訪問看護のおすすめ本7選|新人訪問看護師の勉強に

「病棟から訪問看護に移ったけれど、何を勉強すればいいかわからない」「ひとりで訪問するのが不安」——訪問看護は、病棟とは働き方も求められる判断も大きく変わります。
この記事では、訪問看護を始めたばかりの人や、これから訪問看護を目指す人に向けて、訪問看護の基本から在宅での判断力、急変対応、看取りまでを学べる本を7冊紹介します。今の悩みに近いものから1冊選んでみてください。
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- 訪問看護で病棟と違う「学び直し」が必要な理由
- 訪問看護の本を選ぶ4つのポイント
- 目的別・訪問看護のおすすめ本7選と比較表
- 新人訪問看護師が本を読む順番
- 忙しくても続く勉強のコツとよくある質問
ゆい訪問看護の勉強は「全部わかってから訪問する」のは無理なんだ。まずは制度と1日の流れをつかむ1冊、次に判断や急変の1冊、という順で少しずつ広げてね。
訪問看護の本が必要な理由|病棟との違い
訪問看護は「看護師がひとりで利用者さんの自宅に行き、限られた物品と情報で判断する」仕事です。病棟であれば、すぐ近くに先輩や医師がいて、物品も検査もそろっています。在宅ではそうはいきません。
そのため訪問看護では、次のような病棟では意識しにくかった知識が必要になります。
- 介護保険・医療保険のどちらで訪問するかなどの制度の知識
- ケアマネジャーや主治医、ヘルパーとの多職種連携
- 検査データが少ない中でのフィジカルアセスメントと判断
- 家族を含めた生活の支援や、在宅での看取り
こうした知識は、ステーションの同行訪問だけでは体系的に学びにくい部分です。本で全体像をつかんでおくと、同行訪問で見たことの意味がわかりやすくなります。転職前に押さえておきたい準備は訪問看護に転職する前に勉強しておくことでもまとめています。
新人訪問看護師がつまずきやすい4つのこと
本を選ぶ前に、訪問看護を始めた人がつまずきやすいポイントを整理しておきましょう。自分がどこで困っているかがわかると、選ぶべき本がはっきりします。
保険制度と書類のルール
訪問看護は、利用者さんの状態によって介護保険と医療保険のどちらで訪問するかが変わります。訪問看護指示書、計画書、報告書など、病棟ではなじみの薄い書類も多くあります。最初は「どの保険で、どの書類が必要か」を利用者さんごとに確認することから始めましょう。
限られた時間と物品でのケア
1回の訪問時間は決まっており、その中で観察・ケア・記録・家族への説明までを行います。物品も利用者さんの自宅にあるものと持参したものだけです。段取りの組み方は、入門書の「1日の流れ」や事例を読むとイメージしやすくなります。
ひとりでの判断と報告
単独訪問では、その場で「様子を見てよいか」「主治医に連絡すべきか」を判断する必要があります。迷ったときにステーションへ相談するルールを確認したうえで、判断の考え方を学べる本を読んでおくと安心です。
利用者さん・家族との関係づくり
在宅では、看護師は「お客さま」として利用者さんの生活の場に入ります。家族の考えや生活習慣を尊重しながらケアを提案する姿勢が求められます。病棟とは違う距離感に戸惑う人は少なくありません。トラブルの例と対処法は訪問看護のトラブル事例と対処法でも紹介しています。
訪問看護の本を選ぶ4つのポイント
1. 今の自分の段階に合っているか
訪問看護の本は「仕事の全体像を知る入門書」と「判断や看取りなど特定のテーマを深める本」に分かれます。訪問看護を始めて間もないなら、まずは入門書から選ぶと挫折しにくくなります。
2. 制度の内容が新しいか
介護報酬・診療報酬は定期的に改定されます。制度の解説が中心の本は、発行年を確認しましょう。制度は本で全体像をつかみ、細かい点数や算定要件はステーションの資料や最新の通知で確認するのが安全です。
3. 事例やQ&Aが多いか
在宅では「この場面でどう考えるか」が問われます。事例やQ&A形式の本は、先輩の考え方をなぞりながら学べるため、ひとりで訪問するときの判断の助けになります。
4. 持ち歩けるか・読み物として続くか
訪問の合間に確認したいなら薄めの本、じっくり考えたいなら事例の多い本が向いています。気持ちが疲れたときには、訪問看護の現場を描いた読み物も役立ちます。
ゆい制度は本を読んでもすぐには覚えられないよ。「どの保険で入っているか」を利用者さんごとに確認するクセをつけると、本の内容がだんだんつながってくるからね。
訪問看護のおすすめ本7選
1. 現場で使える訪問看護便利帖
在宅医療の現状、訪問看護の役割や仕事の流れ、多職種連携、ステーションの仕事までを1冊で見渡せる入門書です。訪問看護に転職したばかりで「そもそも何から知ればいいか」がわからない人に向いています。
訪問看護の仕事を「制度」「連携」「現場の流れ」に分けて整理できるので、入職前の予習にも使えます。発売から年数がたっているため、報酬や制度の細かな数字は最新情報で確認しながら読みましょう。
訪問看護ステーションの運営や事務の流れにも触れているため、スタッフとして働く人だけでなく、将来ステーションの管理や立ち上げに関わりたい人にとっても全体を見渡す助けになります。
2. 看護の現場ですぐに役立つ 訪問看護のキホン
ケアマネジャーなどと連携しながら在宅の利用者さんを看護するための基本を、ライフステージごとのケアの視点も交えて解説した本です。図やイラストが多く、ページ数も多すぎないため、忙しい時期でも読み進めやすい構成です。
高齢の利用者さんだけでなく、小児の利用者さんも含めて在宅ケアを考えたい人に向いています。最初の1冊として、または便利帖と組み合わせて読むのもおすすめです。
「ナースのためのスキルアップノート」シリーズは、急変対応や看護記録など他のテーマでも刊行されています。同じシリーズでそろえると、レイアウトや解説の流れが共通しているため、別のテーマに進んだときにも読みやすく感じられるでしょう。
3. 現場で役立つ よくわかる訪問看護
「病院とは何が違う?」「ひとりで訪問するのが不安」といった悩みに答える形で、心・体・生活のケアから医療処置、緊急対応、家族との関わりまでを解説した本です。比較的新しい本で、訪問看護の現場で働き始めた人の戸惑いに寄り添う内容です。
在宅医療の第一線で活動する執筆陣による本で、「病棟の経験をどう在宅に生かすか」を考えるきっかけになります。訪問看護に向いているか不安な人は、訪問看護師に向いている人・向いていない人の特徴もあわせて読んでみてください。
4. 在宅ケアのための判断力トレーニング
ひとりでの判断が求められる在宅ケアの場面を誌上シミュレーションで読み解き、訪問看護師の「思考」「判断」「意図」を学べる本です。臨床推論やフレームワーク、リフレクション、認知バイアスについても実践的に解説されています。
入門書で仕事の流れがわかってきたら、次に読みたい1冊です。「なぜその判断をしたのか」を言葉にする練習になるので、ステーション内での報告や相談もしやすくなります。
在宅では、同じ症状でも生活環境や家族の介護力によって取るべき対応が変わります。本書のように状況全体をふまえて考える練習を積んでおくと、「病棟ならこうする」という発想から一歩進んだ判断ができるようになります。中堅以上の訪問看護師が、後輩への説明に使うのにも向いています。
5. 訪問看護のフィジカルアセスメントと急変対応
Q&Aと事例を通して、在宅でのフィジカルアセスメントと急変時の対応を学べる本です。検査や医師がすぐそばにない在宅で、何を観察してどう判断するかを考えるのに役立ちます。
オンコール当番に入る前に読んでおくと、電話を受けたときに確認すべきことを整理しやすくなります。オンコールの負担については訪問看護のオンコールがきついときの対策でも紹介しています。
6. 緩和ケアと看取りの訪問看護
在宅で療養するがんの利用者さんへの支援や、ステージの異なる人への緩和ケア、家族との関係づくり、意思決定の支援までを、Q&Aと実践事例で解説した本です。
在宅での看取りは、病棟での看取りと比べて家族が担う役割が大きくなります。症状緩和だけでなく、家族への説明や心の準備の支え方まで学べるため、看取りを担当する前に一度目を通しておくと安心です。
7. 家でのこと――訪問看護で出会う13の珠玉の物語
雑誌『訪問看護と介護』の連載をまとめた、訪問看護の現場を描くまんがです。取材と作者の経験をもとにしたオリジナルの13の物語が、水彩のイラストで描かれています。
知識を身につける本ではありませんが、「訪問看護でどんな関わりができるのか」をイメージするのに向いています。訪問看護への転職を迷っている人や、仕事に少し疲れたときに読むのもおすすめです。
訪問看護のおすすめ本・比較早見表
7冊の特徴を一覧にまとめました。迷ったときは「対象」と「向いている悩み」から選んでください。
| 書名 | 対象 | 向いている悩み |
|---|---|---|
| 現場で使える訪問看護便利帖 | 転職前〜新人 | 全体像をつかみたい |
| 訪問看護のキホン | 新人 | 短時間で基本を知りたい |
| よくわかる訪問看護 | 新人 | 病院との違いに戸惑う |
| 在宅ケアのための判断力トレーニング | 新人〜中堅 | ひとりで判断するのが不安 |
| 訪問看護のフィジカルアセスメントと急変対応 | 新人〜中堅 | 観察・急変・オンコール |
| 緩和ケアと看取りの訪問看護 | 中堅 | がん・看取りの支援 |
| 家でのこと | すべての人 | 訪問看護のイメージを持ちたい |
新人訪問看護師が本を読む順番
7冊すべてを一度に読む必要はありません。訪問看護を始めてからの時期に合わせて、次の順で読み進めるのがおすすめです。
- 入職前〜1か月目「便利帖」か「訪問看護のキホン」で、制度と仕事の流れをつかむ。同行訪問で見たことを本で確認する。
- 2〜3か月目「よくわかる訪問看護」で、医療処置や家族との関わりを具体的に学ぶ。単独訪問の前に読み返す。
- 単独訪問を始めたら「判断力トレーニング」と「フィジカルアセスメントと急変対応」で、在宅での判断の型を身につける。
- 半年〜1年目担当する利用者さんに合わせて「緩和ケアと看取りの訪問看護」など、テーマ別の本で深める。
ゆい最初の数か月は、覚えることが多くて当然だよ。わからなかったことをメモしておいて、週末に本で1つずつ確認するくらいのペースで大丈夫。
訪問看護の勉強を続けるコツ
担当の利用者さんから学ぶテーマを決める
本を最初から順に読むより、担当する利用者さんの疾患や状態に関係する章から読むほうが記憶に残ります。翌週の訪問で観察する点が具体的になり、学んだことをすぐに生かせます。
同行訪問の振り返りに本を使う
同行訪問のあと、先輩の行動で「なぜそうしたのだろう」と感じたことを本で調べてみましょう。理由がわかると、自分が単独で訪問するときの判断材料になります。
ステーションの勉強会と組み合わせる
制度や報酬は、ステーションごとの運用ルールもあります。本で全体像をつかみ、具体的な運用は管理者や先輩に確認するようにしましょう。目標を立てて学びたい人は訪問看護師の目標例文も参考になります。
訪問看護の本に関するよくある質問
訪問看護に転職する前に読んでおくべき本は?
病棟経験が長くても訪問看護の本は必要?
訪問看護の勉強は本と研修のどちらがいい?
精神科訪問看護を学ぶ本はある?
電子書籍でも問題ない?
- 訪問看護では、制度・多職種連携・ひとりでの判断など、病棟とは違う学びが必要
- 新人はまず「便利帖」「訪問看護のキホン」「よくわかる訪問看護」で全体像をつかむ
- 単独訪問を始めたら「判断力トレーニング」「フィジカルアセスメントと急変対応」で判断の型を学ぶ
- 看取りやがんの支援は「緩和ケアと看取りの訪問看護」でテーマ別に深める
- 制度や報酬は改定があるため、最新の情報で必ず確認する