看護師の職務経歴書の書き方|テンプレートと例文集

「職務経歴書って何を書けばいいの?」「履歴書とどう違うの?」「看護師向けのテンプレートがほしい」——看護師の転職活動で、多くの人が初めて書くのが職務経歴書です。新卒の就職活動では求められないことが多いため、書き方がわからず手が止まってしまうのは自然なことです。
この記事では、看護師の職務経歴書の基本構成とテンプレート、経験年数や状況別の記入例、応募先に合わせた書き分け方、NG例、提出方法までまとめました。テンプレートは自分の経歴に置き換えてそのまま使えます。
- 職務経歴書と履歴書の違い、看護師が書くべき理由
- 基本の5ブロック構成と、それぞれのテンプレート
- 1〜2年目・3年目・中堅・主任経験者・複数職歴・ブランクありの記入例
- クリニック・訪問看護・美容・企業など応募先別の書き分け
- 採用担当に読まれる書き方のコツとNG例、提出方法
ゆい職務経歴書は「何をしてきたか」を伝える資料。上手な文章より、業務内容と実績を具体的に、見やすく書くことが大切だよ。
職務経歴書とは?履歴書との違い
履歴書は「あなたが誰か」を伝える書類、職務経歴書は「あなたが何をしてきたか」を詳しく伝える書類です。
| 比較項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 役割 | プロフィール(基本情報) | 経歴とスキルの詳細 |
| 形式 | 決まったフォーマット | 自由形式(A4で1〜2枚) |
| 内容 | 学歴・職歴・資格を簡潔に | 配属先・業務内容・実績・スキルを詳しく |
| 作成方法 | 手書き・パソコンどちらも | パソコンで作成するのが一般的 |
看護師の求人では、職務経歴書の提出を求めない病院もあります。それでも、転職エージェント経由の応募や、クリニック・企業・訪問看護などへの応募では求められることが多く、一度つくっておけば応募先に合わせて書き換えるだけで使い回せます。履歴書の書き方は看護師の履歴書の書き方で解説しています。
看護師の職務経歴書|基本構成(5ブロック)
| ブロック | 書くこと | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 1. 日付・氏名 | 作成日(提出日)と氏名 | 2行 |
| 2. 職務要約 | 経歴の概要と強み | 150〜250字 |
| 3. 職務経歴 | 勤務先・期間・規模・配属・業務内容・実績 | 職場ごとに10〜15行 |
| 4. 資格・スキル | 免許・資格・看護技術・PCスキル | 5〜15行 |
| 5. 自己PR | 強みとエピソード、入職後の貢献 | 200〜300字 |
全体をA4で1〜2枚に収めるのが基本です。ここからは、ブロックごとの書き方とテンプレートを紹介します。
【1】日付・氏名の書き方
20XX年◯月◯日現在
氏名 山田 花子
- タイトルは中央、日付と氏名は右寄せが一般的
- 日付は郵送なら投函日、メールなら送信日、持参なら持参日にそろえる
- 氏名は履歴書と同じ表記にする
【2】職務要約の書き方とテンプレート
職務要約は、採用担当が最初に読む部分です。ここで「どんな経験の人か」がひと目でわかるよう、経歴の概要+強み+今後の方向を150〜250字にまとめます。
◯◯看護専門学校を卒業後、◯◯病院に入職し、◯年間◯◯病棟で勤務してまいりました。◯◯(主な業務)を中心に経験を積み、◯年目からは◯◯(役割)を担当しています。今後は◯◯の経験を活かし、◯◯に取り組みたいと考えております。
20XX年に◯◯看護専門学校を卒業後、医療法人◯◯病院(300床)に入職し、3年間消化器外科病棟で勤務してまいりました。術前術後の看護、ドレーン管理、急変時の対応を中心に経験を積み、2年目からは新人看護師のプリセプターを担当しています。今後は患者さんと継続して関われる外来看護で、術後の生活指導の経験を活かしたいと考えております。
職務要約の例文(転職先別)
職務要約の最後の1文は、応募先に合わせて書き換えると効果的です。同じ経歴でも、締めくくりを変えるだけで印象が変わります。
| 応募先 | 職務要約の締めくくりの例 |
|---|---|
| クリニック | 「今後は外来で患者さんと継続して関わり、生活習慣の改善を支える看護に取り組みたいと考えております。」 |
| 訪問看護 | 「病棟での退院支援の経験を活かし、退院後の在宅生活を支える看護に携わりたいと考えております。」 |
| 介護施設 | 「高齢の方の全身状態の観察と急変時の対応の経験を活かし、入居者の方の穏やかな暮らしを支えたいと考えております。」 |
| 急性期病院 | 「重症度の高い患者さんの看護に携わり、急変対応の経験をさらに深めたいと考えております。」 |
| 企業・健診 | 「病棟での生活指導の経験を活かし、病気の予防と健康づくりに関わりたいと考えております。」 |
【3】職務経歴の書き方とテンプレート
職務経歴書の本体です。勤務先ごとに、基本情報と業務内容・実績を箇条書きで書きます。
【勤務先】医療法人◯◯ ◯◯病院
【期間】20XX年4月〜現在(◯年◯か月)
【施設概要】病床数◯◯床/二次救急指定/看護体制7対1
【配属】◯◯病棟(◯◯床)
【雇用形態・勤務】常勤/二交代制(夜勤月◯回)
▶業務内容
・◯◯の患者さんの看護(受け持ち◯名程度)
・◯◯の処置、◯◯の管理
・入退院の対応、患者・家族への指導
・多職種カンファレンスへの参加
▶実績・役割
・20XX年〜 プリセプター(新人◯名を担当)
・20XX年〜 ◯◯委員会メンバー(◯◯に取り組む)
職務経歴を書くときのポイント
- 施設概要を入れる:病床数や病院の機能(急性期・回復期など)があると、経験のレベルが伝わりやすい
- 受け持ち人数・件数を書く:「多くの患者を担当」より「日勤で7〜8名を受け持ち」のほうが具体的
- 役割と期間を書く:プリセプター・リーダー・委員会は、担当した年と内容を書く
- 新しい順に書く:複数の職歴がある場合は、直近の職場から書くのが一般的(古い順で書く形式もあります)
【4】資格・スキルの書き方
・看護師免許(20XX年◯月取得)
・BLSプロバイダー(20XX年◯月取得)
・普通自動車第一種運転免許(20XX年◯月取得)
■看護スキル
・採血、末梢静脈ルート確保、各種注射
・輸液ポンプ、シリンジポンプの管理
・心電図モニターの観察
・吸引(口腔・鼻腔・気管内)
・褥瘡ケア、ストーマケア
■PCスキル
・電子カルテの入力(◯◯社製)
・Word(文書作成)、Excel(表作成・基本的な関数)
看護スキルは、応募先で活かせるものを上に書きます。訪問看護なら在宅で必要な処置、クリニックなら採血や外来処置など、相手が知りたい情報を優先しましょう。PCスキルは誇張せず、できることを正確に書きます。
【5】自己PRの書き方
職務経歴書の最後に自己PRを入れると、経歴だけでは伝わらない強みを補えます。履歴書と同じ文章ではなく、職務経歴で書いた実績とつなげて書くのがコツです。
私の強みは◯◯です。(具体的な場面)◯◯の際に、◯◯を行いました。その結果、◯◯につながりました。この経験を活かし、貴院でも◯◯に貢献したいと考えております。
職務経歴書向け・自己PRの例文
強みの見つけ方と例文は看護師の自己PR例文集で詳しく紹介しています。
【状況別】職務経歴書の記入例
記入例1:1〜2年目(第二新卒)
20XX年に◯◯大学看護学部を卒業後、◯◯病院(450床)の循環器内科病棟に入職し、1年6か月勤務してまいりました。心不全や虚血性心疾患の患者さんの看護を中心に、基本的な看護技術と多重課題への対応を身につけました。今後は教育体制の整った環境で、基礎をさらに固めたいと考えております。
■職務経歴
【配属】循環器内科病棟(50床)/二交代制(夜勤月4回、入職8か月目から独り立ち)
▶業務内容
・日勤で5〜6名を受け持ち、バイタル測定・与薬・点滴管理
・心電図モニターの観察と異常時の報告
・心臓カテーテル検査の前後の看護
・心不全患者さんへの水分・塩分管理の指導
ポイント:経験が短い分、できるようになった技術と独り立ちの時期を具体的に書くと、即戦力の度合いが伝わります。
記入例2:中堅(7年目・リーダー経験あり)
◯◯病院の整形外科病棟で7年間勤務し、周術期看護と早期離床の支援を中心に経験を積んでまいりました。4年目からは日勤リーダー、5年目からは新人教育担当を務め、病棟の転倒・転落対策にも取り組んでいます。今後は退院後の生活を支える訪問看護で、これまでの経験を活かしたいと考えております。
▶実績・役割
・20XX年〜 日勤リーダー(週2〜3回)
・20XX年〜 新人教育担当(年間2〜3名の指導計画を作成)
・20XX年 医療安全委員として転倒リスク評価の手順を見直し、病棟内で共有
ポイント:役割と取り組みを「何年から・何を・どうしたか」で書くと、評価されやすくなります。数値で示せる成果がある場合は、事実の範囲で添えましょう。
記入例3:主任・管理経験者
・病棟スタッフ25名の勤務表作成と業務調整
・新人・中途入職者の教育計画の立案と評価
・看護記録の監査と、記録時間短縮のためのテンプレート整備
・師長不在時の病棟管理、他部署との調整
・離職防止のための面談の実施(年2回、全スタッフ対象)
ポイント:管理職候補として応募する場合は、人数・規模・仕組みづくりがわかるように書きます。
記入例4:複数の職歴がある場合
1. 20XX年4月〜現在 ◯◯クリニック(内科・常勤)
・外来診療の補助、採血・点滴、予防接種、健診
2. 20XX年4月〜20XX年3月 ◯◯病院(回復期リハビリ病棟・常勤)
・脳卒中・骨折術後の患者さんのADL支援、退院調整
3. 20XX年4月〜20XX年3月 ◯◯病院(急性期・内科病棟・常勤)
・内科疾患の急性期看護、急変時の対応
職歴が多い場合は、応募先に関係の深い職場を詳しく、それ以外は簡潔に書きます。転職回数が気になる人は看護師で職歴が多い時の履歴書の書き方も参考にしてください。
記入例5:ブランクあり・復職
◯◯病院の消化器内科病棟で6年間勤務したのち、出産・育児のため20XX年に退職しました。退職後は3年間育児に専念し、昨年から都道府県ナースセンターの復職支援研修を受講して、採血・点滴などの手技を復習しています。今後は日勤中心の職場で、これまでの内科での経験を活かしながら長く働きたいと考えております。
ポイント:ブランク期間を空白にせず、その間の状況と復職に向けた準備を書くと、採用側の不安を減らせます。
ゆい記入例の数字や業務は、自分の経験に置き換えてね。大事なのは「盛ること」じゃなくて、やってきたことを具体的な言葉で伝えることだよ。
完成イメージ:職務経歴書の全体例(A4・1枚)
ここまでのブロックを組み合わせると、次のような1枚になります。全体のバランスをつかむ参考にしてください(5年目・病棟から訪問看護へ応募するケース)。
20XX年◯月◯日現在 氏名 佐藤 美咲
■職務要約
◯◯看護専門学校を卒業後、社会医療法人◯◯病院(350床)に入職し、5年間脳神経外科・神経内科の混合病棟で勤務してまいりました。脳卒中の急性期看護、嚥下・排泄ケア、退院支援を中心に経験を積み、3年目からは日勤リーダーを担当しています。今後は退院後の生活を支える訪問看護で、これまでの経験を活かしたいと考えております。
■職務経歴
【勤務先】社会医療法人◯◯ ◯◯病院(20XX年4月〜現在)
【施設概要】350床/二次救急指定/急性期一般病棟
【配属】脳神経外科・神経内科混合病棟(45床)/二交代制(夜勤月4〜5回)
▶業務内容
・日勤で6〜7名を受け持ち、脳卒中・脳腫瘍術後の患者さんの看護
・意識レベル・神経症状の観察、急変時の初期対応
・嚥下評価にもとづく食事介助、口腔ケア、排泄ケア
・退院前カンファレンスへの参加、家族への介護指導
▶役割・実績
・20XX年〜 日勤リーダー
・20XX年〜 退院支援リンクナース(退院前訪問に年数回同行)
■資格
看護師免許(20XX年)/普通自動車第一種運転免許(20XX年)
■自己PR
私の強みは、ご家族の不安を聞き取り、在宅での介護をイメージできるよう伝える力です。退院支援リンクナースとして、退院前訪問に同行し、自宅の環境に合わせた介護方法をご家族と一緒に考えてきました。この経験を活かし、利用者さんとご家族が安心して在宅生活を送れるよう貢献したいと考えております。
1枚に収まらない場合は、業務内容の行数を減らすか、応募先に関係の薄い経歴を簡潔にしましょう。
応募先別・書き分けのポイント
| 応募先 | 厚めに書くこと |
|---|---|
| クリニック・外来 | 採血・点滴などの外来処置、患者さんへの説明、検査の介助 |
| 訪問看護 | 退院支援、家族指導、多職種連携、在宅で必要な処置(褥瘡・カテーテル管理など) |
| 介護施設 | 高齢者看護、看取り、介護職との連携、急変時の判断 |
| 美容クリニック | 患者さんへの説明・接遇、皮膚の観察、手術室経験(美容外科の場合) |
| 企業(産業看護師) | 保健指導・健康教育、データ管理、PCスキル、社会人としての調整力 |
| 急性期病院 | 重症患者の管理、急変対応、受け持ち人数、夜勤の経験 |
採用担当に読まれる職務経歴書の3つの条件
条件1:A4で1〜2枚に収める
経歴をすべて書こうとすると長くなりがちです。応募先に関係の薄い内容は省き、要点を絞りましょう。
条件2:箇条書きで見やすくする
文章が続くと読みにくくなります。業務内容や実績は「・」を使い、1行を短くまとめます。
条件3:具体的な数字を入れる
「多くの患者さんを担当」→「日勤で7〜8名を受け持ち」、「新人指導を担当」→「新人2名のプリセプターを担当」のように、事実にもとづく数字を入れると伝わり方が変わります。
やってはいけないNG例
| NG例 | 直し方 |
|---|---|
| 誤字脱字、「貴院」「御院」の混在 | 書き言葉は「貴院」に統一。完成後に声に出して読み直す |
| 経歴を盛る・事実と違うことを書く | 面接で深掘りされても説明できる内容だけを書く |
| 「色々な業務を担当」など抽象的な表現 | 疾患・処置・人数など具体的に書く |
| 3枚以上の長文 | 応募先に関係の深い経験に絞り、1〜2枚に収める |
| 前職の不満を書く | 退職理由は面接で前向きに伝える。書類には書かない |
提出方法と注意点
- メールで送る場合:PDFに変換し、「職務経歴書_氏名.pdf」のようにわかりやすいファイル名にする
- 郵送・持参の場合:A4用紙に片面印刷し、履歴書と一緒にクリアファイルに入れる
- 写真:職務経歴書には不要(履歴書に貼る)
- 控えを残す:応募先ごとに内容を変えた場合は、どれを送ったか保存しておく。面接前に読み返せる
提出前の最終チェックリスト
- 日付・氏名・在職期間が履歴書と一致している
- 職務要約を読むだけで、経験年数・分野・強みがわかる
- 業務内容に、疾患・処置・受け持ち人数など具体的な情報が入っている
- プリセプター・リーダー・委員会などの役割に、期間が書かれている
- 応募先で活かせる経験やスキルが上の方に書かれている
- 誤字脱字がなく、「貴院」など敬称が統一されている
- A4で1〜2枚に収まり、余白が詰まりすぎていない
- 面接で聞かれても説明できる内容だけを書いている
面接では、職務経歴書をもとに質問されることが多いです。提出したものを印刷して読み返し、1分間の自己紹介で話す内容とそろえておきましょう。
職務経歴書が書けないときは
「何を書けばいいか整理できない」「これで合っているか不安」というときは、転職エージェントに添削を頼むのも一つの方法です。応募先に合わせてどの経験を強調すべきか、一緒に考えてもらえます。
※サービス内容は変更される場合があります。最新情報は公式サイトで確認してください。
職務経歴書に関するよくある質問
看護師でも職務経歴書は必要ですか?
手書きでもいいですか?
派遣や単発の仕事も書くべきですか?
短期間で辞めた職場も書く必要がありますか?
職務経歴書の日付や年号は西暦と和暦のどちらで書けばいいですか?
委員会や勉強会の経験は書いたほうがいいですか?
パート・非常勤の経験はどう書けばいいですか?
転職エージェント経由でも職務経歴書は必要ですか?
- 職務経歴書は「何をしてきたか」を伝える書類。履歴書とセットで準備する
- 構成は日付・氏名→職務要約→職務経歴→資格・スキル→自己PRの5ブロック
- 施設概要・受け持ち人数・役割と期間など、具体的な情報を箇条書きで書く
- 応募先に関係の深い経験を厚く書き、A4で1〜2枚に収める
- 経歴を盛らない・個人情報を書かない。PDFで提出し、控えを残しておく