看護師は大卒と専門卒どっちがいい?給料・キャリアの違い

「看護師になるなら、看護大学と看護専門学校どっちがいいの?」「大卒と専門卒で、給料やキャリアはどれくらい違う?」——看護師を目指す人や、その家族がよく迷うポイントです。どちらを卒業しても、同じ看護師国家試験に合格すれば同じ看護師免許を取得できます。一方で、初任給や学べる内容、その後のキャリアの広がりには違いもあります。この記事では看護師の大卒と専門卒の違いを、給料・年数・学ぶ内容・キャリアの面から比較し、自分に合う進路の選び方をまとめました。
- 大卒と専門卒で、看護師免許や仕事内容は変わるのか
- 初任給の差(日本看護協会の調査データ)
- 年数・学費・学べる内容の違い
- 就職・昇進・資格取得などキャリアの違い
- どちらを選ぶべきかの判断ポイント
ゆい「どっちが上」ではなく、「何を大事にしたいか」で選ぶのがポイント。給料の差だけで決めないように、全体を比べてみよう。
結論:看護師免許は同じ。違いは「給料の差」「学ぶ期間と内容」「将来の選択肢の広さ」
看護大学を卒業しても、看護専門学校を卒業しても、看護師国家試験に合格すれば取得できる看護師免許は同じです。病棟での仕事内容が、学歴によって分けられることも基本的にはありません。
違いが出やすいのは次の3点です。
| 比較ポイント | 看護大学(大卒) | 看護専門学校(専門卒・3年課程) |
|---|---|---|
| 修業年数 | 4年 | 3年 |
| 初任給 | 専門卒より少し高い傾向(下の表を参照) | 大卒より少し低い傾向 |
| 学ぶ内容 | 看護に加えて、教養科目・研究・保健師課程などを学べる大学もある | 看護師になるための科目と実習が中心 |
| 働き始める時期 | 専門卒より1年遅い | 大卒より1年早く現場に出られる |
| 進学・資格 | 大学院への進学ルートがわかりやすい | 進学する場合は編入学などの方法を調べる必要がある |
大卒と専門卒の初任給の違い
日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、新卒看護師の初任給(2025年度実績)は次のとおりでした。
| 区分 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
|---|---|---|
| 高卒+3年課程卒(専門卒など) | 216,416円 | 285,078円 |
| 大卒 | 221,883円 | 292,527円 |
| 差(大卒−3年課程卒) | 5,467円 | 7,449円 |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」結果(2026年3月31日公表)。税込給与総額には通勤手当・住宅手当・夜勤手当などを含み、時間外手当は含みません。新卒者は単身・民間アパート居住、夜勤は三交代で月8回(二交代で月4回)として計算されています。差は編集部で計算しました。
平均で見ると、大卒のほうが月の基本給で約5千円、税込給与総額で約7千円高いという結果です。
年数・学費・学べる内容の違い
修業年数
看護大学は4年、看護専門学校(3年課程)は3年です。専門学校は1年早く国家試験を受け、現場に出られるのがメリットです。
学費
学費は、国公立か私立か、大学か専門学校か、自治体や病院の奨学金制度があるかによって大きく変わります。年数が1年違うこともふまえ、卒業までの総額で比べることが大切です。病院が運営する専門学校や、自治体の修学資金制度には、卒業後に指定の病院などで一定期間働くと返済が免除される仕組みがあることもあります。
学べる内容
看護大学では、看護の専門科目に加えて、教養科目や看護研究、統計などを学ぶ機会があります。大学によっては、保健師や助産師の養成課程を選択できるところもあります(定員や選抜の有無は大学ごとに違います)。
看護専門学校は、看護師国家試験と臨床で必要な知識・技術に集中したカリキュラムです。実習が多く、現場に近い学び方ができるのが特徴です。
ゆい保健師や助産師も目指したいなら、志望校にその課程があるか、何人くらい選べるかを必ず確認してね。大学ごとにかなり違うよ。
就職・キャリアの違い
就職のしやすさ
看護師は多くの職場で人手が必要とされており、専門卒だから就職先がないということは基本的にありません。ただし、大学病院や一部の職場では大卒者が多い傾向があり、応募条件や給与の格付けに学歴が関わることもあります。
新卒1年目の離職率
同じ日本看護協会の調査では、2024年度の新卒看護師の年度内離職率は、学校の種類別に次のとおりでした。
| 学校の種類 | 新卒看護師の年度内離職率(2024年度) |
|---|---|
| 大学 | 7.5% |
| 短期大学(3年課程) | 8.1% |
| 看護師学校養成所(3年課程) | 8.7% |
| 看護師学校養成所・短期大学(2年課程) | 12.3% |
| 全体 | 8.2% |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」結果(2026年3月31日公表)。
大学卒の離職率が最も低い結果ですが、差は大きくありません。離職には職場の教育体制や配属先など多くの要因が関わるため、「大卒だから辞めにくい」と言い切れるものではない点に注意しましょう。
昇進・管理職
主任・師長などの昇進は、学歴よりも経験や実績、研修の受講などで判断されることが一般的です。ただし、看護部長など上位の管理職や、看護管理の研修を受ける段階で、大学・大学院での学びが評価されることはあります。
専門資格・進学
専門看護師を目指す場合は、看護系大学院の修士課程で学ぶ必要があります。看護教員や研究職を目指す場合も、大学・大学院での学位が求められることが多くなります。将来こうした道に進みたい人にとっては、大卒のほうがルートが見えやすいといえます。
大卒と専門卒、どっちを選ぶべき?判断ポイント
| こんな人は | 向いている進路 |
|---|---|
| 早く現場に出て、臨床経験を積みたい | 看護専門学校 |
| 学費や在学期間をできるだけ抑えたい | 看護専門学校(奨学金・修学資金制度も確認) |
| 保健師・助産師の資格も目指したい | 保健師・助産師課程がある看護大学 |
| 将来、専門看護師・教員・研究・管理職も視野に入れたい | 看護大学 |
| 看護以外の教養やさまざまな学生との交流も大切にしたい | 看護大学 |
| 地元の病院で長く働きたい | 地元の病院と関係の深い専門学校・大学(実習先や就職先を確認) |
- 将来やりたいことを書き出す病棟で臨床を極めたい、保健師になりたい、いずれ教育や研究にも関わりたいなど、今の希望を整理します。
- 卒業までの総額と年数を比べる学費・生活費・奨学金の条件を含めて、卒業までにかかる費用を比べます。
- 国家試験合格率と就職先を確認する志望校の合格率、実習先、主な就職先を学校の資料やオープンキャンパスで確認します。
- 働きたい病院の初任給を調べる気になる病院の募集要項で、大卒と専門卒の初任給の違いを確認します。
専門卒でも、あとから学び直す方法はある
専門学校を選んでも、将来の選択肢がなくなるわけではありません。働きながら学位を取る方法もあります。
- 大学への編入学:看護系大学の3年次編入学などの制度を設けている大学もあります。
- 通信制大学などで学士を取得:働きながら学べる通信課程を利用する方法です。
- 学位授与機構の制度を利用:一定の条件を満たすと、学士の学位を申請できる制度があります。
- 認定看護師・特定行為研修:学歴にかかわらず、実務経験などの要件を満たせば目指せる研修・資格もあります。
看護師の大卒と専門卒に関するよくある質問
大卒と専門卒で、仕事内容に違いはありますか?
専門卒だと出世できませんか?
社会人から看護師を目指す場合はどちらがいいですか?
初任給の差は、何年働いても続きますか?
- 大卒でも専門卒でも、国家試験に合格すれば看護師免許は同じ
- 2025年度の新卒の初任給は、平均で大卒のほうが基本給で約5千円、税込給与総額で約7千円高い(日本看護協会調査)
- 専門卒は1年早く働き始められ、大卒は保健師課程や大学院進学など将来の選択肢が広がりやすい
- 学費は卒業までの総額と奨学金・修学資金制度を含めて比べる
- 専門卒でも、編入学や通信制大学などで学び直す方法がある
大卒と専門卒のどちらにも、それぞれのメリットがあります。将来やりたいことと、費用・期間のバランスを考えて、自分に合う進路を選んでください。