プリセプターにおすすめの本7選|新人指導・教え方に悩んだら

「来年度からプリセプターを任されたけれど、自分に教えられるか不安」「新人さんにどう伝えればいいかわからない」「指導がうまくいかず、自分を責めてしまう」——プリセプターは、看護の経験はあっても「教える」ことを学ぶ機会が少ないまま任されることの多い役割です。
この記事では、プリセプターや新人指導を担当する看護師に向けて、教え方の基本、OJTの進め方、コーチング、研修づくりまでを学べる本を7冊紹介します。指導に悩んだときに開ける1冊を見つけてください。
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- プリセプターが悩みやすい4つのこと
- プリセプター向けの本を選ぶ4つのポイント
- 新人指導・教え方を学べるおすすめ本7選と比較表
- 悩み別の選び方と、1年間の読み方
- 本で学んだ指導を実践するコツ
ゆいプリセプターは「完璧に教えられる人」じゃなくて「新人さんと一緒に悩んで、成長を支える人」だよ。全部ひとりで背負わなくて大丈夫だからね。
プリセプターが悩みやすい4つのこと
1. 何をどこまで教えればいいかわからない
自分が自然にできるようになったことほど、言葉で説明するのは難しいものです。新人がどこでつまずいているのかがわからないと、教える内容も決めにくくなります。
2. 教え方が自分の経験頼りになる
多くのプリセプターは、自分が教わったやり方を参考に指導します。しかし、新人によって理解のしかたや得意・不得意は異なります。相手に合わせて教え方を変える技術は、本や研修で学べる部分です。
3. 厳しくすべきか、優しくすべきか迷う
安全にかかわることはしっかり伝えたい一方で、新人を追い詰めたくはない。この迷いは多くのプリセプターが感じるものです。フィードバックの伝え方を学ぶと、伝える内容と伝え方を分けて考えられるようになります。
4. 自分の業務と指導の両立が難しい
プリセプターは、自分の受け持ち業務をしながら新人の指導も行います。負担を感じたときは、ひとりで抱え込まず、教育担当者やほかのスタッフと役割を分担することも大切です。また、指導を受ける新人の側がどんなことに悩みやすいかを知っておくと、関わり方のヒントになります。新人側の気持ちはプリセプターが辛くて辞めたい1年目看護師へで紹介しています。
プリセプター向けの本を選ぶ4つのポイント
1. 看護の現場に合った内容か
一般的なビジネス書の指導法も参考になりますが、看護の現場では安全の確保や夜勤、多重課題など特有の事情があります。まずは看護の新人教育を扱った本から選ぶと、すぐに実践しやすくなります。
2. 理論と具体例のバランス
教育の理論だけでは現場で使いにくく、具体例だけでは応用がききません。理論と現場の場面の両方が書かれている本がおすすめです。
3. 読みやすさ
プリセプターは忙しい時期に本を読むことになります。マンガや図解を使った本や、場面ごとに読める本は、少しずつ読み進めやすくなります。
4. 自分の役割に合っているか
プリセプター個人向けの本と、教育担当者や管理者向けの本があります。自分が担う役割の範囲に合った本を選びましょう。
ゆい指導の本を読むと「自分はできていない」と落ち込むこともあるかもしれないね。でも、1つでも取り入れられたら十分だよ。少しずつ試してみてね。
プリセプター・新人指導におすすめの本7選
1. 「教える」に悩むナースを応援する 指導力向上ブック
プリセプターや教育担当者だけでなく、先輩や上司として教える機会のある看護師に向けて、指導力を伸ばすために必要な知識をさまざまな分野からまとめた本です。指導には幅広い知識とスキル、そしてコツがあるという視点で構成されています。
プリセプターを任されたら最初に読んでおきたい1冊です。新人も指導者もともに育つという視点で書かれているため、「教えなければ」というプレッシャーを少し軽くしてくれます。
プリセプターだけでなく、後輩を持つすべての看護師が「教える」ことを見直すきっかけになる内容です。指導に関する知識を幅広く扱っているので、自分に合う方法を探しながら読み進めるとよいでしょう。
2. マンガでわかる看護の教育:はじめてのプリセプター,OJT
初めてプリセプターを任された主人公の1年間を、春夏秋冬の流れで描いたマンガ形式の本です。現場で直面する悩みや「あるある」を、教育学の理論にもとづいて解説し、考え方や対処法を紹介しています。
1年間の流れに沿って描かれているため、「この時期にはどんな悩みが出てくるのか」を先回りして知ることができます。プリセプターになる前の準備として読むのにも向いています。
マンガ形式なので、指導の本を読むのが初めての人でも気軽に手に取れます。理論の部分もマンガの場面と結びつけて説明されているため、読み終えたあとに現場で思い出しやすいのが特徴です。
3. 新人看護師の成長を支援するOJT
実地指導者、プリセプター、メンター、エルダーなど、新人看護師の指導・支援にかかわる人に向けて、OJT(職場内教育)のポイントをまとめた本です。成人学習の理論をもとに、指導者の役割や基礎知識、新人の目線から描いた指導の場面などを解説しています。
新人の目線から指導の場面が描かれているため、「新人にはこう見えていたのか」という気づきが得られます。自分の指導を振り返るきっかけにもなる本です。
OJTは、日々の業務の中で行う教育です。だからこそ、指導者が意識しないと「なんとなく見て覚えてもらう」形になりがちです。本書で役割と基礎知識を整理しておくと、日々の関わりの中で意図を持って教えられるようになります。
4. 看護師に役立つコーチングの知恵
看護師向けの研修で講師を務める著者が、「コーチングとは何か」と悩む看護師のために執筆した本です。身近な場面をもとに、看護におけるコーチングを理解し、実践を通して身につけるための「知恵」を紹介しています。
答えを教えるだけでなく、問いかけによって新人自身に考えてもらう関わり方を学びたい人に向いています。新人が少しずつ自立してくる時期に役立つ考え方です。
ただし、安全にかかわる場面では、考えてもらうよりも先に確実に伝えることが優先です。コーチングとティーチング(教えること)を場面に応じて使い分ける意識を持って読むと、実践に生かしやすくなります。
5. 看護にいかすリーダーシップ 第3版
スタッフの成長段階に合わせた関わり方をリーダーシップととらえ、状況に応じて指示・助言・コーチングを使い分けられるようになるためのトレーニングを紹介した本です。理論の説明と基本スキルの習得を1冊で行えます。
新人の成長段階によって、必要な関わり方は変わります。「教える」と「任せる」のバランスに悩む人に向いた本です。施設内研修や勉強会でも使える内容になっています。リーダー業務の目標づくりには主任・リーダー看護師の目標管理シート例文も参考になります。
6. 改訂版 新人看護師と指導者で使う新人看護師「看護手順と評価基準」
厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインを基盤に、病院独自の評価基準や指導ポイントをまとめた本です。新人看護師が基本的な技術と知識を身につけ、安全・安楽な看護を自ら考えて行動できるようになることを目指した内容です。
「どこまでできたら合格なのか」が指導者によって違うと、新人は混乱してしまいます。評価の基準をそろえるための参考として、教育担当者や新人研修を企画する立場の人に向いています。自施設の手順書や評価表がある場合は、そちらを優先して使いましょう。
ほかの病院がどのような基準で新人を評価しているかを知ることは、自施設の評価表を見直すときの参考にもなります。
7. 学生・新人看護師の目の色が変わる アイスブレイク30
看護教育の現場や病院の研修で使えるアイスブレイクを30パターン厳選して掲載した本です。アイスブレイクを、個人の思考に働きかける教育技法としてとらえ、いつ、どんな場面で使うかを解説しています。
新人研修や勉強会の講師を任されたときに役立つ本です。緊張した雰囲気をほぐし、参加者が主体的に学べる場をつくる工夫を知ることができます。プリセプター同士の振り返りの場づくりにも使えます。
研修の冒頭の数分をどう使うかで、その後の参加者の発言のしやすさは大きく変わります。「話しやすい場をつくること」も教育の技術のひとつだと気づかせてくれる本です。
プリセプター向けの本の比較早見表
| 書名 | テーマ | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 指導力向上ブック | 指導の基本を幅広く | プリセプター・教育担当 |
| マンガでわかる看護の教育 | プリセプターの1年間 | 初めてのプリセプター |
| 新人看護師の成長を支援するOJT | OJTの進め方 | 実地指導者・プリセプター |
| 看護師に役立つコーチングの知恵 | コーチング | 考える力を引き出したい人 |
| 看護にいかすリーダーシップ | 段階に応じた関わり方 | リーダー・教育担当 |
| 看護手順と評価基準 | 評価基準・手順 | 教育担当・研修企画 |
| アイスブレイク30 | 研修の場づくり | 研修・勉強会の担当者 |
悩み別の選び方
初めてプリセプターを任されて不安な人
「マンガでわかる看護の教育」で1年間の流れをイメージし、「指導力向上ブック」で指導の基本を学ぶのがおすすめです。プリセプターとしての目標を立てるときはプリセプターの目標例文も参考にしてください。
新人との関わり方に悩んでいる人
「新人看護師の成長を支援するOJT」で新人の目線を知り、「看護師に役立つコーチングの知恵」で問いかけ方を学びましょう。教えすぎていないか、任せすぎていないかを振り返るきっかけになります。
教育担当者・研修の企画を任された人
「看護にいかすリーダーシップ」「看護手順と評価基準」「アイスブレイク30」で、評価の基準づくりや研修の場づくりを学びましょう。
プリセプターの1年間と読む本の目安
- 任命〜4月「マンガでわかる看護の教育」「指導力向上ブック」で、役割と1年間の流れを把握する。
- 4〜6月「新人看護師の成長を支援するOJT」で、基本技術の指導とフィードバックのしかたを確認する。
- 7〜9月夜勤の導入や多重課題が増える時期。コーチングの本で、新人が自分で考える力を引き出す関わりを意識する。
- 10月〜年度末1年間を振り返り、新人と一緒に次の目標を考える。指導の記録を次のプリセプターに引き継ぐ。
ゆい新人さんが落ち込んでいるときは、できたことを具体的に伝えてあげてね。「今日の報告、要点がまとまっていてわかりやすかったよ」みたいなひと言が、すごく支えになるよ。
本で学んだ指導を実践するコツ
フィードバックは「事実→影響→次の一歩」で
注意をするときは、人格ではなく行動に焦点を当てます。「○○のときに△△だった(事実)」「それによって□□のリスクがある(影響)」「次は××してみよう(次の一歩)」の順で伝えると、新人が受け止めやすくなります。
新人の「わかったつもり」を確認する
「わかった?」と聞くと、多くの新人は「はい」と答えます。「じゃあ、次にやることを説明してみて」と言葉で説明してもらうと、理解度を確認できます。
プリセプター自身も相談する
指導に悩んだときは、教育担当者やほかのプリセプターに相談しましょう。新人の成長は、プリセプターひとりではなくチーム全体で支えるものです。新人のミスへの向き合い方は新人看護師がミスして落ち込んだ時の立ち直り方も参考になります。
プリセプター向けの本に関するよくある質問
プリセプターになる前に読んでおくべき本は?
新人が何度も同じミスをするときはどうすればいい?
プリセプターの負担が大きくてつらいときは?
コーチングとティーチングはどう使い分ける?
- プリセプターは「完璧に教える人」ではなく、新人の成長をチームで支える役割
- 初めての人は「マンガでわかる看護の教育」「指導力向上ブック」で全体像と基本を学ぶ
- 関わり方に悩んだら、OJTやコーチングの本で新人の目線と問いかけ方を知る
- 教育担当・研修の企画者は、評価基準や研修の場づくりの本も役立つ
- 本の方法は施設の教育計画と照らし合わせ、ひとりで抱え込まずに相談する