看護の関連図の書き方|手順・例とうまく書くコツ

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「関連図って、どこから書けばいいの?」「線と矢印だらけでぐちゃぐちゃになる」「指導者さんに『つながりが見えない』と言われた」——看護実習の記録のなかでも、関連図は特に苦手な人が多いものです。

この記事では、看護の関連図の書き方を、手順と具体例でわかりやすくまとめました。うまく書くためのコツや、よくある失敗の直し方も紹介します。

この記事でわかること
  • 関連図の目的と種類
  • 関連図を書く前の情報整理
  • 関連図の書き方6ステップ
  • 心不全・脳梗塞・術後の関連図の例
  • よくある失敗と直し方
編集部ゆい

関連図は、患者さんに起きていることを「1枚の地図」にするもの。きれいに書くことより、つながりが説明できることのほうが大事だよ。

目次

関連図とは

関連図とは、患者さんの病態・治療・症状・生活への影響・心理・社会的な状況のつながりを、矢印でつないで図にしたものです。情報を整理し、看護問題がなぜ起きているのかを理解するために書きます。

種類内容
病態関連図病気の原因、病態の流れ、症状、検査データ、治療のつながりを中心に書く
全体関連図病態に加えて、生活への影響、心理面、家族や社会的な状況まで含めて書く

実習では、全体関連図を求められることが多いでしょう。学校によって呼び方や様式が違うため、求められている範囲を確認しておきましょう。

関連図を書く前の情報整理

いきなり紙に書き始めると、線がからまりやすくなります。まずは、次の情報を箇条書きで整理しましょう。

  • 基本情報年齢、性別、診断名、既往歴、入院の経緯。
  • 病態病気の原因(誘因)と、体の中で起きていること。
  • 症状・検査データ出ている症状、異常のある検査値、画像の所見。
  • 治療薬物療法、手術、安静度、食事制限など。治療による副作用も含む。
  • 生活への影響食事、排泄、睡眠、活動、清潔などへの影響。
  • 心理・社会病気の受け止め、不安、家族の状況、退院後の生活。

情報が足りないところは、教科書で病態を調べたり、カルテや患者さんとの会話から追加したりします。看護の勉強法は看護学生の勉強法|解剖生理・テスト対策も参考にしてください。

関連図の書き方6ステップ

  • 中心に病名を書く紙の中央、またはやや上に診断名を書く。
  • 原因・誘因を上に書く病気の原因や誘因(生活習慣、既往歴など)を病名の上に書き、矢印でつなぐ。
  • 病態の流れを書く病名から、体の中で起きていることを順番に矢印でつなぐ。
  • 症状・検査データを書く病態の流れの先に、実際に出ている症状や検査値をつなぐ。
  • 治療とその影響を書く治療を書き、治療によって起きている影響(副作用、安静による筋力低下など)をつなぐ。
  • 生活・心理への影響と看護問題を書く症状や治療が生活にどう影響しているかをつなぎ、最後に看護問題(#1、#2…)を書く。

上から下へ、原因→病態→症状→生活への影響→看護問題の順に流れるように配置すると、見やすい関連図になります。

編集部ゆい

最初は鉛筆や付箋で下書きして、配置を決めてから清書すると、線が交差しにくくなるよ。

関連図の例

ここでは、関連図の流れを文章で紹介します。実際の関連図は、各項目を四角で囲み、矢印でつないで書きます。

心不全の例

流れの例高血圧・虚血性心疾患(既往)→心臓のポンプ機能の低下→心拍出量の低下・肺うっ血→息切れ、起座呼吸、SpO2低下/下肢の浮腫、体重増加→利尿薬・安静の指示→活動量の低下、頻尿→#1 ガス交換障害、#2 活動耐性低下、#3 体液量過剰、#4 退院後の自己管理への不安

脳梗塞の例

流れの例高血圧・脂質異常症・心房細動(既往)→脳の血管の閉塞→脳の血流低下・神経細胞の障害→右片麻痺、構音障害、嚥下障害→移動の制限、コミュニケーションの困難、むせ→#1 転倒・転落のリスク、#2 誤嚥のリスク、#3 セルフケア不足、#4 言葉が伝わらないことによるストレス

術後(開腹術)の例

流れの例大腸がん→開腹手術・全身麻酔→創部の痛み、腸の動きの低下、呼吸機能の低下→痛みによる体動の制限、腹部膨満、痰の喀出困難→#1 急性疼痛、#2 術後合併症(肺合併症、イレウス)のリスク、#3 早期離床の遅れ

2型糖尿病の例

流れの例肥満・運動不足・食生活の乱れ(誘因)→インスリンの効きの低下・分泌の低下→高血糖(HbA1cの上昇)→口渇、多尿、倦怠感/血管の障害→網膜症・腎症・神経障害のリスク→内服薬・インスリン療法、食事療法→低血糖のリスク、食事制限によるストレス→#1 血糖コントロールが不安定、#2 低血糖のリスク、#3 足病変のリスク、#4 自己管理への不安

高齢者の誤嚥性肺炎の例

流れの例加齢・脳梗塞の既往による嚥下機能の低下→食べ物や唾液の誤嚥→肺の炎症→発熱、咳、痰の増加、SpO2低下、CRP上昇→抗菌薬の点滴、絶食・安静→脱水、筋力の低下、せん妄のリスク→#1 非効果的気道浄化、#2 誤嚥の再発のリスク、#3 廃用症候群のリスク、#4 栄養状態の低下
注意:例をそのまま写さない同じ病名でも、患者さんによって症状や生活への影響は違います。例は流れの参考にとどめ、受け持ち患者さんの情報で関連図を作りましょう。

矢印・記号のルール

記号使い方の例
実線の矢印(→)実際に起きている因果関係
点線の矢印(⇢)今後起こる可能性があること(リスク)
四角の枠実際にある症状・事実
点線の枠起こる可能性のある問題
色分け病態・治療・生活・心理などを色で分ける

記号のルールは学校によって決まっていることがあります。凡例(記号の説明)を関連図の端に書いておくと、読む人に伝わりやすくなります。

よくある失敗と直し方

よくある失敗直し方
病態の説明だけで、患者さんの情報がない実際の症状や検査値、患者さんの言葉を書き加える
矢印が交差してぐちゃぐちゃ付箋で配置を決めてから書く。関連の強いものを近くに置く
看護問題とつながっていない看護問題に向かう矢印をたどって、根拠が説明できるか確認する
心理・社会面が抜けている不安、家族、退院後の生活を書き足す
情報を詰め込みすぎて読めない看護問題に関係の薄い情報は省く

関連図とアセスメント・看護計画の関係

関連図は、それだけで完結する記録ではありません。アセスメントで整理した情報を図にし、そこから看護問題を導き、看護計画につなげるという流れの中にあります。

記録役割
情報収集カルテ・観察・会話から、患者さんの情報を集める
アセスメント集めた情報を、正常か異常か、なぜそうなっているかの視点で分析する
関連図分析した情報どうしのつながりを図で示し、全体像をつかむ
看護問題・看護計画関連図から見えた問題に優先順位をつけ、計画を立てる

関連図を書いていて「この矢印の理由が説明できない」と感じたら、アセスメントに戻って情報を確認しましょう。関連図は、自分の理解が足りないところを見つける道具でもあります。

指導者に見せる前のチェックリスト

  • 病名・原因・病態の流れが、上から下へ順番につながっている
  • 受け持ち患者さんの実際の症状や検査値が書かれている
  • 治療による影響(副作用、安静の影響など)が入っている
  • 生活・心理・家族の情報が抜けていない
  • すべての看護問題に、根拠となる矢印がつながっている
  • 実際の問題とリスクが、線や枠の種類で区別されている
  • 凡例(記号の説明)が書かれている

実習で時間をかけすぎないコツ

  • 受け持ちが決まったら、まず教科書で病態の流れを確認しておく
  • 最初から完成させようとせず、毎日情報を書き足していく
  • 関連図に使う語句は、短く体言止めで書く
  • わからない病態は、図や関連図が載っている参考書で確認する

関連図や看護過程の参考書は実習記録・看護過程の本おすすめ7選で紹介しています。看護計画の立て方は看護計画の書き方を参考にしてください。

関連図に関するよくある質問

関連図はどのくらいの大きさで書く?
学校の様式によりますが、A3用紙1枚に書くことが多いです。A4で収まらない場合は、指導者に相談しましょう。
関連図はパソコンで書いてもいい?
学校によって決まりがあります。認められている場合は、図形の機能を使うと修正がしやすくなります。
看護問題はいくつ書けばいい?
決まった数はありませんが、実習では3〜5個程度が多いです。優先順位をつけて、#1から順に番号をふりましょう。
受け持ち期間中に関連図は書き直す?
患者さんの状態や治療が変わったら、関連図も更新します。新しい情報は色を変えて書き足すと、変化がわかりやすくなります。最終日には、受け持ち期間全体をふまえた関連図に仕上げましょう。
病態の流れがどうしても理解できないときは?
解剖生理に戻って、正常な体のしくみを確認すると理解しやすくなります。図やイラストの多い参考書を使ったり、指導者や先生に「この部分のつながりがわからない」と具体的に質問したりするのもよい方法です。
既往歴はどこまで書けばいい?
今回の入院や看護問題に関係する既往歴を中心に書きます。関係の薄い既往歴まで書くと図が複雑になるため、つながりがあるかどうかで判断しましょう。
関連図とアセスメントはどちらを先に書く?
情報収集とアセスメントで情報を整理してから、関連図でつながりを確認する流れが一般的です。関連図を書きながらアセスメントを深めることもあります。
まとめ
  • 関連図は、病態・治療・症状・生活・心理のつながりを1枚の図にしたもの
  • 書く前に情報を箇条書きで整理し、付箋などで配置を決める
  • 原因→病態→症状→生活への影響→看護問題の順に上から下へ流す
  • 実線は実際の関係、点線はリスクなど、記号のルールをそろえる
  • 例は参考にとどめ、受け持ち患者さんの情報で書く
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この記事を書いた人

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