命や安全に関わる問題を上位にします。

長期目標と短期目標の書き方

種類期間の目安書き方の型
長期目標退院時・介入の終了時(期限)までに、患者は〇〇できる退院時までに、患者は痛みを自分でコントロールしながら日常生活を送れる
短期目標数日〜1週間程度(期限)までに、患者は〇〇できる/〇〇となる術後3日目までに、疼痛がNRS3以下となり、病棟内を歩行できる
  • 主語は患者さん:「患者は〜できる」と書きます。「看護師が〜させる」にはしません。
  • 観察や測定で確認できる言葉:「痛みが軽くなる」より「NRS3以下」「〇m歩行できる」。
  • 期限を入れる:評価日がはっきりします。短期目標の期間は、職場や学校のルールに合わせます。

OP・TP・EPの違いと書き方

計画内容書き出しの例
OP(観察計画)何を観察・測定するかバイタルサイン、疼痛の程度(NRS)、創部の状態
TP(ケア計画)看護師が直接行うケア・援助指示による鎮痛薬の投与、体位の工夫、離床の援助
EP(教育計画)患者さん・家族への説明や指導痛みを我慢せず伝えるよう説明する
編集部ゆい

迷ったら「見る=OP」「する=TP」「伝える=EP」で振り分けてみて。TPには頻度やタイミングも入れると、誰が読んでも同じケアができるよ。

事例別|看護計画のテンプレート

事例1:術後の疼痛(消化器外科の術後)

看護問題手術創に関連した急性疼痛
長期目標退院時までに、患者は痛みを自分でコントロールしながら日常生活動作を行える。
短期目標術後3日目までに、疼痛がNRS3以下となり、病棟内を歩行できる。
OP①疼痛の部位・程度(NRS)・性質②表情、睡眠状況③バイタルサイン④創部の状態(発赤・腫脹・滲出液)⑤ドレーンの排液量と性状⑥鎮痛薬の使用状況と効果⑦離床の状況
TP①医師の指示にもとづき鎮痛薬を使用し、30〜60分後に効果を確認する②創部に負担の少ない体位を工夫する③離床前に鎮痛の状態を確認し、段階的に離床を援助する④ドレーンの屈曲・閉塞を防ぐ
EP①痛みは我慢せずに伝えるよう説明する②起き上がるときの創部の押さえ方を説明する③早期離床の必要性を説明する

事例2:転倒・転落リスク(高齢の入院患者)

看護問題下肢筋力の低下と夜間の頻尿に関連した転倒・転落リスク状態
長期目標入院期間中、転倒・転落を起こさずに安全に過ごせる。
短期目標3日以内に、トイレに行くときはナースコールを押して看護師を呼べる。
OP①歩行・移乗の状態②夜間の排泄の回数と時間帯③睡眠薬・降圧薬などの使用状況④認知機能・理解度⑤ベッド周囲の環境(履物、コード類、ナースコールの位置)
TP①ナースコールと必要な物を手の届く位置に置く②排泄の時間帯に合わせて声をかけ、トイレ誘導を行う③ベッドの高さを低くし、滑りにくい履物を使用する④必要時、センサーの使用を検討する
EP①移動するときはナースコールで呼ぶよう説明する②家族にも転倒予防の協力を依頼する

事例3:誤嚥のリスク(脳梗塞後の嚥下障害)

看護問題嚥下機能の低下に関連した誤嚥リスク状態
長期目標退院時までに、患者は誤嚥性肺炎を起こさず、指示された食形態で食事を摂取できる。
短期目標1週間以内に、食事中のむせが減り、摂取量が主食・副食とも7割以上となる。
OP①食事中・食後のむせ、咳、声の変化②食事摂取量と所要時間③呼吸状態、SpO2、体温④口腔内の状態⑤意識レベル・覚醒状態
TP①食事前に覚醒を確認し、座位・頸部前屈の姿勢を整える②一口量を少なくし、飲み込んだことを確認してから次を介助する③食前・食後に口腔ケアを行う④言語聴覚士と食形態や介助方法を共有する
EP①ゆっくり少しずつ食べるよう説明する②家族に食事介助の方法を説明する

事例4:血糖コントロール(2型糖尿病の教育入院)

看護問題疾患と治療に関する知識不足に関連した非効果的健康管理
長期目標退院時までに、患者は食事・運動・服薬を自宅で継続する方法を具体的に説明できる。
短期目標5日以内に、低血糖の症状と対処方法を説明できる。
OP①血糖値の推移②食事摂取量・間食の有無③服薬・インスリンの理解度と手技④低血糖症状の有無⑤自宅での生活習慣・仕事の状況
TP①指示にもとづき血糖測定を行う②インスリン自己注射の手技を一緒に確認する③管理栄養士と食事指導の内容を共有する
EP①低血糖の症状と対処方法を説明する②自宅での食事・運動の続け方を本人と一緒に考える③受診の目安を説明する

事例5:終末期の苦痛と家族の不安

看護問題病状の進行に関連した安楽の障害/家族の予期悲嘆
長期目標患者は苦痛が緩和され、本人と家族が望む過ごし方ができる。
短期目標2日以内に、痛みや呼吸の苦しさの訴えが減り、表情が穏やかになる。家族が思いを表出できる。
OP①疼痛・呼吸困難の程度、表情②意識レベル、バイタルサイン③食事・水分の摂取状況④家族の表情・言動・疲労の程度
TP①指示にもとづき苦痛を和らげる薬剤を使用し、効果を確認する②安楽な体位の工夫、口腔ケア・清潔ケア③家族が付き添いやすい環境を整える④家族の話を聞く時間をつくる
EP①家族に今後起こりうる変化を、医師と連携して説明する②家族ができるケア(声かけ、手をさするなど)を伝える

事例6:病状や予後への不安

看護問題検査結果や今後の治療への見通しがもてないことに関連した不安
長期目標入院中に、患者は必要な情報を得て、納得して治療を選択できる。
短期目標2日以内に、患者が不安に感じていることを看護師に言葉で伝えられる。
OP①表情・言動、睡眠状況②質問の内容③家族や周囲との関係④病状の説明に対する理解度
TP①1日1回はゆっくり話を聞く時間をつくる②プライバシーが守られる環境で話を聞く③必要に応じて医師からの説明の機会を調整する
EP①わからないことは質問してよいことを伝える②必要時、相談できる窓口(医療ソーシャルワーカーなど)を紹介する

看護計画の評価の書き方

短期目標の期限がきたら評価します。「目標・結果(事実)・判断・今後の計画」の順で書くと、次に何をするかが明確になります。

評価の例【目標】術後3日目までに、疼痛がNRS3以下となり、病棟内を歩行できる。
【結果】術後3日目、安静時NRS2、体動時NRS4。鎮痛薬使用後に病棟内を2周歩行できた。
【判断】安静時の目標は達成。体動時の疼痛は残るため一部達成。
【今後の計画】離床前の鎮痛薬の使用タイミングを医師と相談し、計画を継続。評価日を2日後に設定。

看護計画でよくあるNG例と直し方

NG例なぜNG?直し方
「痛みが軽減する」達成したか判断できない「NRS3以下となる」など測定できる形にする
「看護師が歩行させる」主語が看護師になっている「患者は〇m歩行できる」と患者を主語にする
OPに「鎮痛薬を投与する」観察ではなくケアになっているTPに移し、OPには「鎮痛薬の効果」を入れる
「適宜」「必要時」だけ人によって解釈が変わる頻度・タイミング・基準を書く
教科書どおりで患者さんの情報がない個別性がない生活背景・理解度・希望を反映させる

看護計画に「個別性」を出す4つのコツ

  • その人の生活に合わせる:「退院後は一人暮らし」「階段の多い家」など、生活環境を目標やEPに入れる。
  • 理解度や認知機能に合わせる:説明の方法(紙に書く、家族にも説明する)をEPに入れる。
  • 本人の言葉や希望を入れる:「孫の結婚式に出たい」など、本人の目標を長期目標に反映する。
  • 観察やケアの頻度を具体的にする:「夜間の排泄が2〜3時の間に多い」などの情報から、声かけのタイミングを決める。

看護計画を効率よく書くコツ

  • よく使う看護問題の型をストックする:術後疼痛、転倒リスクなどの基本形を用意し、個別の情報を加える。
  • 電子カルテの標準看護計画を活用する:標準の計画をもとに、その患者さんに合わない項目を削り、必要な項目を足す。
  • 評価日をあらかじめ決めておく:立案時に評価日を書き、立てっぱなしを防ぐ。
  • 先輩の計画を参考にする:わかりやすい計画を見せてもらい、書き方を学ぶ。
看護計画の力はキャリアでも活きるアセスメントにもとづいて計画を立て、評価できる力は、どの職場でも求められる力です。これからのキャリアや働く環境について相談したいときは、看護師専門の転職エージェントに話を聞いてみる方法もあります。
レバウェル看護の公式サイト

看護計画に関するよくある質問

看護問題はいくつ立てればいいですか?
決まった数はありません。命や安全に関わる問題を優先し、今の時点で看護が必要な問題にしぼりましょう。多すぎると、評価や見直しが追いつかなくなります。
短期目標の期間はどのくらいが正解?
職場や学校によって違います。急性期では数日、慢性期や在宅では1〜2週間など、患者さんの状態の変化の速さに合わせて設定しましょう。
OPとTPの区別がつきません。
OPは「見る・測る・聞き取る」こと、TPは「看護師が行うケア・援助」です。「鎮痛薬を使用する」はTP、「鎮痛薬の効果」はOPに入ります。
看護診断(NANDA-I)を使わないといけませんか?
職場や学校の方針によります。看護診断を使う場合も使わない場合も、「どんな状態で、何が原因か」がわかる書き方にすることが大切です。
看護計画はいつ見直せばいいですか?
短期目標の評価日、患者さんの状態が大きく変わったとき、治療方針が変わったときに見直します。立案時に評価日を決めておくと、見直しを忘れにくくなります。
まとめ
  • 看護計画は「アセスメント→看護問題→目標→OP・TP・EP→評価」の順で立てる
  • 看護問題は「〇〇に関連した△△」で、原因とセットで書く
  • 目標は患者さんを主語に、期限と測定できる言葉で書く
  • OPは観察、TPはケア、EPは説明・指導。頻度やタイミングまで具体的に書く
  • 評価は「目標・結果・判断・今後の計画」の順で書き、生活背景や本人の希望で個別性を出す

看護計画は、書けば書くほど上達します。テンプレートを土台に、目の前の患者さんの情報を加えて、その人に合った計画を立ててみてください。

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この記事を書いた人

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