看護師の看護計画の書き方|事例別テンプレート&例文集【新人必読

「看護計画ってどう書けばいいの?」 「OP・TP・EPの違いが分からない」 「先輩から『計画が薄い』と言われる」
看護計画は新人看護師がつまずきやすい業務の代表格。 でも書き方の「型」さえ覚えれば、誰でも質の高い計画を立てられるようになります。
この記事では、
- 看護計画の基本構成(看護診断〜評価まで)
- OP・TP・EPの違いと記載例
- 事例別の看護計画テンプレート(術後・転倒・終末期など)
- 新人がやりがちなNG例
- 看護計画の評価のしかた
をまとめました。スマホで開きながら、看護計画の作成時にそのまま参考にできる構成です。
ナースステーションのお守りに、ブックマーク必須です。
看護計画とは?目的と構成
看護計画は、患者さんの看護問題に対して**「何を、いつまでに、どうやって解決するか」**を文書化したものです。
看護計画の3つの目的
- 看護の方向性を明確化:チーム全員で共通認識を持つ
- 看護の質の保証:思いつきでなく計画的にケアする
- 評価と改善の基盤:成果を振り返り、PDCAを回す
看護計画の基本構成
【1】 看護問題(看護診断)
↓
【2】 長期目標(数日〜退院時まで)
↓
【3】 短期目標(24〜72時間以内)
↓
【4】 看護介入(O-P / T-P / E-P)
↓
【5】 評価(実施後の振り返り)
それぞれの書き方を順に解説します。
【1】看護問題(看護診断)の書き方
看護問題=患者さんが抱えている「看護で解決すべき問題」
NANDA-I の看護診断ラベルを使うのが一般的。
看護問題の書き方の型
「◯◯(問題)」に関連した「△△(原因)」
例:書き方のサンプル
- 「術後の創部痛」に関連した「安楽の障害」
- 「下肢筋力低下」に関連した「転倒・転落リスク状態」
- 「化学療法による嘔気」に関連した「栄養摂取量低下」
- 「終末期の不安」に関連した「精神的安寧の障害」
書き方のポイント
- **「◯◯リスク」**は実際にまだ起きていない問題(予防的)
- 実在する問題は現在発生している問題
- 患者さん固有の状況を反映させる(「年齢」「既往歴」など)
【2】長期目標の書き方
長期目標=退院時または看護介入終了時の到達点
書き方の型
「◯◯日(または退院時)までに、患者は△△できる」
例:長期目標のサンプル
- 退院時までに、患者は自宅で内服管理を自立できる
- 14日後までに、患者は介助なしでトイレまで歩行できる
- 退院時までに、家族は経管栄養の手技を習得できる
書き方のポイント
- 期限を明確に(退院時、◯日後など)
- 患者主語で書く(看護師主語にしない)
- 観察可能・測定可能な行動で書く
【3】短期目標の書き方
短期目標=24〜72時間以内の到達点
長期目標を達成するための「ステップ」になります。
書き方の型
「◯◯時間以内に、患者は△△できる」
例:短期目標のサンプル
- 24時間以内に、痛みのスケールが NRS 3/10以下になる
- 48時間以内に、排ガスがあり腸蠕動音が正常範囲となる
- 72時間以内に、ベッドサイドで端座位を保持できる
短期目標は「数値化」が命
「痛みが軽減する」→ ✕(測定不能) 「NRS が 3/10 以下になる」→ ◯(測定可能)
評価できる目標を立てるのが鉄則です。
【4】看護介入:O-P / T-P / E-P の書き方
ここが看護計画の本体。3種類の介入を書きます。
| 略称 | 正式名称 | 内容 |
|---|---|---|
| O-P | Observational Plan | 観察計画 |
| T-P | Therapeutic Plan | 直接的看護介入 |
| E-P | Educational Plan | 教育的介入 |
O-P(観察計画)の書き方
「何を観察するか」を箇条書きで列挙します。
O-P 例文
■ O-P(観察計画)
1. バイタルサイン(BP、HR、SpO2、BT、RR)
2. 痛みのスケール(NRS)
3. 創部の状態(発赤、腫脹、滲出液)
4. ドレーンの排液量・性状
5. 排ガス・排便の有無
6. 食事摂取量、水分摂取量
7. 表情、訴え
8. 皮膚の状態
T-P(直接的看護介入)の書き方
「看護師が直接行うケア」を箇条書きで列挙します。
T-P 例文
■ T-P(直接的看護介入)
1. 鎮痛薬の指示通り投与(1日3回まで)
2. 体位変換 2時間ごと
3. 創部のガーゼ交換 1日1回
4. ドレーン管理(屈曲・閉塞防止)
5. 早期離床支援(起立練習・歩行練習)
6. 痛みの強い時間帯はリラクゼーション支援
E-P(教育的介入)の書き方
「患者・家族への説明や指導」を箇条書きで列挙します。
E-P 例文
■ E-P(教育的介入)
1. 痛みは我慢せず伝えるよう説明
2. 早期離床の重要性を説明
3. 創部の安静と注意点を指導
4. 退院後の創部ケアを指導
5. 異変時の連絡先を説明
【5】評価の書き方
短期目標の期限ごとに評価します。
評価の型
【目標】◯◯
【結果】◯◯
【評価】達成 / 部分達成 / 未達成
【次の計画】◯◯(修正・継続・終了)
評価例
【目標】24時間以内に痛みのスケールが NRS 3/10以下になる
【結果】NRS 4/10 まで軽減(24時間後)
【評価】部分達成
【次の計画】鎮痛薬の使用回数増を医師に相談、48時間以内に NRS 3/10以下を目指す
事例別:看護計画テンプレート集
実際の看護現場でよく出る事例の看護計画を、丸ごとテンプレ化しました。
事例1:術後(消化器外科)の看護計画
【看護問題】術後の創部痛に関連した安楽の障害
【長期目標】退院時までに、患者は痛みなく日常生活動作ができる。
【短期目標】48時間以内に、痛みのスケールが NRS 3/10 以下になる。
■ O-P(観察計画)
1. バイタルサイン
2. 痛みのスケール(NRS)
3. 創部の状態(発赤、腫脹、滲出液)
4. ドレーン排液量・性状
5. 排ガス・腸蠕動音
6. 食事摂取量
7. 表情、訴え
■ T-P(直接的看護介入)
1. 鎮痛薬を医師指示通り投与
2. 創部の安静を保てる体位の工夫
3. ドレーン屈曲・閉塞の防止
4. 早期離床支援
5. リラクゼーション法の提案
■ E-P(教育的介入)
1. 痛みを我慢せず伝えるよう説明
2. 早期離床の重要性を伝える
3. 創部の安静と注意点を指導
事例2:転倒・転落リスクの看護計画
【看護問題】下肢筋力低下に関連した転倒・転落リスク状態
【長期目標】入院期間中、転倒・転落なく安全に過ごせる。
【短期目標】72時間以内に、患者・家族が転倒予防策を理解し実践できる。
■ O-P(観察計画)
1. 歩行・移動時の状況
2. 筋力(特に下肢)
3. 認知機能、判断力
4. 排泄パターン(トイレ移動の頻度)
5. 服薬による意識・覚醒への影響
6. 環境(ベッド周り、トイレ動線)
■ T-P(直接的看護介入)
1. ベッド柵を適切に設置
2. 必要時センサーマット使用
3. 夜間2時間ごと巡回
4. トイレ移動時はナースコール対応
5. 履物は滑りにくいものに変更
■ E-P(教育的介入)
1. ナースコールの使い方を説明
2. 移動時の注意点を伝える
3. 家族にも転倒予防の協力を依頼
4. 自分でできることと頼ることを明確化
事例3:終末期患者の看護計画
【看護問題】終末期の苦痛に関連した安楽の障害/家族の予期悲嘆
【長期目標】患者は穏やかに最期を迎えられる。家族は患者を看取れる。
【短期目標】48時間以内に、苦痛が緩和され、家族が患者と共に過ごせる時間が確保される。
■ O-P(観察計画)
1. バイタルサイン、意識レベル
2. 呼吸状態、苦痛の程度
3. 痛みのスケール、表情
4. 食事・水分摂取状況
5. 家族の受け止め、精神状態
6. 訴えの内容(言語的・非言語的)
■ T-P(直接的看護介入)
1. 鎮痛薬・鎮静薬の医師指示通りの投与
2. 安楽な体位の工夫
3. 口腔ケア・清潔ケア
4. 家族の面会時間を柔軟に調整
5. プライバシー保護した環境調整
6. 家族への精神的サポート(傾聴)
■ E-P(教育的介入)
1. 病状について家族に丁寧に説明
2. 看取りの過程について情報提供
3. 家族の意思決定支援
4. 看取り後のグリーフケアの情報提供
事例4:糖尿病患者の看護計画
【看護問題】血糖コントロール不良に関連した知識不足
【長期目標】退院時までに、患者は食事・運動・服薬を含めた血糖管理を自己管理できる。
【短期目標】1週間以内に、患者は自分の食事内容と血糖値の関係を理解できる。
■ O-P(観察計画)
1. 食前・食後の血糖値
2. HbA1c値
3. 食事摂取量・内容
4. 服薬・インスリンの理解度と実施状況
5. 運動量、活動量
6. 自覚症状(低血糖、口渇等)
■ T-P(直接的看護介入)
1. 食前血糖測定とスライディングスケール対応
2. インスリン手技の確認・指導
3. 食事指導の継続実施
4. 退院前の生活パターン把握
■ E-P(教育的介入)
1. 糖尿病の病態・治療を説明
2. 食事療法の具体的な実践方法を指導
3. 低血糖症状と対処法を指導
4. 運動療法の具体的な指導
5. 退院後のフォロー先を提示
事例5:精神的不安の強い患者の看護計画
【看護問題】病状や予後への不安に関連した精神的安寧の障害
【長期目標】入院期間を通じて、患者は不安を表出でき、必要な情報を得て治療に向き合える。
【短期目標】48時間以内に、患者は自分の不安を看護師に伝えられる。
■ O-P(観察計画)
1. 表情、言動、態度
2. 睡眠状況、食事摂取量
3. バイタルサイン
4. 質問の内容、関心事
5. 家族や周囲との関係性
■ T-P(直接的看護介入)
1. 1日1回以上、5〜10分の傾聴時間を確保
2. 質問に対しては誠実に対応
3. プライバシーが保てる環境で対話
4. 必要時、医師との情報共有
■ E-P(教育的介入)
1. 病状について理解度に合わせて説明
2. 治療計画について丁寧に説明
3. 家族や同じ経験者の存在を伝える
4. 必要時、心理士やソーシャルワーカーへの相談を提案
看護計画の書き方のNG例
NG1:抽象的すぎる目標
「患者が元気になる」
→ 測定不能。具体的・数値で書く。
NG2:看護師主語の目標
「患者を歩行できるようにする」
→ 患者主語に。「患者は歩行できる」。
NG3:O-P / T-P / E-P の混同
観察計画に「鎮痛薬投与」と書く → ✕ 観察計画は観察することだけ。直接ケアは T-P に書く。
NG4:教科書の丸写し
汎用的な看護計画は、その患者の状況に合わない。 個別性を必ず出す(年齢・既往歴・生活背景など)。
NG5:評価しない
立てっぱなしの計画は意味がない。短期目標の期限が来たら必ず評価して計画を更新する。
看護計画を書く時の時短テクニック
テクニック1:定型文を活用
頻出する看護診断(術後痛、転倒リスクなど)は、定型テンプレを作っておく。
テクニック2:個別性は3〜4箇所だけ追加
ほとんどの項目はテンプレで対応し、その患者特有の情報(既往歴、生活背景)だけ追記。
テクニック3:先輩の良い計画をストック
評価の高い先輩の看護計画を見せてもらい、自分用にカスタマイズ。
テクニック4:書籍・参考書を1冊持つ
「看護診断ハンドブック」「事例で学ぶ看護計画」のような書籍を1冊買って手元に置く。 1冊あれば数年使えます。
看護計画スキルが転職で評価される理由
質の高い看護計画が立てられる看護師は、転職市場でも高く評価されます。
評価される理由
- アセスメント力・分析力の証明になる
- チーム医療の中で計画的に動ける人材として認められる
- プリセプターやリーダーを任せられる中堅看護師として評価
転職活動で「これまでの看護計画で気をつけていたこと」を聞かれることもあります。
無料でキャリア相談ができる:レバウェル看護の公式サイト ※ あなたのスキルを正当に評価してくれる職場を紹介してもらえます。
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看護記録・看護過程について、合わせて読んでおきたい記事を紹介します。
まとめ:看護計画は「型」を覚えれば誰でも上達
看護計画の書き方をまとめます。
- 看護問題:「◯◯に関連した△△」の型で書く
- 長期目標:退院時の到達点、患者主語
- 短期目標:24〜72時間以内、数値で評価可能に
- 介入:O-P(観察)/T-P(ケア)/E-P(指導)の3つ
- 評価:必ず実施し、計画を更新する
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