褥瘡ケアのおすすめ本7選|DESIGN-Rが苦手な看護師に

「DESIGN-Rで評価しようとしても、深さや壊死組織の判断に自信がない」「ドレッシング材や外用薬の種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない」「体位変換やクッションの使い方がこれで合っているのか不安」——褥瘡ケアは、どの病棟や施設でも求められる一方で、悩みの多い分野です。
この記事では、褥瘡ケアに関わる看護師に向けて、褥瘡ケアのおすすめ本を7冊紹介します。基本を学べる入門書、持ち歩けるポケット本、学会のガイドブック、ドレッシング材やポジショニング、スキン-テアまで扱う本を、目的別に比較表つきでまとめました。
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- 褥瘡ケアが難しく感じる理由
- 褥瘡ケアの本を選ぶ4つのポイント
- 看護師におすすめの褥瘡ケアの本7選と比較表
- 職場・目的別の選び方
- 褥瘡予防の基本と勉強を続けるコツ
ゆい褥瘡は「できてから治す」より「できないように防ぐ」ことがいちばん大切なんだ。予防の知識は、病院でも施設でも在宅でも役に立つよ。
褥瘡ケアが難しく感じる3つの理由
評価に経験と知識が必要
褥瘡の評価には、日本褥瘡学会のDESIGN-R2020がよく使われます。深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケットなどを評価しますが、写真や文章だけでは判断が難しい項目も多いため、自信をもてない人が少なくありません。
ドレッシング材と外用薬の種類が多い
褥瘡の治療には、さまざまなドレッシング材や外用薬が使われます。創の状態によって適したものが違い、同じ創でも経過によって変えていく必要があります。製品ごとの特徴と、創の状態との組み合わせを理解するには、体系的な学習が必要です。
予防には多くの視点が必要
褥瘡の予防には、体圧分散、ポジショニング、スキンケア、栄養管理、排泄ケアなど、さまざまな視点が欠かせません。看護師だけでなく、医師や管理栄養士、理学療法士など多職種で取り組む必要があり、全体を見渡す力が求められます。
ゆい褥瘡ケアは、皮膚だけを見ていてもうまくいかないんだ。栄養や排泄、動き方まで含めて、患者さんの生活全体を見る視点をもとうね。
褥瘡ケアの本を選ぶ4つのポイント
1. 最新のガイドラインと評価ツールに対応しているか
褥瘡の評価ツールは「DESIGN-R2020」に改定され、日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン」も改訂されています。古い評価ツールのままの本では、現場の評価方法と合わないことがあるため、対応しているガイドラインや評価ツールの版を確認しましょう。
2. 症例写真が多い本を選ぶ
褥瘡の評価は、実際の創を見て判断する力が必要です。症例写真が多い本を選ぶと、現場で見る創とのイメージの差が小さくなります。
3. 予防か治療か、目的に合わせて選ぶ
褥瘡の発生を防ぎたいのか、できてしまった褥瘡のケアを学びたいのかによって、選ぶ本が変わります。予防ならポジショニングやスキンケア、治療ならドレッシング材や外用薬の本が役立ちます。
4. 職場の環境に合っているか
急性期病院、療養病床、高齢者施設、在宅では、使える物品やケアの体制が違います。自分の職場で使いやすい内容かどうかも確認しましょう。
褥瘡ケアのおすすめ本7選
ここからは、褥瘡ケアに関わる看護師におすすめの本を、入門書から順に紹介します。
1. 看護の現場ですぐに役立つ 褥瘡ケアの基本
褥瘡ケアの基礎が身につく入門書です。褥瘡の基礎、皮膚の働き、予防、スキンケア、治療法、栄養管理、トータルケアまでを順番に解説しています。現場で行っているケアの根拠となる知識と技術をまとめています。
皮膚の働きから予防、治療、栄養までを順番に学べるため、褥瘡ケアの全体像をつかみたい人に向いた本です。手に取りやすい価格で、新人や褥瘡ケアに初めて関わる人の最初の1冊として選びやすいでしょう。
評価ツールやガイドラインの最新の内容は、後で紹介するガイドブックなどで補うのがおすすめです。
2. とにかく使える 褥瘡ケア
困ったときにすぐ調べられることを目指したポケット本です。評価・アセスメント、治療・ケア、予防の3章で看護のポイントをまとめ、臨床でよく出会う創の状態や治療が難しい例を17例、症例写真とともに紹介しています。巻末にはドレッシング材、外用薬、体圧分散用具の一覧があります。
2024年に刊行された新しいポケット本です。巻末の一覧でドレッシング材や外用薬、体圧分散用具をすぐに確認できるため、処置の前の確認に便利です。
症例写真が豊富なので、目の前の創と見比べながら評価やケアを考えられます。褥瘡の処置を担当することが多い人の、持ち歩き用の1冊としておすすめです。
3. 新 まるわかり褥瘡ケア
褥瘡の予防・治療・ケアの全体を見渡せる本です。スキン-テア、医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)、失禁関連皮膚炎(IAD)、創傷衛生(Wound Hygiene)なども詳しく扱い、DESIGN-R2020と褥瘡予防・管理ガイドラインに準拠しています。
初心者からベテランまで、すべての看護師に必要な褥瘡ケアの新しい知識をまとめた本です。症例写真が豊富で、アセスメントのポイントも理解しやすくなっています。
マスクや弾性ストッキングなどの医療機器による圧迫創傷や、おむつの使用による皮膚炎など、褥瘡以外の皮膚トラブルも学べるのが特長です。入門書の次に読む本として向いています。
4. 褥瘡ガイドブック 第3版
日本褥瘡学会が編集した、褥瘡予防・治療・ケアの知識と技術をまとめた本です。DESIGN-R2020による評価から、外用薬・ドレッシング材、体圧分散マットレスやポジショニング、栄養、物理療法、スキンケアまでを、写真やイラストで解説しています。
ガイドラインに基づいたエビデンスと、専門家の技術がまとめられた本です。院内の褥瘡対策の基準を作るときや、勉強会の資料を準備するときの参考にもなります。
病院だけでなく在宅の褥瘡対策にも使える内容で、褥瘡対策委員やリンクナースを任された人には特におすすめです。
5. 褥瘡・創傷のドレッシング材・外用薬の選び方と使い方 第2版
種類の多いドレッシング材と外用薬について、各製品のメリット・デメリットを示し、場面別の選び方と使い方を具体的に解説した本です。創傷衛生(Wound Hygiene)やDESIGN-R2020を踏まえた改訂版です。
ガイドラインには標準的な選び方が書かれていますが、実際の症例に合った使い方はさまざまです。この本は、場面ごとに効果的な選び方と使い方を具体的に示しているため、処置の内容を理解するのに役立ちます。
医師の指示で使われているドレッシング材や外用薬の目的がわかるようになると、観察のポイントも明確になります。処置の介助をすることが多い人におすすめです。
6. トータルケアをめざす 褥瘡予防のためのポジショニング
皮膚や筋、骨などの解剖生理を基本に、褥瘡予防のためにクッションなどをどのように使って体圧を分散するかを、写真をもとに解説した本です。飲み込みの状態や呼吸の状態も含めた、トータルケアとしてのポジショニングがわかります。
体位変換やクッションの当て方は、なんとなく先輩のまねをしている人も多いのではないでしょうか。この本は、なぜその位置にクッションを入れるのかを解剖生理から理解できるため、自信をもってポジショニングができるようになります。
写真が多く、実際の姿勢をイメージしやすい構成です。寝たきりの患者さんが多い療養病床や高齢者施設、在宅で働く看護師に特におすすめです。
7. 創傷ケアワークブック スキン-テア/褥瘡/下肢潰瘍
スキン-テア、褥瘡、下肢潰瘍について、多くのカラー写真と事例を含めた128問の問題と解答で解説したワークブックです。病院だけでなく、高齢者施設や訪問看護の現場でも使える実践書です。
問題を解きながら学ぶ形式なので、知識が身についているかを確かめながら進められる本です。スキン-テア(皮膚裂傷)や下肢潰瘍まで扱っているため、創傷ケア全般を学びたい人に向いています。
皮膚・排泄ケア認定看護師や特定行為研修を目指す人にもすすめられている本です。院内の勉強会で問題として使うこともできます。
褥瘡ケアのおすすめ本の比較表
| 本 | レベル | こんな人に |
|---|---|---|
| 褥瘡ケアの基本 | 入門 | ゼロから全体像を学びたい |
| とにかく使える 褥瘡ケア | 入門〜 | ベッドサイドでさっと確認したい |
| 新 まるわかり褥瘡ケア | 入門〜中級 | 新しい知識をまとめて学びたい |
| 褥瘡ガイドブック 第3版 | 中級〜 | ガイドラインに沿って学びたい |
| ドレッシング材・外用薬の選び方と使い方 | 中級 | 処置の選び方を理解したい |
| 褥瘡予防のためのポジショニング | 入門〜中級 | 体位変換やクッションを見直したい |
| 創傷ケアワークブック | 中級〜上級 | 問題を解いて実践力をつけたい |
職場・目的別の選び方
褥瘡ケアに初めて関わる新人
「褥瘡ケアの基本」で全体像をつかみ、「とにかく使える 褥瘡ケア」を持ち歩き用にするのがおすすめです。まずは予防の基本と、DESIGN-R2020の評価項目を覚えるところから始めましょう。
療養病床・高齢者施設・在宅で働く人
寝たきりの患者さんや利用者さんが多い職場では、予防がとても重要です。「褥瘡予防のためのポジショニング」で体圧分散の方法を学び、「新 まるわかり褥瘡ケア」でスキン-テアやIADなどの皮膚トラブルも確認しておきましょう。
褥瘡対策委員やリンクナースを任された人
「褥瘡ガイドブック 第3版」でガイドラインに沿った知識を整理し、「ドレッシング材・外用薬の選び方と使い方」と「創傷ケアワークブック」で実践力を高めましょう。院内の勉強会の資料づくりにも役立ちます。
ゆい褥瘡がよくなっていく経過を見られるのは、看護師としてうれしい瞬間なんだ。写真や記録で経過を残して、チームで共有していこうね。
褥瘡予防の基本と勉強を続ける5つのコツ
- リスクを評価する入院時や状態が変わったときに、院内で使っているリスク評価のツールで褥瘡のリスクを確認する。
- 骨の出っ張った部分を毎日見る仙骨部やかかと、大転子部など、褥瘡ができやすい部位の皮膚の色や硬さを観察する。
- 体圧分散とポジショニングを見直すマットレスやクッションの使い方、体位変換の方法が患者さんに合っているかを確認する。
- スキンケアと排泄ケアを丁寧に行う皮膚の清潔と保湿を保ち、おむつによる湿潤や摩擦を減らす。
- 評価を記録して経過を追うDESIGN-R2020で定期的に評価し、写真とあわせて経過を記録する。
寝たきりの方の多い施設で役立つ本を探している人は施設で働く看護師におすすめの本7選を、在宅でのケアに関心がある人は訪問看護のおすすめ本7選もあわせて読んでみてください。
褥瘡ケアの本に関するよくある質問
褥瘡ケアを学ぶなら最初の1冊は?
DESIGN-R2020の評価を学ぶにはどの本がいい?
ドレッシング材の種類を覚えるには?
施設や在宅で働く看護師にもおすすめの本は?
スキン-テアについて学べる本は?
褥瘡ケアの専門性を高めるには?
- 褥瘡ケアでは、評価・治療・予防と幅広い知識が求められる
- 本はDESIGN-R2020や最新のガイドラインに対応しているかを確認して選ぶ
- 新人は入門書とポケット本で基本を固め、予防と評価から学ぶ
- 施設や在宅ではポジショニング、委員やリンクナースはガイドブックで知識を深める
- 処置の内容は、必ず医師の指示と院内の基準に従う