フィジカルアセスメントの本おすすめ7選|看護師のレベル別

「呼吸音を聴いても、正常なのか異常なのか自信がない」「先輩に『ちゃんとアセスメントして』と言われるけれど、何を見ればいいの?」——フィジカルアセスメントは、看護師なら毎日使うのに、苦手意識を持ちやすい分野です。
この記事では、フィジカルアセスメントを学べる本を7冊紹介します。図解で基本を固める入門書から、所見の意味を深く理解できる本まで、レベルと目的に分けて選び方をまとめました。
※当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。書籍は改訂されることがあるため、購入前に販売ページで最新の版を確認してください。
- フィジカルアセスメントが苦手になりやすい理由
- フィジカルアセスメントの本を選ぶ4つのポイント
- おすすめのフィジカルアセスメント本7選と比較表
- 新人・2〜3年目・中堅のレベル別の選び方
- 本で学んだことを臨床で身につける練習法
ゆいフィジカルアセスメントは「手技」と「解釈」の2つがそろって初めて使えるようになるよ。本を選ぶときは、自分がどちらでつまずいているかを考えてみてね。
フィジカルアセスメントが苦手になりやすい理由
フィジカルアセスメントは、問診・視診・触診・打診・聴診で得た情報から、患者さんの状態を判断する技術です。学生時代に一通り学んでも、臨床に出ると苦手に感じる人は少なくありません。理由は大きく3つあります。
「正常」を十分に知らない
異常に気づくには、まず正常の状態を知っている必要があります。ところが、学生時代の演習では健康な学生同士で練習することが多く、病棟で多くの患者さんを見る中で「正常の幅」をつかむ機会が意外と少ないものです。
所見と病態が結びつかない
「副雑音が聴こえた」「下肢にむくみがある」と気づいても、それが何を意味するのか、どの程度急ぐべきかがわからないと、報告や看護につなげられません。手技だけでなく、所見から何を考えるかという「解釈」を学ぶ必要があります。
忙しさの中で手順が省略される
受け持ち患者さんが多い日には、バイタルサインの数値だけを見て終わってしまうこともあります。数値に表れる前の変化に気づくには、短時間でも全身を観察する習慣が大切です。
フィジカルアセスメントの本を選ぶ4つのポイント
1. 図解・写真が豊富か
体の構造や手技の位置は、文章だけではイメージしにくいものです。イラストや写真が多い本を選ぶと、聴診器を当てる位置や触診の手の動きがつかみやすくなります。
2. 手技だけでなく「解釈」まで書かれているか
手順の解説だけで終わる本と、所見の意味や看護への生かし方まで解説した本があります。新人のうちは手技中心でも、2〜3年目以降は解釈まで書かれた本を選ぶと伸びやすくなります。
3. 音声や動画などの付録があるか
呼吸音や心音は、文字で読んでもわかりにくい分野です。音声や動画を確認できる付録がついた本は、耳で覚えたい人に向いています。付録の利用方法や期限は本によって異なるため、購入前に確認しましょう。
4. 持ち歩けるサイズか
勤務中にさっと確認したいなら、ポケットに入るサイズの本が便利です。じっくり理解したい本と、現場で見返す本を分けて持つのもおすすめです。
ゆい最初の1冊は「全身のみかたが図で一通りわかる本」、2冊目は「持ち歩けるポケットブック」という組み合わせが使いやすいよ。
フィジカルアセスメントのおすすめ本7選
1. 看護がみえる vol.3 フィジカルアセスメント
「看護がみえる」シリーズのフィジカルアセスメント編です。呼吸器や循環器などの身体のみかたを、豊富なイラストや写真で解説しています。手順だけでなく、アセスメントの考え方まで学べる構成です。
ボリュームはありますが、系統別に整理されているため、苦手な部位から読むことができます。学生時代から使っている人も多く、新人の「教科書的な1冊」として手元に置いておくと安心です。検査値とあわせて理解したい人は看護師におすすめの検査値の本も参考にしてください。
2. バイタルサイン・フィジカルアセスメント(プチナースBOOKS)
イラストと写真で、バイタルサインとフィジカルアセスメントを解説した本です。手技だけでなく「どうアセスメントしケアにつなげるか」や、苦手な人が多い「報告」「記録」のしかたまで扱っています。
看護学生向けのシリーズですが、新人看護師が基本を確認するのにも向いています。観察したことを先輩や医師にどう伝えるかで悩んでいる人には、特に役立つ1冊です。
3. はじめてのフィジカルアセスメント 第2版
系統別の構成で、フィジカルアセスメントに必要な解剖生理と、フィジカルイグザミネーションの手技を学べる本です。スマートフォンやパソコンで動画を見たり、呼吸音・心音を聴いたりできる付録があります。
聴診が苦手な人は、本を読みながら実際の音を聴けるのが大きな利点です。文字で覚えた「断続性副雑音」などの用語を、音と結びつけて理解できます。聴診器選びに迷っている人は看護師の聴診器の選び方もあわせてどうぞ。
4. フィジカルアセスメント ポケットBOOK
病院・在宅を問わず、どんな患者さんにも使える全身のチェック項目を厳選したポケットブックです。「何か変」を判断するために必要な「正常」を知ることに重点を置き、項目ごとに正常かどうかを確認できるようにまとめられています。
ポケットに入るサイズなので、ラウンド中に気になったことをその場で確認できます。教科書的な本と組み合わせて、「じっくり学ぶ本」と「現場で見返す本」を分けて使うと効率的です。
病院だけでなく在宅の患者さんにも使える内容のため、訪問看護や施設で働く看護師が、限られた物品で全身をチェックするときの確認用としても活用できます。
5. Dr.上田のもうダマされない身体診察
メディカ出版のセミナーを書籍化した本です。何を、なぜ、どのようにみて、どう解釈するのかを話し言葉で解説しており、基本的なバイタルサインから予測できることの多さに気づかされます。AR動画で所見を確認できる仕掛けもあります。
手技はひととおりできるけれど、数値や所見から「次に何が起こりそうか」を考える力をつけたい人に向いています。急変の予兆に気づく力にもつながるため、ICU・CCU看護師の目標例文のように重症管理を学ぶ人の自己学習にも使えます。
6. だけでいい!フィジカルアセスメント
外来や病棟でよく出会う実際の所見の動画・写真を多く掲載し、異常所見を「見える・わかる」形で学べる本です。日々の経過を追う力や、異常を見極める力を磨くことを目的としています。
異常所見は、タイミングよく目の前に現れてくれるとは限りません。本で実際の所見を見ておくと、初めて出会ったときに「これかもしれない」と気づける可能性が高まります。外来勤務の人にも使いやすい1冊です。
ページ数が比較的少なく、写真や動画を見ながら読み進められるため、分厚い本が続かなかった人にも取り組みやすい構成です。気になる所見のページだけを見返す使い方もできます。
7. 看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版
人体の構造と機能、病気の仕組みを関連づけて理解できるように構成された本です。第2版では内容が全体的に更新され、新型コロナウイルス感染症のコラムも追加されています。
フィジカルアセスメントでつまずく原因が「体の仕組みがあいまい」なことにある場合は、この本で基礎を固めると理解が進みます。ブランクから復職する人の学び直しにも向いています。
フィジカルアセスメントの本は「どう観察するか」が中心ですが、この本は「なぜその所見が現れるのか」を体の仕組みから説明してくれます。観察結果の理由を説明できるようになると、患者さんや家族への説明もしやすくなります。
フィジカルアセスメント本の比較早見表
| 書名 | レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 看護がみえる vol.3 | 学生〜新人 | 図解が豊富な教科書的な1冊 |
| バイタルサイン・フィジカルアセスメント | 学生〜新人 | 報告・記録まで学べる |
| はじめてのフィジカルアセスメント | 学生〜新人 | 動画・呼吸音・心音つき |
| フィジカルアセスメント ポケットBOOK | 新人〜中堅 | 持ち歩けるチェック項目集 |
| もうダマされない身体診察 | 2〜3年目〜 | バイタルサインの解釈を深める |
| だけでいい!フィジカルアセスメント | 新人〜中堅 | 実際の異常所見を見て学ぶ |
| からだの正常・異常ガイドブック | 学び直し | 解剖生理と病態の基礎 |
レベル別・フィジカルアセスメント本の選び方
新人〜1年目:手技と正常を固める
まずは「看護がみえる vol.3」か「はじめてのフィジカルアセスメント」で、全身のみかたを一通り確認しましょう。勤務中は「ポケットBOOK」を持ち歩き、気になったときに正常の基準を確認すると、観察の精度が少しずつ上がります。
2〜3年目:所見の解釈と予測を学ぶ
手技に慣れてきたら、「もうダマされない身体診察」や「だけでいい!フィジカルアセスメント」で、所見から何が起こっているかを考える力を伸ばしましょう。リーダー業務で後輩の報告を受ける場面でも役立ちます。
ブランク明け・異動直後:基礎から学び直す
久しぶりに臨床に戻る人や、診療科が変わった人は、「からだの正常・異常ガイドブック」で解剖生理と病態を確認してから、入門書に進むとスムーズです。
ゆいレベルが上がるほど「この所見なら次に何を確認する?」と先を考える力が大事になるよ。本を読んだら、受け持ちさんで1つ試してみてね。
本を読むときに意識したい系統別のポイント
フィジカルアセスメントの本は系統別に構成されていることが多いです。読むときは、次のような「臨床で何に使うか」を意識すると、知識が実践に結びつきやすくなります。
呼吸器:数値に出る前の変化に気づく
呼吸数、呼吸の深さやリズム、呼吸補助筋の使用、副雑音の有無などは、SpO2の数値が下がる前に変化が現れることがあります。呼吸数を実際に数える習慣をつけ、本で学んだ観察項目と照らし合わせてみましょう。
循環器:全身の循環をイメージする
血圧や脈拍だけでなく、皮膚の色や温度、末梢の冷感、浮腫、尿量なども循環を考える手がかりになります。複数の所見を組み合わせて考える練習には、解釈まで書かれた本が向いています。
腹部:視診・聴診・打診・触診の順番を守る
腹部は、触診によって腸の動きが変わることがあるため、一般的に視診・聴診・打診・触診の順で観察します。手順の理由まで書かれた本で確認しておくと、自信を持って観察できます。
脳神経:意識レベルと左右差を確認する
意識レベルの評価スケール、瞳孔の大きさと対光反射、手足の動きの左右差などは、変化に早く気づくための重要な観察項目です。評価スケールは施設で使っているものに合わせて覚えましょう。画像とあわせて学びたい人は看護師におすすめの画像診断の本も参考になります。
本で学んだフィジカルアセスメントを身につける練習法
- 1日1部位に絞る今日は呼吸、明日は腹部というように、観察する部位を1つ決めて丁寧に行う。
- 正常を意識して見る状態の安定している患者さんでも観察し、「正常の幅」を体に覚えさせる。
- 所見を言葉にする観察したことを記録や報告の形で言葉にし、先輩に伝わるかを確認する。
- 本で答え合わせ迷った所見は勤務後に本で確認し、次の観察に生かす。
フィジカルアセスメントの本に関するよくある質問
新人看護師が最初に買うならどれ?
看護学生の頃の教科書では足りない?
呼吸音や心音を覚えるにはどうすればいい?
2〜3年目でも入門書から読み直したほうがいい?
フィジカルアセスメントの本は何冊あればいい?
- フィジカルアセスメントは「手技」と「解釈」の両方を学ぶ必要がある
- 新人は図解の多い入門書+持ち歩けるポケットブックの組み合わせが使いやすい
- 2〜3年目以降は、所見の意味や予測を学べる本で判断力を伸ばす
- 本で学んだら、1日1部位の観察と記録・報告で臨床に定着させる
- 異常が疑われるときは自己判断せず、必ず報告・相談する