呼吸器看護のおすすめ本7選|人工呼吸器が苦手な人に

「呼吸器病棟に配属になったけれど、血液ガスやX線の読み方がわからない」「人工呼吸器のアラームが鳴るとドキッとする」——呼吸器の看護は、覚えることが多く、苦手意識を持ちやすい分野です。
この記事では、呼吸の基礎から呼吸器疾患の看護ケア、人工呼吸器の管理までを学べる本を7冊紹介します。「呼吸器全般を学びたい人」と「人工呼吸器を克服したい人」のどちらにも選びやすいよう、目的別に整理しました。
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- 呼吸器看護・人工呼吸器が苦手になりやすい理由
- 呼吸器看護の本を選ぶ4つのポイント
- 呼吸器看護のおすすめ本7選と比較表
- 目的別・レベル別の読む順番
- 人工呼吸器の苦手を克服する勉強のコツ
ゆい人工呼吸器は、モードや数字が多くて最初は誰でも混乱するよ。まずは「呼吸のしくみ」と「患者さんに何が起きているか」から理解すると、設定の意味が見えてくるからね。
呼吸器看護・人工呼吸器が苦手になりやすい理由
目に見えない「呼吸」を扱うから
呼吸の状態は、呼吸数やSpO2、呼吸音、血液ガスなど、複数の情報を組み合わせて判断します。ひとつの数値だけでは状態がわからないことが、呼吸器を難しく感じさせる理由のひとつです。
略語と数字が多いから
人工呼吸器には、モードや設定値、アラームなど、略語と数字がたくさん出てきます。意味を理解しないまま覚えようとすると、すぐに忘れてしまいます。「その設定は何のためにあるのか」から学ぶことが大切です。
トラブルが命に直結するから
人工呼吸器の回路の外れや気管チューブのトラブルは、すぐに対応が必要です。責任の重さから不安が強くなりやすい分野ですが、よくあるトラブルとその対応を事前に知っておくことで、落ち着いて行動しやすくなります。
呼吸器看護で学びたい主なテーマ
呼吸器看護で学ぶ内容は幅広いですが、大きく次のテーマに分けられます。今の自分に必要なテーマから学びましょう。
- 呼吸の生理:換気・酸素化のしくみ、呼吸の調節
- 呼吸器疾患の看護:肺炎、COPD、喘息、肺がんなどの病態とケア
- 検査とアセスメント:呼吸音、血液ガス、胸部X線の見方
- 酸素療法・吸引:酸素投与の方法、気管吸引の手技と注意点
- 人工呼吸器と気管切開:モード、設定、アラーム対応、合併症の予防
呼吸器看護の本を選ぶ4つのポイント
1. 「呼吸器全般」か「人工呼吸器」か
呼吸器病棟に配属された人は呼吸器疾患全般を学べる本、ICUや一般病棟で人工呼吸器の患者さんを担当する人は人工呼吸器に特化した本から選ぶと効率的です。
2. 生理のしくみから説明されているか
設定値やアラームを丸暗記するより、呼吸のしくみから理解したほうが応用がききます。「なぜそうなるのか」が書かれている本を選びましょう。
3. イラスト・写真が多いか
人工呼吸器の回路や気管切開チューブの構造は、図で見るとイメージしやすくなります。初めて学ぶ人は、イラストが多い入門書から始めるのがおすすめです。
4. 自分の施設の機器と照らし合わせられるか
人工呼吸器は機種によって表示や操作が異なります。本で原理を学んだら、自分の施設の機種の取扱説明書や院内マニュアルで操作を確認するようにしましょう。
ゆい最初から専門書を読む必要はないよ。読み物やイラストの本で「わかる」体験をしてから、少しずつステップアップしていこうね。
呼吸器看護のおすすめ本7選
1. 教科書には書いていない!呼吸と呼吸器のひ・み・つ
看護師や看護学生など医療従事者向けに、呼吸と呼吸器を読み物として学べる入門書です。呼吸にまつわる「へぇ」と思うような話を通じて、体のしくみを理解できるようにまとめられています。
気軽に読めるので、呼吸器の勉強の最初の1冊や、専門書に進む前の準備に向いています。通勤時間や休憩時間に少しずつ読み進めたい人にもおすすめです。
専門書のように網羅的に学ぶ本ではありませんが、「呼吸ってそういうしくみだったのか」と納得できる体験が、その後の勉強の土台になります。呼吸器に苦手意識が強い人ほど、この本のような読み物から始めると続けやすくなります。
2. これならわかる!呼吸器の看護ケア
新人看護師や初めて呼吸器に配属された人に向けて、呼吸器のしくみとケアのポイントを豊富な写真とイラストで解説した本です。診察のしかたや、血液ガス・X線画像の読み取り方など、苦手意識を持たれやすい内容も扱っています。
呼吸生理の基礎知識から疾患の治療、ケアまでが1冊にまとまっているため、呼吸器病棟で働くうえでの「教科書」として使えます。X線画像をもっと学びたい人は看護師におすすめの画像診断の本も参考にしてください。
3. 人工呼吸器・気管切開まるわかり
人工呼吸器を装着した患者さんや気管切開の患者さんを担当することになった看護師の「不安」や「困りごと」に答える本です。基本モード、気管チューブの固定、カフ圧管理、気管吸引、加温・加湿などの臨床技術を紹介しています。
ICUだけでなく、一般病棟で人工呼吸器や気管切開の患者さんを担当する看護師にとって実用的な内容です。気管切開の管理まで扱っているため、療養病棟や在宅に関わる人にも役立ちます。
「組み立てなければならなくなったとき」など、病棟で実際に困りやすい場面を想定して解説されているのも特徴です。受け持ちが決まったら、勤務前に該当するページだけでも読み返しておくと、落ち着いて準備できます。
4. かげさんのイラスト人工呼吸器ノート
SNSで人気の看護師で、呼吸療法認定士でもある「かげさん」による人工呼吸器の解説本です。全ページが手描きイラストで、必要な知識を感覚的に理解できるように工夫されています。
人工呼吸器が苦手な人から、将来的に呼吸療法認定士を目指したい人まで使えるとされています。文字ばかりの専門書で挫折した経験がある人は、まずこの本から始めてみるとよいでしょう。
5. 人工呼吸ケア はじめの一歩
呼吸器病棟の看護師や、ICU・CCUの新人看護師に向けて、人工呼吸ケアを「流れに沿って、臨床で大事なポイントだけを、かんたんに」まとめた入門書です。
ケアの流れに沿って構成されているため、実際の業務の順番で確認できるのが利点です。ICUの仕事全体をイメージしたい人はICU看護師の仕事内容もあわせて読んでみてください。
6. 人工呼吸器の本 エッセンス
「必要なことは短時間できっちり知っておきたい」という人に向けて、人工呼吸器の要点をまとめた本です。初めて人工呼吸器に触れる人の不安に寄り添いながら、専門的な内容をわかりやすく解説しています。
ページ数がコンパクトで、忙しい中でも読み切りやすい構成です。入門書で概要をつかんだあと、知識を整理し直したいときに向いています。医師や臨床工学技士とのやり取りで出てくる用語を確認するのにも使えます。同じシリーズには、より深い内容を扱う「アドバンス」もあります。
7. 看護の力で患者を救う!人工呼吸器集中レクチャー
人工呼吸器の役割は病気を治すことではなく、病気が治るまで呼吸を保つこと。その考えから、合併症予防やアラーム対応など人工呼吸器の管理とケアを、患者さんの予後を改善する視点で解説した本です。
モードや設定も、臨床で必要な知識に絞って整理されています。人工呼吸器の基本操作に慣れてきた人が、看護の視点で管理の質を高めたいときに向いた、比較的新しい1冊です。
人工呼吸器を装着している期間に起こりうる合併症を防ぐことは、患者さんの回復に直結します。日々の観察やケアにどんな意味があるのかを説明できるようになりたい人や、病棟の勉強会で人工呼吸器を担当する人にもおすすめです。
呼吸器看護の本の比較早見表
| 書名 | テーマ | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 呼吸と呼吸器のひ・み・つ | 呼吸の基礎(読み物) | 呼吸が苦手な人の最初の1冊 |
| これならわかる!呼吸器の看護ケア | 呼吸器疾患全般 | 呼吸器病棟の新人 |
| 人工呼吸器・気管切開まるわかり | 人工呼吸器・気管切開 | 一般病棟で受け持つ人 |
| かげさんのイラスト人工呼吸器ノート | 人工呼吸器入門 | イラストで学びたい人 |
| 人工呼吸ケア はじめの一歩 | 人工呼吸ケアの流れ | ICU・CCUの新人 |
| 人工呼吸器の本 エッセンス | 人工呼吸器の要点 | 知識を整理したい人 |
| 人工呼吸器集中レクチャー | 管理・合併症予防 | 中堅・指導する立場の人 |
目的別・レベル別の読む順番
呼吸器病棟に配属された新人
「呼吸と呼吸器のひ・み・つ」で呼吸のしくみに親しんでから、「これならわかる!呼吸器の看護ケア」で疾患と看護を学ぶ流れがおすすめです。人工呼吸器の患者さんを受け持つ前に、「人工呼吸器・気管切開まるわかり」を読んでおくと安心です。
ICU・CCUの新人
「人工呼吸ケア はじめの一歩」や「かげさんのイラスト人工呼吸器ノート」で全体像をつかみ、慣れてきたら「人工呼吸器の本 エッセンス」で知識を整理しましょう。重症管理の目標設定にはICU・CCU看護師の目標例文も参考になります。
中堅・指導する立場の人
「人工呼吸器集中レクチャー」で、合併症予防やアラーム対応を看護の視点から深めましょう。後輩への説明では、入門書のイラストを使うと伝わりやすくなります。
ゆい人工呼吸器のアラームが鳴ったら、まずは患者さんを見ることが基本だよ。画面より先に、胸の動きや顔色、SpO2を確認するクセをつけてね。
本を読む前に押さえたい呼吸器の基本用語
呼吸器の本には略語が多く出てきます。よく出てくる言葉の意味を先に確認しておくと、本が読みやすくなります。
| 用語 | 意味(概要) |
|---|---|
| 換気 | 空気を肺に出し入れし、二酸化炭素を体の外へ出すはたらき |
| 酸素化 | 肺で血液に酸素を取り込むはたらき |
| SpO2 | パルスオキシメーターで測る経皮的な酸素飽和度 |
| PEEP | 息を吐き終わったときにも気道にかけておく圧力 |
| FiO2 | 吸入する気体に含まれる酸素の割合 |
| カフ圧 | 気管チューブや気管切開チューブのカフ(風船)の圧力 |
用語の意味を「換気」と「酸素化」のどちらに関係するかで整理すると、設定や検査値のつながりが見えやすくなります。詳しい内容や正常値の考え方は、本や院内の資料で確認しましょう。
人工呼吸器の患者さんを受け持つ日のチェックポイント
本で学んだ知識は、受け持ちの日の確認項目に落とし込むと実践しやすくなります。施設のルールに合わせて調整しながら、次のような視点で確認しましょう。
- 患者さんの状態:胸の上がり方の左右差、呼吸音、顔色、SpO2、苦痛の表情
- 設定とアラーム:指示された設定と実際の設定が一致しているか、アラーム設定が適切か
- 回路と加湿:回路の接続や折れ、結露、加温加湿器の状態
- 気管チューブ:固定の位置、カフ圧、口元や皮膚のトラブル
- 緊急時の準備:用手換気用の物品、吸引、酸素がすぐ使えるか
勤務の始めに前の勤務帯と一緒にベッドサイドで確認することで、思い込みによる見落としを防げます。確認項目を自分用のメモにしておくと、受け持ちのたびに見返せて便利です。
人工呼吸器の苦手を克服する勉強のコツ
- 呼吸のしくみを先に学ぶ換気と酸素化の違いを理解してから、モードや設定の意味を学ぶ。
- 施設の機種を触ってみる使っていない機器で、臨床工学技士や先輩と一緒に画面や回路を確認する。
- アラーム対応を整理するよく鳴るアラームの原因と確認手順を、院内マニュアルとあわせてまとめる。
- 受け持ち患者さんで振り返る担当した患者さんの設定と状態の変化を、本で確認しながら振り返る。
呼吸器看護の本に関するよくある質問
人工呼吸器の勉強は何から始めればいい?
一般病棟でも人工呼吸器の本は必要?
呼吸療法認定士を目指すならどの本から読む?
血液ガスの読み方も本で学べる?
- 呼吸器看護は「呼吸のしくみ」から学ぶと、検査値や人工呼吸器の設定の意味がわかりやすい
- 呼吸器病棟の新人は「呼吸器の看護ケア」の入門書、人工呼吸器が不安な人は特化した本から選ぶ
- イラストの多い入門書で全体像をつかみ、慣れたら要点整理や管理の本でステップアップする
- 本で原理を学び、院内マニュアルで自分の施設の機種と操作を確認する
- 人工呼吸器の設定変更は医師の指示で行い、気になることは早めに報告・相談する